レストランで「二人分のコースを選ぶ」「好きに選んで」はどっちが正解か…本当に女性にモテる人がとる行動

2024年2月23日(金)14時15分 プレジデント社

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Rawpixel Ltd

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相手に優しいと思われる人は何をしているか。精神科医の和田秀樹さんは「例えば二人でレストランに食事にいったときに『あなたが決めていいよ』と言われた方が嬉しい女性もいれば、『あなたに決めてもらった方が嬉しい』と思っている女性もいる。女性に結論を委ねることが優しさと考えている人が多いようだが、女性の目にはそれが優柔不断と映り、男性が思っているほど、女性は優しさを感じていない。男性の一方的な勘違いだ」という——。

※本稿は、和田秀樹『なぜか人生がうまくいく「優しい人」の科学』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。


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■男性が求めているのは、母親が与えてくれた優しさ


本稿では、「男性が女性に対して求めている優しさ」と、「女性が男性に求める優しさ」の相違点に着目して、それぞれの特徴を詳しくお伝えします。


男性でも女性でも、よほどの事情がない限り「優しい人が嫌い」という人はいませんが、実際に優しい人と出会って交際を始めたり、結婚をしたら、「ウンザリした」とか、「ガッカリした」……という人は少なくありません。


なぜ、そんなことが起こるのでしょうか?


その原因は、男性と女性では、求める優しさに大きな違いがあり、お互いがそれを理解していないことにあります。


年齢や経験を重ねることによって、異性に求める優しさは、その時どきで移り変わるのが一般的ですが、男性が最終的に求めるのは、「母親」の優しさです。


母親を求めるといっても、熟女好きとか、マザコンという意味ではありません。


男性が追い求めているのは、まだ20代とか30代の若かった頃の母親が、幼い自分に与えてくれた優しさです。


自分のことを抱きしめてくれたとか、可愛がってくれたという記憶が、優しさの原体験として深く脳に刻まれているため、多くの男性が女性に対して、「包み込んでくれるような優しさ」を求めています。


■ほとんどの男性が「包み込むような優しさ」を求める


「理想の女性のタイプは?」と質問されて、「母親のような人」と答える男性が多いのは、子供の頃に体験した母親の優しさが「いい記憶」や「楽しい記憶」として残っているからです。


本人に自覚があるかどうかは個人差がありますが、ほとんどの男性は幼児期の母親体験が女性の好みに色濃く反映されています。


男性の場合、ある年齢までは、言葉が悪いですが、女性に対して「落とす」という感覚を持っていますから、「高嶺の花を落とした」とか、「こんな可愛い子を手に入れた」と気分が高揚することもありますが、それは結婚するまでの話です。


結婚したら、家に帰ったときくらいは、ホッとしたいとか、リラックスして寛(くつろ)ぎたいと考えますから、これまた自分勝手な話ですが、気を遣わなくて済むような、ちょっと気が利くタイプの女性を求めるのが一般的です。


家庭内にクールビューティーな女性を求める人はそれほど多くはなく、ほとんどの男性が「包み込むような優しさ」を持った女性が理想と考えています。


写真=iStock.com/yamasan
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/yamasan

■女性が求めるのは優しい人ではなく、優しくされること


テレビや女性誌などのアンケート調査で、「好きなタイプの男性は?」と聞かれると、ほとんどの女性は「優しい人」と回答しています。


最近では、「一緒にいて楽しい男性」という答えも増えているようですが、今も昔も、多くの女性にとって「優しい男性」はつねに人気の上位を占めています。


女性が考える優しい男性とは、どんなタイプを指すのでしょうか?


女性が口にする「優しい」は言葉のアヤで、世の男性は、それをどう解釈すればいいのか、戸惑っているように思います。


優しい男性というのは、誰にでも優しかったりするため、浮気癖があったり、上辺だけの優しさを振りまくタイプの可能性があります。


自分だけに優しい男性であれば、ある程度は腑(ふ)に落ちますが、「この人は、私にだけ優しい」と思えるような男性というのは、一歩外に出ると意外な強面(こわもて)であったり、DVの傾向を持っていることもあります。


