新人定着へ万策の春…各地で入社式、ロボットが辞令配送・初任給30万円
2025年4月2日(水)5時0分 読売新聞
国立競技場で行われたNTTドコモのグループ合同入社式に臨む新入社員ら(1日、東京都新宿区で)=伊藤紘二撮影
新年度が始まった1日、多くの企業が入社式を行った。人手不足が深刻となる中、新戦力の離職を防ぐことは各社の課題で、待遇改善を図っているほか、趣向を凝らした入社式で働きやすさもアピールした。
国立競技場で
1日午前、東京都内で入社式を開いたコンビニ大手、ローソンの竹増貞信社長は、「テックカンパニーと言えばローソンと言われることを目指す」と、新入社員125人を前に訴えた。
ローソンは昨年、通信大手KDDIが大株主となり、デジタル活用を強化している。入社式では配送ロボットが辞令を運んだ。入社した男性(22)は「IT技術の必要性を感じた。AI(人工知能)などを使い、より良い店舗にしたい」と意気込んだ。
NTTドコモは1日、運営管理者となった国立競技場(東京都新宿区)でグループ合同入社式を行った。前田義晃社長は「通信技術で世界をリードするスタジアムとなるようチャレンジをしたい」と呼びかけた。新入社員の女性(24)は「社会人1日目を素晴らしい競技場で迎えられてうれしい」と話した。
配属を確約
就職情報会社マイナビが昨年8月に発表した新入社員調査によると、入社した会社で働き続けたい年数は「3年以内」が25・9%、「10年以内」は54・9%に上った。各社は人材確保に加え、離職を防ぐため若手社員の待遇を改善している。
大林組は大卒の初任給を過去最高の30万円に引き上げた。佐藤俊美社長は「未来を担う人材として皆さんの活躍を心から期待する」と語りかけた。初任給を増額した日立製作所の新入社員の女性(22)は「給料にふさわしい仕事ができるように頑張りたい」と話した。
入社後の配属が分からない「配属ガチャ」も内定辞退や早期離職の原因となっている。三井住友銀行は、最短2年目で米ニューヨークか英ロンドンへの異動や、証券業務を学べるグループ企業での勤務を確約する採用コースを新設した。入行した男性は「身につけたいスキルがある。個人向け営業を頑張りたい」と抱負を語った。
お客様本位
不祥事のあった企業のトップは再発防止を誓った。日本郵政の増田寛也社長は、グループ合同の入社式で、日本郵便による顧客情報の流用問題を挙げ、「お客様本位の視点に欠けていた。時代を先取りした(顧客情報の)取り扱いができる企業に高めていくことが必要だ。フレッシュな皆さんが担い手としてふさわしい」と呼びかけた。