米国で急成長するアバンティス・インベスターズのCIOに聞く「アクティブETF」の魅力

2024年3月21日(木)12時16分 サーチナ

ウエルスアドバイザー代表取締役社長の朝倉智也(写真:左)が、アバンティスのCIOを務めるエドアルド・レペット氏(写真:右)にアクティブETFの特徴と強みを聞いた。

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 ETFやインデックスファンドなど、コストを抑えた分散投資が日本でも主流となってきている。その中で、日本では徐々に「アクティブETF」という新たなジャンルが認知され始めた。米国では既に人気が高く、その残高も急速に増加しているアクティブETFだが、近年では低コストながらもベンチマークを上回るパフォーマンスが期待できる選択肢として、米国における投資一任サービスのパーツなどにも活用されている。今回、ウエルスアドバイザー代表取締役社長の朝倉智也(写真:左)が、野村證券の投資一任サービス「野村SMA(エグゼクティブ・ラップ)」にも採用され、米国でも残高を急拡大させているアバンティスのアクティブETFについて、同部門のチーフ・インベストメント・オフィサー(CIO)を務めるエドアルド・レペット氏(写真:右)にその特徴と強みを聞いた。

朝倉:アバンティスは、アメリカン・センチュリー・インベストメンツ(ACI)の中の独立したブランドの1つとして、大きな成功を収めているアクティブETFの運用を担っています。アバンティスとはどのような部門なのか、ぜひ教えてください。

エドアルド氏:アバンティス・インベスターズは、2019年に設立され、今年で5周年を迎えます。ACI内の独立したブランドの1つであり、金融サイエンスに基づき、顧客へ投資ソリューションを提供するよう設計された「アクティブETF」を主に運用しています。拠点はカリフォルニア州ロサンゼルスです。

 チーフ・イベストメント・オフィサー(CIO)として私が取り仕切っていますが、2023年12月末時点で約40名程がアバンティスに属しており、内、ポートフォリオ・マネージャーは6名となっています。アバンティスのメンバーは全員ACI籍であるものの、名刺やメールアドレスはアバンティス名義のものを使用するなど独自性を持っているのが特徴です。一方で、人事・法務・ITや、トレーディングといったバックオフィス業務全てはACIの部隊が行っており、効率的な運営を行っています。

朝倉:アバンティスは、先ほどご紹介の通り、アクティブETFの運用を担っていらっしゃいます。ぜひ、アクティブETFについて教えてください。

エドアルド氏:まずETF(上場投資信託)は、1日に1回算出される基準価額で取引が行われる非上場の投資信託とは異なり、取引所の取引時間内で市場の動きを見ながらリアルタイムで取引できる特徴があります。そして、投資信託の種類にはアクティブ運用とインデックス運用がありますが、アクティブETFはその名の通り、特定の指数やベンチマークに連動することを目指していないETFのことを指しています。

 米国では1993年に初めてETFが発足し、2008年に初めてアクティブETFが発足しました。足元で米国のETF全体の残高は8兆ドル超にのぼりますが、そのうちアクティブETFが占める割合は歴史がまだ浅いこともあり、7%程度なのです。しかし、資金流入に関して言えば、2023年通年では純流入額全体の20%超を占めており、今はまさに”アクティブETFの時代”と言えるでしょう。

朝倉:なるほど、アバンティスは”アクティブETFの時代”の潮流に乗った先端を行く企業なのですね。そのアクティブETFの中でも御社は特に成功を収め残高を増やしているように見られますが、その要因とは?

エドアルド氏:アバンティスとして最初のアクティブETFを設定したのが2019年9月ですが、5周年を迎える2024年現在で、アバンティスの運用残高は約400億ドル近くにまで達し、好調な資金流入が続いています。アバンティスが提供する非常に優れた投資戦略と魅力的なコスト水準に加えて、米国の「マネージドアカウント」(日本でいう「投資一任サービス」)におけるトレンドが相まって追い風となり、この急成長を実現してきました。

 米国のマネージドアカウントはコミッション型の手数料形式ではなく、残高に連動したフィー型手数料契約であることが一般的です。しかし、このマネージドアカウントでも手数料の引き下げやパフォーマンスの向上が近年大きく求められているのです。そのため、構造的にコストを抑えることが出来るETFが注目を集めており、足元ではコストを抑えながらも優れたパフォーマンスを求める投資家が増加している現状もあり、アクティブETFの需要が高まっています。アバンティスのアクティブETFもこうした業界のトレンドの追い風を受け、急速に残高を拡大させてきました。

