「高学歴なのに打たれ弱い子」がハマる落とし穴…中学受験でも起こる【エリートの罠】とは?

2024年3月18日(月)20時0分 ダイヤモンドオンライン

「高学歴なのに打たれ弱い子」がハマる落とし穴…中学受験でも起こる【エリートの罠】とは?

写真を拡大

写真はイメージです Photo:PIXTA

「“勉強一筋”な子どもは燃え尽きやすい」。そう語るのは、日米で学習塾を経営し25年間で延べ5000名以上のバイリンガルを育成しているTLC for Kids代表の船津徹氏。「こんなにも具体的で内容が詰まっているものは初めて!」「目からウロコ」と子育て世代に話題の新刊『「強み」を生み出す育て方』の中から、25年間の塾経営でたどり着いた【「子どもの燃え尽き症候群」の予防法】をお届けする。

「勉強一筋」→燃え尽きやすい

 実は、勉強重視で学齢期を過ごした子どもは敗北を経験した時に挫折しやすく、燃え尽きやすくなります

 どんなに勉強が得意でも、必ず上には上がいます。さらに、勉強は全ての子どもがやることなので競争のレベルが高い。上に行けば行くほど競争が熾烈になるため、簡単に1番にはなれないのです。

 これを裏付けるエピソードがあります。世界一教育熱心といわれる韓国では、1997年の通貨危機後に「海外留学ブーム」が起きました。

 裕福層を中心に子どもを英語圏へ留学させることがトレンドとなり、ピークの2006年には、全学齢期の子どもの38%が留学経験者となりました。

 その結果、アメリカのトップ大学へ進学する韓国人学生も急増しました。2013年のハーバード大学(大学院含む)の国別在籍者数を見ると韓国は293名で、中国(722名)、カナダ(568名)に次ぐ世界第3位。これは、当時の日本の3.3倍です(同年の日本人在籍者数は88名)。

 ところが、ここに思わぬ落とし穴がありました。

 アメリカのトップ大学に通う韓国人学生のうち44%がドロップアウト(途中退学)してしまったのです。世界のトップ大学に合格したことで目標を失い、さらなる学習への意欲を失ってしまう、いわゆる「燃え尽き症候群」と呼ばれる現象です。

 合格後にさらに激化する世界のエリートたちとの競争に心が折れ、勉強へのモチベーションが湧かず、「自分はアメリカではやっていけない」と自信喪失してしまったのです。

 同じことが日本の「中学受験」でも起きています。受験を終え、中学に入学した後に成績が下がり続ける「燃え尽き症候群」が増加し、社会問題化してきています。燃え尽き症候群は第1志望校に合格した場合でも起こります。苛烈を極める競争にさらされ続けるうちに自信を失い、意欲もパフォーマンスも落ちて打たれ弱い状態に傾いてしまう。これが中学受験でも起こる「エリートの罠」です。

 裕福な家庭の子どもは質の高い教育を受けることができますが、同時にハイレベルの競争に巻き込まれます。親が「勉強だけ」に気を取られて、メンタル面を鍛えることをおろそかにしてしまうと、中学受験後に、子どもが燃え尽き症候群に陥る可能性が高くなってしまうのです。

ピッタリの習い事は子どもの強みを育てる最高のチャンス!『「強み」を生み出す育て方』(船津徹/ダイヤモンド社)より

子育て成功のカギは「強み育て」にある

『「強み」を生み出す育て方』 (船津徹・ダイヤモンド社)定価:1980円(税込)

 子どもが社会の変化に翻弄されずに、自分らしく幸せに生きていくには、失敗や挫折に負けない「たくましさ」を確立しなければなりません。一生ものの武器になるたくましさですが、どのように育てれば良いのでしょうか?

 たくましさが育つ要因は、家柄、血筋、遺伝ではありません。もちろん親の学歴や職業も無関係です。「子どもの潜在的な強みを引き出すこと」でたくましさは育つと断言できます。

 つまり、子育てで最優先すべきは「強み育て」なのです。強みは、音楽でもスポーツでも勉強でも、なんでもいいのですが、習い事は強みを育てる最高のチャンスになります!だから習い事選びは「子育て成功」に直結するのです。

 そこで「わが子にピッタリの習い事を詳しく知りたい!」という方のために、著書『「強み」を生み出す育て方』ではオリジナル診断を掲載しています。気質×才能の25タイプ別診断で「わが子にピッタリの習い事」がカンタンにわかります!

ダイヤモンドオンライン

「学歴」をもっと詳しく

「学歴」のニュース

「学歴」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