「王様の食べ物」モロヘイヤで、暑い夏を健康に過ごそう

2020年7月22日(水)10時45分 ウェザーニュース


2020/07/22 10:35 ウェザーニュース

「王様だけのもの」という意味の食べ物があることを知っているでしょうか。しかも、その食べ物自体も「王様」と呼ばれることがあるのだから、いかにも貴重で、手の届かない存在に思えます。この食べ物の旬は夏。さて、これはいったい何でしょうか?

クレオパトラも愛した食べ物

答えは「モロヘイヤ」です。モロヘイヤはアラビア語で「王様だけのもの」の意味です。原産はエジプトで、ファラオ(古代エジプトの王)の病を癒やしたり、美容効果を期待して、クレオパトラ(古代エジプトのプトレマイオス朝の女王)が好んで食べたりしたと伝わります。
モロヘイヤは、その優れた栄養効果から「野菜の王様」といわれることがあります。「王様の食べ物」で「野菜の王様」でもあるモロヘイヤは、ありがたいことに、今の日本では、容易に手に入り、食べることができます。
王様とつながりの深いモロヘイヤの“実力”は、どんなものなのでしょうか。

栄養分は野菜の中でもトップクラス

まず特筆すべきは、豊富に含まれるβ-カロテンです。ニンジンやホウレンソウを上回る含有量で、がんや老化を抑制する効果が期待できます。ほかにも、ビタミンA・B1・B2・B6・C・E・Kのビタミン類、カリウム、カルシウムの含有量は、多くの野菜の中でトップクラスです。
上記のうち、たとえば、ビタミンB2は皮膚の状態を正常に保つなど、美容に欠かせない栄養素で、動脈硬化やがんなどの予防にも役立ちます。
ビタミンEは強い抗酸化作用を持ち、老化を抑制したり、種々の生活習慣病を予防したりします。また、血液の循環を改善し、冷え性や肩こりの症状を緩和する働きをします。
ビタミンKは骨の形成を促すので、丈夫な骨づくりに欠かせません。また、モロヘイヤは食物繊維も非常に多く含むので、便秘の予防・改善にも役立ちます。
モロヘイヤが持つ健康パワーはほかにもまだあります。さすが、「王様の食べ物」で「野菜の王様」といわれる食材ですね。

モロヘイヤ+納豆などで、パワーアップ!

モロヘイヤは、日本では、おひたしにして食べる人が多いでしょう。しかし、おひたしに限らず、スープやみそ汁に入れたり、サラダや卵焼き、天ぷらや炒め物に活用したりして、食べるのもおすすめです。
暑い日には、そうめんや冷や麦の上に、モロヘイヤ、梅干し、刻み海苔、缶詰のツナなどを載せ、めんつゆをかけて食べると、さっぱりした風味を楽しみつつ、栄養もしっかりとることができます。
モロヘイヤはネバネバした食感も持ち味の一つです。ネバネバ食品が好きな人は、モロヘイヤと納豆、山芋、メカブなどを組み合わせて食べてみてはどうでしょうか。ネバネバ感が強まるうえに、栄養価もいっそう高まります。
うっとうしい梅雨時にも、酷暑の真夏にも、モロヘイヤは私たちの健康維持・増進の力強い味方になってくれます。さらに、今年は新型コロナウイルスへの対策も必要です。
かつては王様だけの食べ物だった、栄養抜群のモロヘイヤを食べて、酷暑にも新型コロナウイルスにも負けずに、夏を健康に過ごしたいものです。
※モロヘイヤの種子や茎には毒性が含まれる場合があります。食用として市販されているモロヘイヤの葉などは心配ありませんが、家庭菜園で自家栽培している場合は、茎の部分を食べないように注意してください。

参考資料など

『旬の野菜の栄養事典 最新版』(監修/吉田企世子、エクスナレッジ)、『決定版 栄養学の基本がまるごとわかる事典』(監修/足立香代子、西東社)
JAグループ「夏・秋の旬野菜 モロヘイヤ」(https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=104)、農研機構「モロヘイヤの毒性について」(https://www.naro.affrc.go.jp/org/niah/disease_poisoning/jute.html)


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