Micron、QLC NAND採用のMicron 2500 NVMeの詳細を説明
2024年4月30日(火)17時30分 マイナビニュース
今回発表の製品は、同社が既に提供しているMicron 3500 NVMe SSD及びMicron 2550 NVMe SSDのバリューモデルと言う事になる。Micron 3500/2550 NVMe SSDはどちらも232層NAND Flashを採用しているが、どちらもTLC NANDでの動作である。対して今回のMicron 2500 NVMe SSDはQLC NANDでの動作となっており、この結果容量密度は大幅に向上している(Photo02)事になる。面白いのは同じQLC NAND同士であっても前世代よりRead/Writeが高速化されているという話だが、これをどうやって実現しているのかが一つのポイントである。
実のところで言えば、このMicron 2500 NVMe SSDも、SLC Cacheを搭載している。要するにセルの一部をQLC NANDではなくSLC NANDとして利用し、ここをRead/Writeのキャッシュに割り当てることで高速アクセスを可能にするというものだ。ただ一般にQLCにするとTLCより容量こそ増えるものの、アクセスはむしろ遅くなるし、寿命も大幅に減る。これを防ぐために冗長ブロックとSLC Cacheの容量をどちらも増やす事で、性能の改善と寿命の確保を狙った、という事と考えられる。とはいっても、やはり層数を増やす事でより柔軟なオプションが取れたということだろう。
性能に関しては、競合製品と比較しても悪くない数字が出ている(Photo04)。ちなみにProducts Briefによれば
といった感じで、容量を増やしつつ性能を改善している事が判る。もっともMicron 2550とMicron 2500では、微妙にテスト項目が違う(例えばSequential Read/Writeは、Micron 2550はTransfer Size 128KB/Queue Depth 32での結果で、Micron 2500はTransfer Size 1MB/Queue Depth 32での結果である)のでこれが本当に両者の実力の差を明確に反映している数字か?と言われるとちょっと不明ではあるのだが。
そのMicron 2500 NVMe SSDの詳細スペックがこちら(Photo05)。今回はPCIe 5.0への対応がなされていないが、現状はまだPHISONのE26しか安価なPCIe 5.0対応コントローラが存在せず、E26が爆熱であることを考えると、PCIe 4.0対応で留めたのは賢明だろう。
Micron 2500 NVMe SSDは現在サンプル出荷中である。量産開始時期は今回示されていない。
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