「頼れるお姉様のような存在」愛子さまの単独公務で垣間見えた眞子さん・佳子さま“姉妹”の影
2024年11月17日(日)21時0分 週刊女性PRIME
《これからは成年皇族の一員として、一つ一つのお務めに真摯に向き合い、できる限り両陛下をお助けしていきたいと考えております。そして、日頃から思いやりと感謝の気持ちを忘れず、小さな喜びを大切にしながら自分を磨き、人の役に立つことのできる大人に成長できますよう、一歩一歩進んでまいりたいと思います》
佐賀県を訪れた愛子さま
2021年12月1日、天皇、皇后両陛下の長女、敬宮愛子さまが20歳の成年の誕生日を迎えた際、前記のような成年の感想文書を発表した。《一つ一つのお務めに真摯に向き合い、できる限り両陛下をお助けしていきたい》と綴った愛子さまが'24年10月11、12日、国民スポーツ大会(旧国民体育大会)などを視察するため一人で佐賀県を訪れた。愛子さま単独での地方の公的な活動は初めてのことだった。
報道によると、11日、空路を利用して佐賀空港に到着した愛子さまは、出迎えた佐賀県知事らに「少し緊張しております。2日間よろしくお願いします」と挨拶した。この後、佐賀市のSAGAスタジアムで陸上競技を観戦したが、少年男子A100メートル準決勝などを見ながら、選手らに拍手を送った愛子さまは関係者に「テレビで感じることができない、足音まで聞こえて感激でした」と述べたという。
秋篠宮ご夫妻の次女、佳子さまが10月14日と15日、国民スポーツ大会の総合閉会式出席などのため、同じく佐賀県を訪問した。愛子さまが現地で活動を終えた、わずか2日後のことであった。
15日、佳子さまはSAGAアリーナで開かれた総合閉会式に出席し、男女総合優勝した東京都の代表に天皇杯を、女子総合優勝した同じく東京都の代表に皇后杯を、それぞれ手渡した。この後、佐賀市にある県立ろう学校を訪れ、生徒たちと交流した。
「公的な活動に関する関心事ですが、これからさまざまな活動に参加する中で、自分の関心を持っている分野について考えていきたいと思っております。また、基本的には、自分が関心を持っているかどうかというよりも、いただいた仕事を一つひとつ大切にしながら取り組んでいくべきだと考えております」
2014年12月29日、佳子さまは20歳の成年の誕生日を迎えた。その前に記者会見が行われ、記者から「成年皇族としてご公務に臨む機会も増えますが、特に関心を持っている分野とともに今後の抱負をお聞かせください」などと尋ねられた佳子さまは、前述のように答えている。
地方の公的活動に出席する佳子さま
成年の誕生日を迎えて約半年後の2015年6月6日と7日、佳子さまは、海洋研究開発機構の海底広域研究船の命名・進水式に出席するため1泊2日の日程で山口県を訪問した。佳子さまが、一人で地方の公的な活動に出席するのは初めてのことだった。
今回の愛子さまの地方公務デビューから9年以上も前のことである。「基本的には、自分が関心を持っているかどうかというよりも、いただいた仕事を一つひとつ大切にしながら取り組んでいくべきだと考えております」との姿勢で、国内での公的な活動に加え、今年のギリシャ公式訪問など外国公式訪問も積み重ねている佳子さまは、今やどの場所でも笑顔を絶やさず、多くの人々を魅了してやまない。
「この催しや、さまざまな活動により、自分とは異なる背景や状況への理解が深まることを願っています。このような理解がジェンダー平等を含む、より良い社会を目指した取り組みを進める力になると思います」
この10月の佳子さまは忙しかった。6日に東京都内で開催された、女性の可能性を育む活動の報告や表彰を行う「ガールズメッセ2024」に出席し、前述のように挨拶した。
さらに17、18日の両日、世界最大級の陶磁器の祭典とされる「国際陶磁器フェスティバル美濃」開会式出席などのため、岐阜県を訪れた。佳子さまはこのフェスティバルの名誉総裁を務めている。開会式で、「陶磁器の未来を担う人々が、本フェスティバルから、刺激を受け、一層、力強く羽ばたくことを願っています」などと述べ、テープカットをしている。
頼りになる存在
「眞子さんは、私の10歳年上でございますので、物心ついたときにはすでに頼りになるお姉様のような存在で、周りを見渡し、自ら率先してお手伝いをされる姿が特に印象に残っております。
また、私が生まれた当初から同じ敷地内に住んでいらっしゃいましたので、赤坂のお庭で一緒に遊んでいただいたことや、折に触れて楽しくお話をさせていただいたり、ゲームで盛り上がったりしたことは、私の眞子さんとの大切な思い出でございます。幼いころから、いつも変わらず明るく、優しく接していただいたことをありがたく思うとともに、従姉妹として、末永いお幸せをお祈りしております」
2022年3月17日、前年末に20歳の成年の誕生日を迎えた愛子さまは初めて記者会見を行った。従姉妹の小室眞子さんの結婚などについて記者から質問され、このように答えている。愛子さまの幼いころから、佳子さまはよく愛子さまの面倒を見ていて、二人はまるで「姉妹」のように仲良しであると、この連載で以前に紹介した。
愛子さまの会見中の「眞子さん」を「佳子さま」に置き換えてもほぼ同じ内容になるはずである。愛子さまと佳子さまの関係を踏まえて考えてみると、今回、初めて一人で佐賀県を訪れ、公的な活動を行った愛子さまは、当然、佳子さまのこれまでの仕事ぶりを参考とされているであろうし、もしかすると、佐賀訪問前に愛子さまは佳子さまに、プライベートで質問をしたり、相談しているであろうことは容易に想像できる。
もちろん、両親からのアドバイスは大切だ。しかし、そこは若い女性同士である。親には尋ねられないことでも「頼りになるお姉様のような存在」である佳子さまなら気軽に、何でも質問できるかもしれない。
愛子さまにとって佳子さまは、いつまでも頼りになる先輩である。これから先も、二人はずっと、仲良し「姉妹」であってほしいと願わずにはいられない。
<文/江森敬治>
えもり・けいじ 1956年生まれ。1980年、毎日新聞社に入社。社会部宮内庁担当記者、編集委員などを経て退社後、現在はジャーナリスト。著書に『秋篠宮』(小学館)、『美智子さまの気品』(主婦と生活社)など