トランプ政権の追加関税、アメリカが中国・カナダとの2国間協議に応じる方針…報復関税には批判
2025年3月19日(水)11時4分 読売新聞
【ロンドン=中西梓】世界貿易機関(WTO)は18日、米国のトランプ政権による追加関税を巡り、中国とカナダが要請していた2国間協議に米国側が応じる方針を示したと発表した。中国とカナダは、トランプ政権の追加関税がWTO協定違反だとして提訴の手続きを始めており、提訴の前提となる2国間協議を米国に要請していた。
米国はWTOに提出した文書で、追加関税は国家安全保障の問題であり、WTOでの解決は不可能だと主張。その上で、中国とカナダが実施した報復関税を批判しつつ、2国間協議の要請は受けるとした。
WTOの紛争解決手続きでは、2国間協議が決裂すると1審にあたる紛争処理小委員会(パネル)の設置を要請し、WTO側に仲裁を求めることができる。2国間協議で解決し、パネルの設置まで進まないケースも多い。
また、欧州連合(EU)が課している中国製電気自動車(EV)への追加関税を巡り、中国がEUを提訴したことも発表した。中国は、WTOに対しパネル設置を要請した。中国とEUは2国間協議を行ったが、協議が決裂したという。