カイロス2号機打ち上げ失敗、爆発の初号機に続き2回連続…継続困難と「飛行中断措置」
2024年12月18日(水)11時37分 読売新聞
打ち上げられる「カイロス」2号機(18日午前11時、和歌山県串本町で、読売ヘリから)=飯島啓太撮影
宇宙関連の新興企業「スペースワン」(東京)の小型固体燃料ロケット「カイロス」2号機(全長18メートル)が18日午前11時、和歌山県串本町にある同社の発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げられた。しかし、同社は発射後、飛行継続が困難と判断し、「飛行中断措置」を行ったと発表した。3月に打ち上げた初号機に続き、2回連続で失敗した。
同社によると、2号機は打ち上げから約2分後、第1段エンジンを切り離し、ロケット先端の衛星を覆うカバーを分離する計画だった。しかし、飛行の継続が困難と判断し、午前11時10分過ぎに飛行中断を発表した。同社は詳細な状況を確認している。
2号機には民間企業や台湾の宇宙機関などの小型人工衛星5基を搭載していた。
2号機は、初号機と同じ固体燃料を燃やして推進力を得るロケット。初号機と同様に異常を検知すると機体が自動的に破壊されるシステムを備えている。衛星の軌道投入に成功すれば、民間企業のロケットでは国内初で、計画では発射約53分後に高度約500キロ・メートルの宇宙空間で衛星を順次切り離すことになっていた。
同社は2018年、高頻度で衛星を宇宙に送るサービスを目指し、IHIエアロスペース、キヤノン電子、清水建設、日本政策投資銀行が出資して発足。30年代に小型ロケットを年間30機打ち上げる目標を掲げる。
初号機は3月13日に打ち上げられたが、約5秒後に空中で爆発。ロケットの推進力の設定に問題があったことがわかり、2号機では設定を見直す対策を行った。