「僕はレストランの社長」「交際費ですよ」“元自民党幹事長の長男”に利益供与した空港ビル会長が、辞任直前に繰り広げた“無責任釈明”

2025年5月16日(金)12時0分 文春オンライン

「ちょっと聞きたいんだけどさ、『私物化してる』って、何をもって?」


 記者の取材にこう語気を強める男性。羽田空港ターミナルビルの管理運営を行う日本空港ビルデング(東証プライム上場。以下、空港ビル)の鷹(たか)城(しろ)勲(いさお)前会長兼CEO(81)だ。



鷹城氏(右から2人目)


 鷹城氏は5月9日、同社の横田信秋前社長兼COO(73)とともに辞任を申し出、取締役会に受理された。


「総額4億円超の利益供与」を主導したのは横田氏


「空港ビルは古賀誠元自民党幹事長の長男(52)が経営する業務実態のないコンサルティング会社に対し、マッサージチェアの設置などをめぐって06年から総額4億円超の利益供与を行っていた。5月9日、空港ビルの社外取締役が中心となった特別調査委員会が調査結果を公表。『一連の取引を主導したのは横田氏であり、鷹城氏もそれを容認・助長していた』と断じられた」(社会部記者)


 鷹城氏は05年に社長に就任すると、16年に横田氏に社長ポストを譲り、会長兼CEOに昇格。20年以上、代表取締役の座に君臨し、長男は総務・人事部長に就いた。調査報告書では、長期政権で「ガバナンスを無効化」し、古賀氏長男をめぐる一連の取引も鷹城氏が「トップダウンで指示を出し」たと認定された。


「週刊文春」記者はこの報告書が出る3日前の6日、鷹城氏を約40分に渡り直撃。鷹城氏は“無責任釈明”を繰り広げていた。


「横田に最初に任せた。その後は俺は知らない」


——取引は鷹城会長が社長時代に始まった?


「そうそう。マッサージチェア自体は別に悪い話でも何でもないから『検討しなさい』と横田に紹介した」


——自身の責任は?


「僕自身は、はっきり言っときますけど、お金のやり取りとか、そういうのには全く関与してません。横田に最初に任せた。その後は俺は知らない」


「週刊文春 電子版」では4月11日、 鷹城氏による会社の“私物化”を報道 。冒頭の言葉は、これへの反論だった。記者が「在任が長すぎる」と指摘すると、


「僕はね、この会社に精一杯のことはやってるつもりですよ。在任期間長いのは私物化っていうの?」


 同社関係者によれば、鷹城氏は20年間、毎日の昼食代を会社経費で落としていたという。関連会社が経営する羽田空港第1ターミナルの和食と中華の店がお気に入りで、客が行列を作っているのを横目に我が物顔で入店し、席に着いていたというのだ。


——昼食代はすべて会社経費で落としている?


「僕はレストランの会長ですよ。サービスであったり食事の内容だったり。ウチの役員を連れて行って、試食をして食べて。彼らに『直すところは直せ』と」


——タダですよね。


「『交際費』ですよ」


 今後の同社は悪しき風土を払拭できるかが課題だ。


(「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年5月22日号)

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