女性が求める「優しさ」は、男性ほど単純ではないため、一筋縄ではいかないものがあるのです。


優しさというのは、あくまで本人の受け止め方ですから、女性は優しい男性が好きなのではなく、「優しくされること」が好きなのかもしれません。


女性が関心を寄せるのは、「男性がどのような優しさを、自分に示してくれるのか?」という、優しさの表現方法にあるように思います。


強引だったり、下心がありそうな優しさを示されると、それだけで怖くなったり、警戒する気持ちが芽生えます。


他に好きな男性がいる場合には、どんなに心がこもった優しさであっても、それを面倒くさく感じてしまいます。


女性が優しいと感じる男性には、共通するような特徴がなく、その感じ方にも個人差があります。


女性にとって、「どんな男性が優しい人なのか?」という明確な基準は、おそらく存在しないように思います。


■医学的に見ると、誰にでも優しい男性には浮気癖がある


「誰にでも優しい男性には、浮気癖がある」とお伝えしましたが、これは私の主観ではなく、医学的な根拠のある話です。


その根拠とされるのが、テストステロンに代表される男性ホルモンの存在です。


男性ホルモンは「男らしさ」を高めるホルモンとされていますが、誰にでも優しくできるタイプの寛容な男性には、テストステロンが多い傾向が見られます。


テストステロンの量が多い男性には、次のような特徴があります。


【特徴①】エネルギッシュ
【特徴②】社交性が高い
【特徴③】ポジティブ思考
【特徴④】恋愛に積極的
【特徴⑤】性欲が強い

ある研究によると、社会的に成功している男性には、テストステロンが多いという結果が出ています。


「英雄色を好む」という言い伝えの科学的根拠もここにあります。


英雄と呼ばれるような人は、活力にあふれ、精力的に活動するため、女性にも積極的です。


男性ホルモンが後押しすることで、あらゆる面でアクティブなのです。


仮に英雄ではなく、一般の人であっても、テストステロンが多い男性は、自己肯定感が高く、社交性があり、誰にでも優しい気遣いができるため、女性にモテます。


女性にはモテるけれども、性欲が強いこともあって、浮気癖がある……という確率が高くなります。


こうした傾向は、女性にとっては、非常に悩ましい問題です。


仕事に前向きに取り組んで、真面目に一生懸命に働き、社交性もあって、周囲に気遣いを欠かさない男性は、恋人やパートナー選びの最有力候補となります。


どこから見ても魅力的な男性に映りますが、浮気癖という大きなウィークポイントを抱えているのです。


女性からすると、「男は単純な生き物」に見えるといいますが、現実はそれほどシンプルではないのかもしれません。


■男性が陥りがちな「優しさ」の勘違い


男性が「よかれ」と思っている優しさが、女性にとっては、少しも嬉しくなかったり、相手に物足りなさを感じさせたりすることがよくあります。


最近の男性は、女性に結論を委ねることが優しさと考えている人が多いようですが、女性の目にはそれが優柔不断と映り、男性が思っているほど、女性は優しさを感じていないといいます。


二人でレストランに食事に行ったときの光景を思い浮かべてください。


その店には複数のディナーコースが用意されていて、どれを選べばいいのか、迷ってしまうようなシーンに直面したとします。


あなたが男性であれば、どのような選択をしますか?


あなたが女性であれば、男性にどうしてほしいと思いますか?


こうした局面での行動から、女性は男性の優しさを判断することになります。


男性が取り得る選択肢としては、次のようなものがあると思います。


①自分の好みで二人分のコースを選ぶ
②女性に「好きに選んで」と選択を委ねる
③それぞれが好みのものを選ぶ
④自分の懐具合と相談して決める
⑤店のスタッフにオススメを聞く

この5つの選択肢には、それぞれ一長一短があります。


まずは、その長所と短所を考えてみることが大事なポイントです。


①長所:リードしてくれる 短所:自分勝手
②長所:好みを尊重してくれる 短所:優柔不断
③長所:自由度が高い 短所:一体感がない
④長所:経済観念がある 短所:ケチ
⑤長所:柔軟性がある 短所:自分で判断できない

この比較を見れば一目瞭然ですが、どれを選択したとしても、完璧な答えは存在しません。



和田秀樹『なぜか人生がうまくいく「優しい人」の科学』(クロスメディア・パブリッシング)

どんな対応を取っても、すべては相手の受け取り方次第ですから、大事なのは、相手の「心理ニーズ」をどうキャッチするか……にあるということになります。


女性の心理ニーズに合っていれば、どれを選択しても正解になり、合っていなければ、何を選んでも不正解ということです。


「あなたが決めていいよ」と言われた方が嬉しい女性もいれば、「あなたに決めてもらった方が嬉しい」と思っている女性もいます。


その心理ニーズを理解しないまま、相手の意見を尊重していることだけで、「俺は優しい」と思い込むのは、男性の一方的な勘違いです。


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和田 秀樹(わだ・ひでき)
精神科医
1960年、大阪市生まれ。精神科医。東京大学医学部卒。ルネクリニック東京院院長、一橋大学経済学部・東京医科歯科大学非常勤講師。2022年3月発売の『80歳の壁』が2022年トーハン・日販年間総合ベストセラー1位に。メルマガ 和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」
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(精神科医 和田 秀樹)

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