日本企業の「デキる人」がマッキンゼーやボスコンに入社して壁にぶつかる根本的な理由

2024年4月6日(土)6時0分 ダイヤモンドオンライン

日本企業の「デキる人」がマッキンゼーやボスコンに入社して壁にぶつかる根本的な理由

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コンサルティング業界に特化したエージェントとして、17年間転職支援をしてきた久留須 親(くるす ちかし)氏はコンサルティングファーム志願者の「駆け込み寺」として、多くの内定者を送り出してきた。著書『「コンサルティングファームに入社したい」と思ったら読む本』では「ファームに入社した人の共通点」「具体的にどんな対策をすれば受かるのか」「入社後活躍する人とは」などについて、史上初めて実際に入社した3000人以上のデータを分析し「ファクトベース」で伝えている。この連載では、書籍から一部を抜粋・編集して掲載する。

Photo: Adobe Stock

「指示通りやったのに……」が口ぐせの人は要注意

「マネージャーに言われた通りにやったのにダメ出しされます……」「プロジェクトのスピードについていけません……」

 これらは、転職に成功し、コンサルタントとして働き始めたばかりの人から、しばしば受ける相談です。 私からは「コンサルタントになるからには、プロアクティブに動きましょう」とアドバイスしています。プロアクティブとは、「積極的に」「先を見越して」「主体的に」「能動的に」取り組む姿勢をいいます。

 特に、経営戦略領域のコンサルティングは、プロジェクトの期間が約2〜3ヵ月と短いことが多いです。プロジェクトの進捗スピードは、事業会社の比にならない速さで進みます。自分がマネージャーからタスクを渡されて作業している間にも、マネージャーの考えはどんどん変わっていき、タスクが仕上がった時には、その時点でマネージャーが考えていることからズレてしまうということも起こります。

 また、作業をしている間にプロジェクトの方向性が大きく変わることもあります。自分に与えられたタスクに没頭していて周りを見ていなかったりすると、気が付いた時には、自分の理解が全く追い付いていない、ということもあります。

 コンサルティングファームでは、事業会社のような受け身の姿勢ではダメです。プロアクティブに動きましょう。

日本企業の「マイナス評価」が外資系コンサルでは「プラス評価」に

 事業会社では、仕事が細分化されて各部署に割り当てられているので、配属された部署で自動的に仕事が与えられます。そして、与えられたことをこなしていれば問題ありません。受け身の姿勢でも問題なく仕事ができます。

 しかし、コンサルティングの仕事はプロジェクト単位です。プロジェクトを完遂するために必要なタスクをメンバーで手分けして行うので、あくまで目的はプロジェクトの成功です。つまり、与えられたタスクをこなすだけでは不十分です。

 また、先を見越して考えていて、誰も気づいていないところを見つけたり、他メンバーの手が回っていないところがあれば、自分から発信して周囲に働きかけたり、拾ったりするなど、能動的な立ち振る舞いも推奨されます。

 ちなみにこのような行為は、事業会社の場合は得てして「越権行為」と見られがちで、むしろマイナス評価になりますよね……。冒頭のような相談は、事業会社とコンサルティングファームでの動き方の違いを理解しておくことで防ぐことができます。

 本来であれば、マネージャーがこのような点もふまえてメンバーをフォローすべきですが、プロジェクトによってはマネージャーに余裕がない場合もあります。コンサルタントの時からこのようなプロアクティブな動きをしていれば、プロジェクトで成果を出せるだけでなく、コンサルタントとしての成長が速いですし、周囲に認められて昇進も速くなります。当然、マネージャーになってからのパフォーマンスも高くなります。

(※本記事は、『「コンサルティングファームに入社したい」と思ったら読む本』から抜粋・編集したものです

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