トランプ政権からの中国向け融資「終了」要求、「今後議論する」…神田真人・アジア開発銀行総裁
2025年5月3日(土)23時59分 読売新聞
アジア開発銀行総裁の神田真人氏
【ミラノ=井戸田崇志】アジア開発銀行(ADB)の神田真人総裁は2日、訪問先のイタリア北部ミラノで読売新聞のインタビューに応じた。米国のトランプ政権がADBに要求している中国向け融資の終了については、「今後、議論する」と説明した。
中国はADBに6・4%出資している一方、ADBから融資を受けている。この点について、ベッセント米財務長官は4月、訪米した神田氏との会談で、「中国の借り入れ終了に明確な道筋をつける具体的な措置」を講じるよう要求した。
米政権には経済大国となった中国が、途上国を支援するADBの融資を受けるのは不適切との考えがあるとみられる。神田氏は「今は何も決まっていない」と強調し、融資終了には米中を含む出資国の合意形成が必要との考えを示した。
神田氏は今月4〜7日にミラノで開かれるADBの年次総会を前に取材に応じた。