事業共創カンパニーのRelic、ベンチャーデットとオープンイノベーションを融合した独自開発の「オープンイノベーションデット」による資金調達を実施
2025年4月23日(水)14時17分 PR TIMES
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/16318/371/16318-371-0331268c63a632fb6ff88cfcef17e1d4-2400x1260.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
事業共創カンパニーである株式会社Relic(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:北嶋 貴朗、以下「Relic」)は、株式会社インダストリー・ワン(本社:東京都中央区、代表取締役社長:遠藤 翼)および株式会社博報堂(本社:東京都港区、代表取締役社長:名倉 健司)を引受先とし、独自に開発した新たなベンチャーデット「オープンイノベーションデット」を用いて資金調達を実施したことを発表します。
本スキームは、急成長を志向するベンチャー企業の多様な成長実現を目的とし、ベンチャーデットとオープンイノベーションを両立する仕組みとして設計されました。そして本日、本スキームが日本のスタートアップエコシステムの発展に貢献すると考え、その基本的な枠組みを業界関係者や起業家に向けて広く公開しました。
Relicは今後も、業界の垣根を超えた企業間連携の強化、企業成長のためのファイナンス手法の多様化、イノベーション創出の加速を目指し、さらなる取り組みを推進してまいります。
■提供背景
日本国内では、「2025年の崖」による年間12兆円規模の経済損失が懸念され(注1)、DXや新規事業開発の加速が喫緊の課題とされています。さらに政府は、官民合わせて150兆円規模の資本供給を目指し(注2)、オープンイノベーションや異業種連携の推進を政策の柱に据えています。
加えて、2025年3月には「新興企業の上場基準の厳格化」が報道され、従来のIPO依存型の成長戦略だけでは、多様なスタートアップの可能性が閉ざされかねない状況が懸念されています。
こうした社会的背景を受け、Relicは「資金調達」と「事業共創」の両立可能な新たな手法として「オープンイノベーションデット」を開発しました。短期的なIPOやM&AなどのEXITを前提とせず、事業の本質的価値を重視するこの仕組みは、持続的成長を目指す企業にとって、現行のファイナンス手法では得難い柔軟性と可能性を提供します。
今後、こうしたモデルが普及していくことが、スタートアップの出口戦略の多様化を促し、日本のイノベーションエコシステム全体の強化にもつながると考えています。
■ 課題〜中間不在の「スタートアップの資金調達」と「オープンイノベーション」〜
日本のスタートアップの資金調達は進展を見せつつも、“中間の選択肢が乏しい”という構造課題を抱えています。特に立ち上げ後の成長フェーズでは、従来の手法だけでは対応しきれない場面が増えています。
- EXIT前提のエクイティファイナンスエクイティファイナンスは、将来の企業価値に基づく資本性資金を調達できる手法であり、利益が出ていなくても成長戦略を描く企業には有効な手段です。中長期的な研究開発やマーケット創出にも資金を充てやすいという利点があります。
しかし、ベンチャーキャピタルなどの出資は「IPOやM&A(EXIT)」が前提で、投資家の期待や時間軸と合わなければ調達は難航します。特に、収益化に時間がかかるディープテックや社会課題型の事業では、EXIT前提の資金調達が合わないケースも少なくありません。
- デットファイナンスは中長期投資に不向きデットファイナンス(借入)は、返済条件が明確で調達コストも低く、資金繰りの安定には有効です。
ただし、多くの融資は短期の運転資金向けで、不確実性の高い成長投資には活用しづらいのが実情です。与信審査では黒字や担保が重視され、赤字フェーズのスタートアップは対象外になることもあります。
中間的な選択肢とされる「ベンチャーデット」も、IPO前提や短期ブリッジ型が中心で、柔軟性や持続性に課題があります。
- オープンイノベーションの二極化オープンイノベーションも資金調達と同様、二極化が進んでいます。一方には、アクセラレーションプログラムやPoCなどの短期的な連携があり、初期接点としては有効ですが、成果が単発で終わる傾向があります。他方、出資やM&Aなどの深い連携は、実現すれば大きな成果が見込めるものの、減損リスクや統合の難しさといった高いハードルがあります。
■オープンイノベーションデットの概要
