石破茂氏が総裁選で掲げた「アジア版NATO」創設…国際情勢は緊迫化、さっそく問われる外交手腕

2024年9月28日(土)7時0分 読売新聞

自民党総裁の椅子に座り、笑顔を見せる石破茂新総裁(27日、党本部で)=川口正峰撮影

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 自民党の石破茂新総裁は、ロシアがウクライナ侵略を続け、中国が覇権主義的な動きを強めるなど、国際情勢が緊迫化する中での就任となった。防衛力強化に向け、日米同盟を中心とした同盟国・同志国との連携を加速させることは急務で、外交手腕が早速問われることになる。

 「私は安全保障の仕事を長く手がけてきた。日本国を守るということをきちんと確立していく」

 石破氏は27日夜、新総裁として初めて臨んだ記者会見で、今月相次いで発生したロシア軍機による領空侵犯や中国空母による日本の接続水域の航行などを挙げ、対応を急ぐ考えを強調した。

 日本の抑止力・対処力を向上させるため、石破氏が総裁選で掲げたのが「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」の創設だ。日米同盟や米韓同盟、米比同盟などの枠組みを「有機的に結合することを考えていくべきだ」と主張した。

 ただ、日本は、国の存立が脅かされる事態などに限って集団的自衛権の行使を認めており、石破氏の構想には「現実的に難しいのではないか」との指摘もある。

 日本外交の基軸である日米同盟を巡っては、石破氏は総裁選で、沖縄の基地負担の軽減のため、日米地位協定の見直しを訴えた。

 こうした言動を巡り、同盟関係の抜本的な見直しにつながる恐れがあるとの見方も出ている。米政府関係者は「同盟関係に混乱を招きかねない」と述べ、警戒感を示した。

 石破氏は「同盟強化に極めて有効だ」として、米国に自衛隊の訓練基地を作る案も示している。

 岸田首相は在任中、バイデン米大統領と個人的な信頼関係を築き、日米同盟はかつてなく強固となった。米国は11月に大統領選を控えており、石破氏にとっては新大統領との関係構築も重要な課題となる。

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