お米にもカビが生える? 正しいお米の保管方法とカビ対策

2023年9月30日(土)5時10分 ウェザーニュース

2023/09/30 05:00 ウェザーニュース

秋になり、全国的に今年収穫されたお米が店頭に並ぶ「新米」の時季になりました。せっかくの新米ですから正しく保管して、おいしく食べたいものです。一方、特に湿度が高い時期など、保管状況が悪いとお米にもカビが生えるリスクがあるといいます。
ウェザーニュースで「お米にカビが生えた経験は?」というアンケート調査を実施したところ、「なし」という回答が多かったものの、「ある」の回答も全体の2割近くに上りました。

特に夏場、お米を高温多湿な環境で保管していた場合は、カビが生えていないか調べてみましょう。
除カビ・防カビの専門会社のハーツリッチ株式会社ハーツクリーン事業部の穂苅(ほかり)さんに、正しいお米の保管法とカビ対策を教えていただきました。

お米にカビが生える理由

お米はサラサラ乾燥しているので、いつまでもカビが生えないような気がします。それでもカビが生えて変色してしまうのは、どのような理由からなのでしょうか。
「しっかり保管したつもりでも、ある条件がそろえば、米びつの中には簡単にカビが姿を現わします。まずは、カビが生える条件を知っておきましょう。
最大の条件は、湿度です。湿度が70%以上になれば、注意しなければなりません。次に重要な条件は、エサとなる栄養分の存在です。ホコリや汚れもカビのエサになります。
そのほか、気温は人間が快適に感じる20〜30℃でカビが好発します。また、酸素も必要としますが、これはカビが生き物である証拠です」(穂苅さん)
米びつの中には水分も栄養もないような気がしますが、なぜ湿度が上がったり、エサができたりするのでしょうか。
「乾燥しているように見えるお米ですが、若干水分を含んでいるのです。お米自身が水分を含んでいながら、さらにはお米自体も吸湿性があります。
あと、お米が栄養であることを忘れてはいけません。湿気と栄養分を好んで増殖するカビにとって、米びつの中は格好の住処(すみか)なのです」(穂苅さん)
特にジメジメした夏場は、カビにとって絶好の環境です。お米が正しく保管されていない場合はカビが生えている可能性もあるので、注意しましょう。

カビが生えたお米は食べられる?

お米は加熱調理するので、万一カビが生えたとしても食べられるのでは?
「結論からお伝えすると、カビが生えたお米を食べてはいけません。加熱調理によって死滅するように見えますが、カビが産出した毒素を熱で消滅させることはできないからです」(穂苅さん)
では、米びつの中の一部にカビが生えていた場合、その部分を除けば他は食べられるのでしょうか。
「カビが生えたお米と一緒になっていた他のお米も、食べるのを控えたほうがいいでしょう。目に見えているカビは実はカビの胞子の集合体で、実際のカビは目に見えません。目には見えなくても、他のお米にカビが付着している可能性は高いのです。
さらに、カビが生えているということは、保管状態が悪いことを示しています。カビでなくても他の細菌が増殖していることも考えられます。衛生面を考慮すると、破棄するのが得策だと言えるでしょう」(穂苅さん)

カビのリスクを高めるNG保管方法とは

お米にカビが生えるのは、保管方法に問題がありそうです。何がNGなのでしょうか。
「気を抜くとやりがちなのが、水で濡れたままの手でお米の計量をしてしまうことです。炊飯器の釜を洗った後すぐ、計量しようとしていませんか? 計量する前には必ず手の水気をなくし、水滴のついた軽量カップを米びつの中に放置しないでください。
スーパーでお米を買ってきて封を開け、米袋から直接お米を計量するのもNGです。スーパーの米袋はどんな汚れと接触しているかわかりません。必ず米びつかライスストッカーに移し替えてください。
米びつやライスストッカーは、お米を使い切った時点でこまめに洗いましょう。入りきらずに袋に残ったら、輪ゴムやストッパーでしっかり密閉してください。このとき、乾燥剤を入れておくと効果的です」(穂苅さん)

お米の正しい保管方法

お米の正しい保管方法も教えていただきました。
「直射日光に当てると米びつ内の温度が上昇してお米の劣化が進むので、暗所に保管しましょう。
夏場など気温が高くなると米びつ内の温度も高くなり、湿気がこもりやすくなります。そうなるとカビが増殖しやすいので、夏は野菜室など冷所での保管がお勧めです。
保管期間は、冬2ヵ月、春・秋1ヵ月、夏2週間が目安です。この期間に食べきるようにしてください」(穂苅さん)
お米の正しい保管方法とカビ対策を身につけて、美味しいお米を味わいましょう。

参考資料など

取材協力/ハーツリッチ株式会社(https://haezclean.com/)

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