2回の上方修正、ラーメン王国にあって異彩を放つ:丸千代山岡家とはこんなラーメン屋

2024年2月4日(日)16時32分 財経新聞

 丸千代山岡家(東証スタンダード)。ラーメン山岡家を1都23県で展開している。昨年12月末時点の総店舗数は183。

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 昼飯に誘われた時、「寿司にするラーメンにする」と聞かれるほど迷うことはない。ともに今や「日本の国民食」。2021年の総務省統計局による「2016年現在で全国に約1万8,000店のラーメン屋があり、市場規模はおよそ6019億円といわれている」という。

 ちなみに2019年度に観光庁が実施した訪日外国人消費動向調査では、「最も満足した飲食」で肉料理(26.7%)に次いでラーメン(19.3%)が第2位にランキングされている。「観光立国:日本」を支えている。

 企業の歴史に「ればたら」を持ち込むのは如何なものかとは思うが、ラーメン山岡家の祖業は1980年にFCとして参入した弁当屋(東京江戸川区中央1丁目)。が年々歳々、近隣にライバルが増え続けていった。「生き残る、勝ち残るには・・・」と考えあぐねた創業者:山岡正氏(現代表取締役会長)が行きついた結論が、「大好きなラーメンで・・・」というものだった。88年にラーメン山岡家が開業した。

 それにつけても、ラーメン屋は同社の収益動向を目にすると儲かる商売の様だ。

 コロナ禍の影響をもろに受けた2021年1月期こそ「1.1%増収、47.2%営業減益、48.8%最終減益」と沈んだが23年1月期は「23.5%増収、71.6%営業増益、7.1%最終増益」。

 そして今1月期は「9.2%増収、5.6%営業増益、23.3%最終減益」と、人件費や電気・ガス代などの高止まりを勘案し慎重な計画で立ち上がった。だが中間期開示及び第3四半期開示時点で2回の上方修正。「31.2%の増収(245億円)、94.5%の営業増益(10億円)、35.3%の最終増益(5億6000万円)」とした。

 2度目の修正時点では理由を、こう発信した。「人流の増加に伴う来店客数増。既存店売上高は19カ月連続で対前年を上回った。人件費・物流費・光熱費の上昇は売り上げ増・価格改定で十分吸収できた」。

 昨年11月19日の東京商工リサーチは「8月までで前年同期3.5倍:28件のラーメン屋が倒産している。過去最高の42件も・・・」とし、「資本金1000万円未満、従業員数5人未満が9割を占める」と伝えている。

 ラーメン業界も資本の論理が反映される時代ということか。山岡家はロードサイト店舗を主体に出店。年中無休/24時間体制の営業を執っている。100%直営。コストと真正面から向かい合い、記したような収益を実現している。

 本稿作成中の時価は5000円台前半、2度の上方修正を受け急伸直後の揉み合い場面。過去10年間の株価動向は修正値ベースで26倍のパフォーマンス。「さて、どうしよう」としか言葉を知らない。

財経新聞

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