【医者が教える】ストレスが原因の「長引く咳(せき)」への対処法

2024年3月11日(月)6時0分 ダイヤモンドオンライン

【医者が教える】ストレスが原因の「長引く咳(せき)」への対処法

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「ストレスが原因による咳(せき)は長引きます」そう語るのは、これまでネット上で若者を中心に1万人以上の悩みを解決してきた精神科医・いっちー氏だ。「モヤモヤがなくなった」「イライラの対処法がわかった」など、感情のコントロール方法をまとめた『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』では、どうすればめんどくさい自分を変えられるかを詳しく説明している。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、考え方次第でラクになれる方法を解説する。(構成/種岡 健)

Photo: Adobe Stock

診断が難しい「咳」がある

「ストレス」は私たちの精神だけじゃなく、身体にもさまざまな影響を与えます。

 意外に知られていないストレスによる症状の1つに「ストレスによる咳(せき)」があるのはご存じでしょうか?

 実は、ストレスは様々な理由から「長引く咳」とつながっています。 ストレスによる咳は「心因性咳嗽(しんいんせいがいそう)とも呼ばれ、心に大きな負荷がかかることで咳の症状が引き起こされることが特徴です。

 しかし、咳だけで「心因性咳嗽」と診断するのは難しく、背景にある生活環境について注目する必要があります。 今回は、なかなか治らない「心因性咳嗽」について共有していきましょう。

「心因性咳嗽(しんいんせいがいそう)」の3つの特徴

 心因性咳嗽は、内科的な症状だけでなく、生活歴など精神的な背景が診断において重要となります。 そのためまずは3つの特徴について確認してください。

・仕事や学校に行く前の朝に悪化して、「吐き気」や「めまい」も引き起こす・身体所見、画像所見、検査所見に明らかな異常を認めず、「薬による治療」が効かない・「寝ているとき」には消失する

 このように、一般的な風邪や喘息などとは異なる特徴があります。 以前は心因性咳嗽は主に子どもで見られるものでしたが、近年の社会のストレスからも大人にも見られるようになっています。

「心因性咳嗽」はなぜ起こるのか?

 心因性咳嗽は、「ストレスや心の負荷」によって起こる反応です。 そんな心の負荷が起こるのにはいくつも原因が考えられます。

「ストレス」:仕事や学校、家庭など、人間関係での悩みによってストレスがかかることで、心の負荷は大きくなる「我慢のしすぎ」:イライラしたり、涙をこらえたり、感情を抑え込みすぎることで、咳による反射が簡単に出てしまう「さびしいから」:とくに小児では、無意識のうちに、自分に親からの注意を向けさせたいという気持ちから咳をしてしまう

 さまざまなストレスによって私たちの自律神経系は乱れ、咳が出やすくなってしまい持続する咳嗽、「心因性咳嗽」は起こるとも考えられています。 そしてすべてで共通している事項として、あなたの深層心理が「咳という形で無意識のヘルプサインを出している」ということです。

これを止めるには?

 心の負荷によって起こる「心因性咳嗽」は咳止めの効果も薄く、薬を止めるとすぐに再発してしまいます

 さらに咳だけでなく、吐き気やめまいも引き起こし、ときには喉を傷めたり、他の内科疾患を悪化させる恐れもあります。

 そんな心因性咳嗽を抑えてコントロールするためには自律神経系を整えるような薬物治療も有効ですが、それ以上に「あなたが何にストレスを感じているのか?」を振りかえることが大切です。

「長引く咳はメンタルがストレスを感じているサインかも?」

 そうあなたが感じて、自分を労わる気持ちを持つことが、まずは治療の第一歩になります。 あなたが感じているストレスの原因を振り返り、日常におけるストレスを減らす取り組みをすることで身体の異常も長引く咳も、自然に減らしていくことができるのです。

(本稿は、頭んなか「メンヘラなとき」があります。の著者・精神科医いっちー氏が特別に書き下ろしたものです。)

精神科医いっちー本名:一林大基(いちばやし・たいき)世界初のバーチャル精神科医として活動する精神科医1987年生まれ。昭和大学附属烏山病院精神科救急病棟にて勤務、論文を多数執筆する。SNSで情報発信をおこないながら「質問箱」にて1万件を超える質問に答え、総フォロワー数は6万人を超える。「少し病んでいるけれど誰にも相談できない」という悩みをメインに、特にSNSをよく利用する多感な時期の10〜20代の若者への情報発信と支援をおこなうことで、多くの反響を得ている。「AERA」への取材に協力やNHKの番組出演などもある。

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