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/16318/371/16318-371-7f3893e5fc34f107e6cb8a53ec0372b1-1600x838.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
オープンイノベーションデットは、従来のデットファイナンスとエクイティファイナンスの特性を併せ持つ「私募ハイブリッド社債(劣後特約付)」と、戦略的業務提携・協業を組み合わせた新しいベンチャーデットです。
資本性を有しつつも、IPOやM&Aといった早期のEXITを前提としないため、急成長や中長期の事業構築を志向するスタートアップにとって柔軟かつ持続可能な資金調達手法となります。
さらに本スキームでは、単なる資金提供にとどまらず、出資企業との中長期的な協業やコンソーシアム組成を通じて、共創による事業成長を支援する仕組みを設計しています。Relic自身もこのスキームを活用し、参画企業との連携による産業横断型の共創コンソーシアムを立ち上げています。
コンソーシアム組成に関する発表:https://relic.co.jp/?p=59037
スキームの一般公開
本スキームは、スタートアップの多様な成長戦略を後押しし、日本のイノベーションエコシステムの活性化に貢献するものと考えています。そのため、Relicでは本スキームの基本的な枠組みを雛形として一般公開し、業界関係者や起業家が本スキームを活用することを推奨しています。
共創とファイナンスを両立させるこの仕組みが、多くのスタートアップにとって新たな成長の選択肢となることを期待しています。
スキーム公開ページ :
https://relic.co.jp/company/open_innovation_debt/?utm_source=prtimes&utm_medium=20250423
開発ストーリー記事を掲載
Relic代表の北嶋が、なぜ本スキームを開発するにいたったのか開発背景をまとめた記事をコーポレートサイトで公開しています。
記事URL:https://relic.co.jp/note/59019/
■事業共創カンパニーRelicについて
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/16318/371/16318-371-85e9a9d36349e383866797e1798bbcdc-1689x450.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
Relicは、日本企業の新規事業開発やイノベーション創出を支援する「事業共創カンパニー」として、 世界でも類を見ない新規事業開発に特化したSaaS型プラットフォームを提供する「インキュベーションテック事業」、 総合的かつ一気通貫で新規事業やイノベーション創出を支援する「事業プロデュース/新規事業開発支援事業」、 スタートアップ企業への投資や大企業との共同事業/JVなどを通じてイノベーションを共創する「オープンイノベーション事業」という3つの柱となる事業を統合的に展開しています。
新規事業開発業界において国内シェアNo.1(注3)を誇り、これまで4,000社・20,000件以上の新規事業開発に携わってきた実績も含め、新規事業やイノベーションの共創や支援の分野において唯一無⼆の価値と意義、そして業界トップクラスの規模や成長を実現しています。
また、2021年にRelicホールディングスを設立し、大企業とのジョイントベンチャー設立や全方位型スタートアップ・ベンチャー共創プログラム「ZERO1000 Ventures」からの起業により、Relicグループは拡大し続けています。今後もRelicグループでは日本全国の新規事業開発を同時多発的に推進していきます。Relicグループの各社詳細についてはHPよりご覧ください。
<Relicコーポレートサイト>
https://relic.co.jp/
<Relicホールディングスコーポレートサイト>
https://relic-holdings.co.jp/
注1:経済産業省,2018,「DXレポート〜ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開〜」
注2:経済産業省,「GX経済移行債を活用した投資促進策について」
注3:出典:2024年,「新規事業開発におけるブティックコンサルティング市場調査」,株式会社Relic・株式会社デジタルインファクト,https://relic.co.jp/press-release/54696/