心房中隔穿刺をより迅速に 新システム『VersaCross Connect(TM)』5月1日発売
2025年4月23日(水)12時0分 Digital PR Platform
FARAPULSE™パルスフィールドアブレーション システム・WATCHMAN FLX™ Pro 左心耳閉鎖システム対応の進化型デバイスで、シース交換不要のスムーズな手技を実現
ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:森川智之)は、5月1日より、左心房治療に使用する心房中隔穿刺システム「VersaCross Connect™」の販売を開始いたします。
本製品は、医療機器として国内で3製品目となる経済性加算の適用を受けました。本加算は、本製品が既収載品を使用した場合と比較して特定保険医療材料に係る医療費削減に寄与する点を評価された結果です。これにより、患者さんの負担軽減や医療機関の運用効率向上に貢献することが期待されます。VersaCross Connectは、心房中隔穿刺法を用いた左心房へのアクセスをより効率的に行うための次世代型システムです。心房中隔穿刺法は、心房細動のカテーテルアブレーション治療1)や左心耳閉鎖術2)において、心房中隔に小さな開口部を作り、カテーテルを右心房から左心房へ安全に通過させる手技です。これまでは、選択的導入用(汎用)シースと遠位端可動型(専用)シースの両方を使用していましたが、VersaCross Connectは、汎用シースが不要となります。本製品は、従来の心房中隔穿刺システムに比べ、カテーテル交換回数を減らすことで手技を簡略化し、より効率的な治療を可能にします。
ボストン・サイエンティフィック ジャパンの代表取締役社長、森川智之は、「当社は、医療従事者の負担軽減と患者さんにより良い治療を提供することを目指し、革新的な技術を開発しています。VersaCross Connectは、心房中隔穿刺のプロセスを合理化し、より効率的な治療を可能にする製品です。医療の現場で求められる手技の最適化に貢献し、医療資源の有効活用にも寄与できると考えています」と述べています。
カテーテルアブレーション治療は、心房細動の根治を目指す治療法で、日本での2022年度の治療件数は10万例を超えておりa)、心房細動の増加により手技件数の増加も予想されていますb)。
湘南鎌倉総合病院の循環器科主任部長 村上正人先生は、「VersaCross Connectの導入により、従来必要であったカテーテル交換の手間がなくなり、心房中隔穿刺術が簡便になると考えます。医療者の負担が減り、より質の高い治療を提供できることは大きなメリットです」と述べています。
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販売名:Baylis RFトランスセプタルワイヤー
医療機器承認番号:30300BZX00001000
<ボストン・サイエンティフィックについて>
ボストン・サイエンティフィックは、世界中の患者さんの健康を向上させる革新的なメディカルソリューションを提供することにより、患者さんの生活を改善しています。40年以上に亘り、グローバルにおいて医療テクノロジーのリーダーとして、患者さんの満たされていないニーズに応え、ヘルスケアにかかるコストを削減するパフォーマンスの高いソリューションを幅広く提供することにより、患者さんの生活に貢献するためのメディカルサイエンスを発展させています。日本においては、心血管疾患領域をはじめ、不整脈・心不全疾患領域、末梢血管疾患、消化器疾患、泌尿器疾患、婦人科疾患領域、疼痛管理・パーキンソン病の治療領域で、患者さんの人生を実り多いものにすることに全力で取り組み、日本の医療に意義のあるイノベーションを導入していきます。
企業サイト:https://www.bostonscientific.jp
1) 心房細動アブレーションについて
心房細動は、心臓の中の心房が細かく震えることで起こる不整脈の1つです。心房細動によって心房に流れ込んだ血液が淀んで形成された血栓が移動することで、脳卒中を引き起こすリスクがあります。特に高齢者で罹患のリスクが高く、高齢化に伴い、患者数は2010年の約80万人から、20年後の2030年には100万人に増加するといわれていますc)。
2) 左心耳閉鎖術について
心房細動により心臓で形成された血栓が原因となる心原性の脳卒中の場合、血栓形成の約9割 d)が心臓の左心房にある「左心耳」に起因するといわれています。本術は、非弁膜症性心房細動による血栓の形成の原因となる左心耳を閉鎖することにより脳卒中を予防する術法で、非弁膜症性心房細動を患い長期間の抗凝固薬の服用ができない患者さんにとって、心房細動による脳卒中を予防するための治療選択肢のひとつです。開心術を行う必要がなく、鼠径部の静脈からカテーテルを通して心臓に挿入し、中隔穿刺を通じて左心耳にアプローチし、左心耳を閉鎖することで脳卒中のリスクを低減します。また、出血リスクを伴う抗凝固薬の服用を短期間(約45日)で中止できる可能性があります。
a) 2022 年循環器疾患診療実態調査報告書: カテーテルアブレーション件数
b) 心房細動アブレーションの進歩
c) 国立循環器病研究センターウェブサイト
d)Blackshear JL., Odell JA . Annals of Thoracic Surg. 1996; 61: 755 759
補足資料
【VersaCross Connectの特長とメリット】
本製品は、VersaCross RFワイヤ(高周波型ワイヤー穿刺針)、接続ケーブル、ダイレータで構成されています。既存品は心房中隔穿刺位置までのアクセスには汎用シースを、治療部位への移動は治療用デバイスに含まれる遠位端可動型(専用)シースが用いられていましたが、本製品は、弊社治療用デバイス(POLARx3) 、FARAPULSE4)、WATCHMAN5))との併用を意図してさらなる開発を進めたことで、汎用シースを使用することなく手技を行うことができるようになりました。従来のシステムと比較し、使用するシースの数を削減することで、医療コストの最適化に貢献します。また、カテーテルの交換回数が減ることで、空気塞栓などの合併症リスクの低減が期待されるとともに、手技時間の短縮や負担軽減にもつながります。WATCHMAN5)を活用した左心耳閉鎖術では、従来の手技では14の工程が必要でしたが、VersaCross Connectを使用することで7工程に短縮され、手技の簡便化と医療従事者の負担軽減を実現します。
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既存の心房中隔穿刺システムとWATCHMAN を使用した左心耳閉鎖術
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VersaCross ConnectとWATCHMAN を使用した左心耳閉鎖術
3) POLARxについて
・2021年10月28日発表リリース
発作性心房細動治療における「POLARx™ 冷凍アブレーションシステム」の段階的販売開始
https://www.bostonscientific.com/jp-JP/news-releases/2021-news-releases/2021-10-28-news-release.html
4) FARAPULSEについて
・2024年10月25日発表リリース
ボストン・サイエンティフィック、革新的な心房細動アブレーション治療機器
FARAPULSE™ パルスフィールドアブレーション システムを新発売
https://www.bostonscientific.com/jp-JP/news-releases/2024-news-releases/2024-10-25-news-release.html
5) WATCHMANについて
・2024年4月23日発表リリース
非弁膜症性心房細動による脳卒中を予防する最新世代「WATCHMAN FLX™ Pro 左心耳閉鎖システム」新発売
https://www.bostonscientific.com/jp-JP/news-releases/2024-news-releases/2024-4-23-news-release.html