導電インキを脱墨することでプラスチック基材をリサイクルできる導電性シートを共同開発

2024年1月25日(木)16時16分 PR TIMES

artienceグループの東洋インキ株式会社(代表取締役社長 安田 秀樹、東京都中央区)は、株式会社マルアイ(代表取締役社長 村松 道哉、山梨県市川三郷町)と共同で、プラスチック基材から導電インキを容易に脱墨させ新たな原料として再利用できる「リサイクル可能な導電性シート」を開発しました。印刷した導電インキを脱墨できる導電シートの開発は業界初※1となります。

導電性シートとは、プラスチック基材に導電・帯電防止インキをコーティングしたもので、主に電化製品や自動車に使われる電子部品を静電気から保護する搬送用の導電トレイやキャリアテープに活用されています。このようなプラスチックに施された印刷は、基材からの分離が難しくリサイクル促進を阻害する要因の1つとなっています。
この度共同開発した「リサイクル可能な導電性シート」は、マルアイ製導電性シート「スーパークリーンシート」に東洋インキの「脱墨技術」を導入することで、導電性シートが有する表面抵抗値や真空成型性を損なわずに印刷した導電インキを容易に脱墨することを可能にした導電性シートです。導電性シートの基材であるプラスチックと導電インキの間にアルカリ処理で溶解する脱墨層を設けることで、導電性シートをアルカリ溶液中で熱処理などを行うと脱墨層が溶解し、導電インキがプラスチック基材から脱墨します。これにより従来はプラスチック廃棄物として処理されていた使用後のプラスチック基材をプラスチック原料として再利用できるようになります。また、導電インキはアルカリ溶液に溶解せず膜の状態で脱墨できるため、膜を回収することでアルカリ溶液も繰り返し使用することができます※2。
[画像1: https://prtimes.jp/i/68461/119/resize/d68461-119-7bb54f6e40d5328e11ad-0.png ]

【リサイクル可能な導電性シートの構成】


[画像2: https://prtimes.jp/i/68461/119/resize/d68461-119-bc5dcdc7cd71f2bbed8d-1.png ]

【リサイクル可能な導電性シートを成型加工したトレイの脱離プロセス】


「リサイクル可能な導電性シート」の提供から使用済みプラスチックの回収・破砕・導電インキの脱墨といったプロセスを構築することで、プラスチックの資源循環を目指します。今後は、使用済みプラスチックの回収から再生までのスキームを具体化させていきます。
[画像3: https://prtimes.jp/i/68461/119/resize/d68461-119-d78b482358fd934eb06c-2.png ]

※1:日本国内の導電シート業界において。2024年1月現在、マルアイ調べ。
※2:アルカリ溶液を繰り返し使用するには、脱墨層の溶解を踏まえたアルカリ濃度幅の一定管理が必要になります。

■展示会出展予定
この度共同開発した「リサイクル可能な導電性シート」は、「nano tech 2024 第23回 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」の株式会社マルアイブースにて展示を予定しています。
[表: https://prtimes.jp/data/corp/68461/table/119_1_d1c0015cf2a197bcdba8a147c6139967.jpg ]


■株式会社マルアイについて
株式会社マルアイは、事務用封筒などの日用紙製品と、食品や精密機器を保護するための産業用包材を製造・販売する紙製品・化成品メーカーです。中でも祝儀袋・不祝儀袋は合わせて約500 種類以上を展開し、業界で高いシェアを占めています。株式会社マルアイの詳細については、ウェブサイトをご覧ください。


https://maruai.co.jp/


■東洋インキ株式会社とは
東洋インキ株式会社は、1896年に創業したartience株式会社(設立時名称:東洋インキ製造株式会社)を持株会社とし、artienceグループのパッケージ、印刷・情報関連事業の中核を担う会社です。水性・無溶剤・バイオマス・リサイクル促進などさまざまな角度から環境調和型製品を提供するとともに、長年培ってきた技術を応用してエレクトロニクス用の機能性インキを開発するなど、印刷インキのリーディングカンパニーとして新たな印刷の可能性に挑み続けます。
artienceグループは、世界の人々に先端の技術で先駆の価値を届ける会社として、感性に響く価値を創りだし、心豊かな未来の実現に取り組んでいます。artienceグループの詳細についてはウェブサイト(https://www.artiencegroup.com)をご覧ください。

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