人脈一切なし！ スタートアップ企業が急成長した、たった1つのワケ

人脈一切なし！ スタートアップ企業が急成長した、たった1つのワケ

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「圧倒的に面白い」「共感と刺激の連続」「仕組み化がすごい」と話題の『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』著者・森武司氏は、2005年の創業以来、18年連続増収増益を達成し、年商146億円となった。ここまで会社を成長させてきた秘密は何か？ 本書からより深い学びを得ようと、インタビュー企画を実施。今回インタビューするのは、デザイナーの井谷育宏氏。井谷氏は「株式会社＆A」の社長でありながら、FIDIAのCCO（最高クリエイティブ責任者）も兼務し、質の高いクリエイティブで信頼を得ている。今回は本書に登場した井谷氏に、「スタートアップ企業が急成長する秘訣」について話を聞いた。

Photo: Adobe Stock

キーマンとの出会いが本格的な起業につながる

——以前のこの連載で、出張デザインスクールのサービスを始め軌道に乗った話をお聞きしました。デザイン会社としてスケール化した後、どうなったのですか？

井谷育宏（以下、井谷）：当時、出張デザインスクールのほかに、デザインの仕事も探していました。そこでデザインの集客をどうするか考えたとき、キーマンが必要だと思ったんです。僕は化粧品ディスプレイのデザインを長くやっていたので、その絡みの人がいないかネットで検索したところ、和歌山で有名なメイクアップアーティストの方がいたんです。

その方に「突然すみません」とメールを送り、それまでの自分の経歴や地元・和歌山での起業についての熱い思いを伝えました。すると運良くお会いでき、さらにその後、オフィスに招かれたんです。そのオフィスはベンチャー企業がたくさん入っているビルにあり、社長が「3Dとかできる面白い人がたくさんいるよ」と、一緒にいろいろな会社を回ってくれたんです。

——当然、その社長はみんなの知り合いだったのですよね？

井谷：そうです。とても顔の広い人が一緒に回ってくれ、そこですごくいい出会いがあったんです。実は、その方は、パッケージデザイン会社の社長でした。同業といえば同業でもあるのですが、僕は立体のデザインを得意としていたので、分野が違った。そこで「一緒に何かやろう」と、たくさんのプロジェクトに参加したり、多くの人たちを僕に紹介してくれました。そのプロセスがあって「株式会社&A（アンドエー）」の起業に行きついたんです。

——井谷さんの強みや姿勢が評価され、「株式会社＆A(アンドエー)」ができたんですね。

井谷：そうです。それでたくさん仕事が入るようになったので、デザインスクールはそのタイミングでやめ、デザインの仕事をスタートさせたんです。

キーマンへのアプローチの仕方

——キーマンを探すとき、何社くらいにメールを送りましたか？

井谷：そんなに多くはなく、数社です。企業にも送りましたが、スルーされ、その人だけが反応してくれました。

——数社にメールを送る際、事前リサーチはしましたか？

井谷：しました。自分の力を活かせられそうなところに送ったのですが、企業はなかなか相手にしてくれなかったですね。反応してくれた唯一の人は、普段から僕が提案したことにアンテナを張っていた。ただ、普段からそういった話がたくさんくるので、すべてにレスしていないと。

——メールで意識した点はありますか？

井谷：僕は「仕事をください！」メールは一切送っていません。「自分のやってきたことを1回見てくれませんか？」というオファーを出しました。

——なるほど。本書でいうワクワクするような感情や熱量が伝わったのでしょうか？

井谷：そうだと思います。僕のメールは熱いものが伝わったということを言ってくれましたね。それがなかったら今に至ってないので、あの第一歩は、すごく大事だったと思います。

前向きな行動でチャンスをつかむ

——話を聞くと、本当に縁とか運の力もすごいあるんだなと。行動の先に引き寄せられている感じがありますね。

井谷：あります。やっぱり自分が前向きな行動をしたり、モチベーションを持っていないと、そういったチャンスもつかめないのかなと思います。