朝倉:なるほど、現代の米国における投資一任サービスの環境に非常に適した運用手法として残高が増加してきたのですね。アクティブETFについては、アクティブ運用というだけあり、運用戦略もより重要になってくると思います。アバンティスならではの特徴はどこにあるのでしょうか。

エドアルド氏:「アクティブETF」に求める投資家のニーズは何かを考えた際に、インデックス運用のような低コスト・高分散と、アクティブ運用のようなアウトパフォーマンスへの期待の両方であると考えました。当たり前のことですが、インデックス運用ではその連動対象指数に対するアウトパフォーマンスを諦める必要があるからです。より高いパフォーマンスへの期待を実現するために、何十年にもおよぶマーケットデータや学術研究を基にしたアプローチによって、相対的にバリュエーションが低いかつ収益性の高い銘柄に私たちは注目しています。

 そして、(1)低コスト、(2)高分散、(3)高パフォーマンスの可能性、を投資家に提供することを目指しています。(1)低コストに関しては、ETFが投資信託よりも構造的にコストを抑えることが可能という点があります。加えて、銘柄分析や配分においてシステマティックなアプローチを採用し、データとテクノロジーを駆使することでポートフォリオ・マネージャーの効率性を高めています。そうすることで、戦略ごとに専任アナリストを採用する必要が無くなり、低コストを実現する要因の1つとなっています。そしてACIのミドル・バックオフィス機能を利用して規模の効率性を高めていることも、コスト抑制の実現につながっています。

 (2)高分散に関しては、アバンティスのアクティブETFでは数千銘柄でポートフォリオを構築していることが特徴です。場合によっては指数よりも構成銘柄数が多くなることもあります。これもシステマティックに銘柄分析・配分をしているからこそ実現できます。この高分散によって、マンパワーによるアナリストがカバーしきれないような小型株や新興国地域の銘柄への投資機会を容易に提供することができます。足元のマーケット環境を踏まえると、アバンティスのアクティブETFへの潜在的なニーズはより高まっていると言えるでしょう。

 最後に、(3)高パフォーマンスの可能性についてです。インデックス運用に求められる低コストや高分散を実現する中で、アクティブ運用で求められるアウトパフォーマンスも当然目標としています。競合には通常のアクティブ運用ファンドも含まれるのです。2019年9月に初めてローンチした5本のアクティブETFは、設定来で3年以上の実績トラックレコードがありますが、2023年12月末時点での3年および設定来のパフォーマンスでは、5本全てが各ベンチマークのパフォーマンスを上回っています。もちろん競合戦略に対しても相対的に優位なパフォーマンスを実現しており、その結果、アバンティスが投資家に支持され、設立以来急速に成長してきたことに表れています。

朝倉:大変詳細にお話をいただきありがとうございます。(1)低コスト、(2)高分散、(3)高パフォーマンスの可能性、インデックス運用とアクティブ運用の非常にいいところを取っており、それをシステマティックに運用する。御社ならではの特徴であり、強みであると言えますね。実際に日本の投資家は御社の運用戦略を国内で購入する場合にはどのようにしたらよいのでしょうか。

エドアルド氏:先ほどお話したアバンティスとして初めてローンチした5本のETFのうち4本が、日本では野村證券の「野村SMA(エグゼクティブ・ラップ)」の運用パーツそして外国ETFとしての取り扱いが開始されています。ぜひ、その運用手法を体感していただきたいと思っています。

 アバンティスが運用するアクティブETFは、相対的に低いバリュエーションかつ収益性の高い銘柄注目することで低コスト・高分散を実現し、高パフォーマンスへの期待に応えてきました。競合他社を凌駕するアウトパフォーマンスの可能性とインデックス運用のような一貫性の両方を兼ね備えており、加えてそのシンプルで分かりやすい商品性は、日本の投資家の皆様にとっても、それぞれの投資目標を達成するための優れた投資対象であると信じています。今回アバンティスの戦略を日本にお届けできることをACIそしてアバンティスメンバー一同、大変嬉しく思っています。

サーチナ

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