日・ブラジル首脳、2年に1回の相互訪問で一致…石破首相「原則・価値共有の大切なパートナー」
2025年3月26日(水)23時16分 読売新聞
首脳会談に臨むブラジルのルラ大統領(左)と石破首相(26日、東京・元赤坂の迎賓館で)=代表撮影
石破首相は26日、国賓として来日したブラジルのルラ・ダシルバ大統領と東京・元赤坂の迎賓館で会談し、両国首脳が2年に1回相互訪問することで一致した。経済や気候変動分野での協力策も盛り込んだ今後5年間のアクションプラン(行動計画)を採択した。
首相は会談の冒頭、「ブラジルと日本は、原則、価値を共有している大切なパートナーだ」と述べ、関係強化を呼びかけた。ルラ氏は今年が外交関係樹立130周年であることに言及し、「新しい形での戦略的なパートナーシップを再活性化する歴史的なタイミングだ」と強調した。
行動計画は、〈1〉政治・安全保障〈2〉経済・投資〈3〉気候変動——の3本柱で構成。政治・安保では、いずれかの首脳が2年に1回訪問することや、外相会談を「外相戦略対話」に格上げすることを明記した。対話では、国連安全保障理事会改革などの国際的な課題や安全保障協力などが議題となる。外務・防衛当局の事務レベル対話の枠組みも作る。
経済・投資では、食料安全保障上のサプライチェーン(供給網)の強化や、日本産食品の輸出促進を盛り込んだ。気候変動では、自動車の脱炭素化に向け、ハイブリッド車(HV)の技術やバイオ燃料の普及で協力することを明記した。
ブラジルは新興・途上国「グローバル・サウス」のリーダー格で、日本は関係強化を重視している。外国首脳の国賓来日は、2019年5月の米国のトランプ大統領以来、約6年ぶり。