食欲の秋でも食べ過ぎない 満腹中枢の刺激で無理なくダイエット

2019年10月4日(金)5時40分 ウェザーニュース


2019/10/04 05:41 ウェザーニュース

朝晩の気温もだんだんと下がり、季節も夏から秋にシフトしてきました。
「食欲の秋」と言いますが、なぜ秋は食欲が増すのでしょうか。それには諸説あって、暑い夏に衰えた食欲が涼しくなった秋に増すという「気温説」、夏に比べて基礎代謝が上がる秋は食欲が増すという「代謝説」、秋は米をはじめ美味しい作物が収穫期を迎えるからという「収穫の秋説」、変わったところでは食べ物が乏しくなる冬に備えてという「食い溜め説」もあります。
しかし、食欲が増すと心配なのが体重増加です。どうしたら食欲をうまく抑えることができるのでしょうか?

ひと口を30回噛む習慣で食欲抑制

「脳の奥深くにある視床下部には、食欲を高める摂食中枢と、食欲を抑える満腹中枢があります。血液中のグルコース(ブドウ糖)濃度が下がると空腹感を覚えて食欲を高める摂食中枢が働き、食事を摂って血中グルコース濃度が上がると満腹感を覚えて食欲を抑える満腹中枢が働きます」と語るのは横浜相原病院(神奈川県横浜市)の吉田勝明院長です。
したがって食欲をコントロールするには、満腹中枢を刺激すればいいと吉田院長は言います。早食いの人は満腹中枢が刺激される前に食べ終えてしまうから大食いになりがちなのです。ポイントはゆっくり食べること。ゆっくり食べるには、ひと口を30回ぐらいは噛む習慣をつけることです。また、スープや野菜を先に食べ終えると食欲が抑えられて食べ過ぎを防ぐことができます。

食欲を抑える薬もあるが…

満腹中枢を働かせて食欲を抑える薬もあるそうです。
「日本ではサノレックス(商品名:マジンドール)が認可されています。これを服用すると空腹を感じることがなく、ひと口食べただけでお腹一杯になるので、結果的にやせるのです。ただし、これは医師の処方薬で、標準体重の70%増し以上、またはBMI(肥満度)35以上(標準は22前後)で、糖尿病や心臓病などで減量する必要がある人が対象です」(吉田院長)

なぜ「やけ喰い」をするのか?

お腹が空いていないのに食べる人もいます。
「悲しみや苛立ち、不安や怒りを感じる中枢は、摂食中枢のすぐ隣にあります。ですから、イライラ、ムシャクシャすると食欲中枢が刺激され、必要もないのに食べてしまうのです。食欲をコントロールするには、心穏やかにゆとりを持った生活を送ってください」(吉田院長)

また、ダイエットに成功したのに、油断をしたら再びよく食べるようになり、以前より体重が増えることもあります。いわゆる「リバウンド」です。
「これは必要以上の食事制限をした結果、イライラ、ムシャクシャして食欲中枢が刺激され、食べてしまうからです」(吉田院長)
食欲をコントロールするには、空腹時にスーパーやコンビニの食品売り場に立ち寄らない、飲食店街に近づかない、怒りや苛立ちを鎮めるなど食欲中枢を刺激しないといったことも心がけてください。


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