眠気とだるさは“春困(しゅんこん)“のせい!?

2019年4月9日(火)5時15分 ウェザーニュース


2019/04/09 05:25 ウェザーニュース

「春眠暁を覚えず」という言葉があります。春先になると眠気が強くなって気だるくなってしまうなど体に不調を感じることが多いと思います。この季節との上手な付き合い方を源保堂鍼灸院の瀬戸郁保先生、瀬戸佳子先生に教えてもらいました。

カギは肝臓にあった!

中国ではこの時期、生活に支障が出るほど辛くなってしまう症状のことを「春困(しゅんこん)」と呼び、古くから様々な対策が取られてきました。
「活動レベルを下げ、熱を逃さないようにしてきた冬から、春は新芽が出てくるように、エネルギーが湧き上がって活動的になる目覚めの季節。しかし体はまだ起きておらず、だるい状態が続いているのが春困です。
症状としては、集中力を欠いてミスをしやすくなる、倦怠感が強くて仕事や学校に行くのが辛くなる、常に眠いなど。放っておくと五月病などにもつながってしまうので、今からケアしておくことが大切です。
具体的な対策は肝臓のケア。東洋医学では、今まで眠っていた活動のギアを一段階アップさせるのが肝臓だとされており、春先の不調は肝臓の力が強すぎたり、弱すぎたりするために起こると考えられています」(瀬戸先生)

東洋医学では将軍に喩(たと)えられるほど強い力を持つ肝臓。一方で「沈黙の臓器」とされるように肝臓の不調はなかなか自覚しづらいのも事実。大きな症状になってしまう前に早めの対策をとることが大切です。

肝臓が春に追いついていかない!?

頭がぼーっとする、眠くなるといった春の典型的症状は肝臓が疲労しているために起こるそうです。
「立春を過ぎたのに身体はいつまでも冷えていると、肝臓は春の準備をしっかりできず、体に様々な不調が出てしまいます。“肝は血を蔵(ぞう)す”というように、肝臓が弱っていると、身体の各部位への血液の巡りが崩れてしまいます。頭に十分な血液が回らなくなることで、ぼーっとする、眠気が続く、神経伝達が鈍って身体もだるい、さらには貧血などの症状が出てしまうのです」(瀬戸先生)

そういう時は、生活習慣の見直しが必要だと瀬戸先生は言います。
「まず飲酒や、揚げ物などの油物は控えて肝臓に負担をかけないことが大切です。また、肝臓などが回復する23時から3時の間はちゃんと寝るようにしてください。食べものとしては解毒作用を助けるキャベツ、菜の花、緑豆モヤシ、山菜、しじみ、などを摂るといいでしょう。また、貧血予防に鉄分が多いレバーやカツオ、マグロなども良いでしょう」(瀬戸先生)

肝臓のエネルギーが強まってしまう!?

逆に、イライラしやすくなるなど、感情をうまくコントロールできずに動悸などの症状が出るのは、肝臓の力が強まり過ぎていることが原因として考えられるようです。
「春先は、肝臓の力が増してきます。身体の中に余分なエネルギーが溜りすぎる『肝鬱(かんうつ)』という状態になってしまい、怒りっぽくなったり、気持ちが不安定になったりします。停滞したエネルギーは次第に熱を帯びてくるので、炎症性の症状である花粉症も悪化することになりますので、花粉症がある人は特に注意したいですね」(瀬戸先生)

こういった症状に対しては、少し汗ばむ程度の運動などで発散させてあげるといいでしょう。
「ポイントは“少し汗ばむ程度”ということ。汗を出す、つまり汗腺が開くと余分な熱を放出ができるので、肝臓に生じたエネルギーの停滞を解消することができます。イライラもまた肝臓に負担をかけ、悪循環しますので、気分転換やストレスを発散することも意識してやってみてください。食べ物としてはイライラを発散させる効果があるセリ、クレソン、ミント、柑橘類などがオススメです」(瀬戸先生)
冬から春に移り変わったことを体に知らせるためにもこの時期、ぜひ太陽に当たってほしいとまた瀬戸先生はいいます。たまには仕事の合間などにちょっと外に出て軽い運動がてら日光浴をしてみてください。


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