「会社を辞めるか、辞めないか」の正解はこれ…頭のいい人が「究極の選択」を前に必ずしていること
2025年4月23日(水)16時15分 プレジデント社
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/takasuu
※本稿は、杉田隆史『「なんだか生きづらい」がスーッとなくなる本』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
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■「会社を辞めるか、辞めないか」の答えの出し方
今仕事はしているけど、他に「やりたいこと」がある。会社を辞めるべきか、それともガマンして今の仕事を続けるべきか、そんなふうに悩むことについて、少し考えてみましょう。
ここでは、無理なく「自分のやりたいこと」へとシフトしていく方法についてお話ししていきたいと思います。
人は、「やりたいこと」という話になると、「会社を辞めるか、辞めないか」とか、「海外へ行くか、行かないか」とか、「学校に入るか、入らないか」とか、すべてを二者択一で考えがちなんですよね。一つに決めないと「やりたいこと」ができないと思ってしまうようです。
でも「一つに決める」ということに対して、ある経営者が私にこんなことを教えてくれました。
「経営がうまくいっていない時って、何か『一つ』方針を決めたくなるんですよ。『強気の営業でいこう』とか、いや『少し引いた営業でいこう』とか。うまくいっていない時って、そんなふうに一つに決めでもしないと、その都度、迷っちゃってツラいんですね。
■うまくいっていない時ほど「一つに決めない」
でもおもしろいことに、そうやって自分が腑に落ちないのに無理に決めた方針は、やっぱりうまくいかないんです。なので私はうまくいっていない時ほど、つらくても『一つに決めない』ってことにしているんです」
人は、「どっちにしようか?」と迷っている時って、ストレスを感じるんですよ。だから無理にでも決めて解放されたい。
写真=iStock.com/takasuu
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そう考えると、自分が腑に落ちるまで「一つに決めない」というのは、優柔不断とかじゃなくて、じつは大変だったり、勇気が必要だったりすることなんですよね。
■会社を辞めるのは、やりたい仕事が本当に忙しくなったとき
それでは、私たちはどんなタイミングで一つに決めればいいのでしょうか?
もちろん、迷っていることがあっても、自分が「これでいける!」という確信が持てれば、いつでも決めていいと思うんです。
でも、たとえそれを自分で決められなくても大丈夫です。
その理由を、ある日の友人と私の会話を参考にどうぞ。
友人 今、自分個人でやっている、やりたい仕事が忙しくなってきたんですよ。それで今勤めている会社を辞めようと思ってまして……。いつ辞めたらいいか迷っているんですよ。
私 今、会社に行きながら、自分個人の仕事をやって、余裕はありますか?
友人 まだ大丈夫です。なんとか余裕ありますね。
私 じゃあ、○○さん自身のやりたい仕事が本当に忙しくなって、「これ以上会社になんか勤めていられない!」という時がきたら辞める、というのはどうですか?
友人 アッ! そうか! 別に決められないうちから、無理に辞める日を決めなくてもいいのか!
その後、この友人はどうなったか?
彼のやりたい仕事が本当に忙しくなって、会社に勤めているどころじゃなくなり、いざ会社に辞めると伝えたら、「辞めないでくれ!」と言われ、最終的には「週三日でいいから働いてくれ!」と、その会社では異例のオファーを受け、時給に換算すると給料も上がったんだそうです。
「会社に行くことで経済的な安定もあるし、自分のやりたい仕事に使える時間も増えたしで、理想の状態になった」
と友人は言います。
■タイミングは「相手にゆだねて」しまう
この友人のように、たいていの「やりたいこと」って、自分がそれを提供する「相手からのオファー」があって、初めて成立すると思うんです。
たとえば、今やりたいこととは全然関係のない会社に勤めている。でも本当は「文章を書く仕事がしたい」というなら、まずは「あなたの文章を必要としてくれる人からのオファー」がないと、どうしようもないですよね。
だから自分で無理に「今辞める!」とか決めなくても、「相手からのオファー」がタイミングを教えてくれると思うんです。
杉田隆史『「なんだか生きづらい」がスーッとなくなる本』(三笠書房)
「文章を書いてくれ!」というオファーがたくさんきて、それに専念しないとどうにもならなくなった時が、あなたが「決める」タイミングなのかもしれません。
そんなふうに考えると、無理なく自然に「やりたいこと」へシフトしていけると思うんです。
さぁ、あなたはどうでしょう?
あなたのやりたいことに対して、「相手からのオファー」はきていますか?
それとも、「相手からのオファー」もないのに、「会社を辞める!」なんて言っていませんか?
——決められない時は、無理に決めなくていい。
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杉田 隆史(すぎた・たかし)
心理セラピスト、メンタルトラベル代表
1970年東京都生まれ。高校の頃から漠然とした生きづらさに悩み、「心の病気じゃないけどツライ」という状態を20年間続けて、引きこもりも経験。2006年に心理セラピーと出会い、初めて生きづらさから解放されたことをきっかけに、日本における第一人者たちからさまざまな心理セラピーの技法を学ぶ。自らの経験から、「心の病気じゃないけどツライ」という人の受け皿の必要性を感じ、「悩んでいない人の悩み相談」という看板を掲げて、心理セラピーの個人セッション、ワークショップを開催。クライアントは日本国内はもちろん、海外からも訪れ、これまで5000人以上の悩みを聴き、セラピーを行なってきた。
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(心理セラピスト、メンタルトラベル代表 杉田 隆史)