バイオ燃料の長期使用に向け非営利団体GCMDとプロジェクトを始動

2024年5月16日(木)15時16分 PR TIMES

6カ月継続使用し、エンジン性能や燃料供給システムへの影響を精査

当社は、シンガポールを拠点に海事産業の脱炭素化を目指す非営利団体Global Centre for Maritime Decarbonisation (以下「GCMD」)と共同で、バイオ燃料がエンジン性能や燃料供給システムに与える影響を精査するプロジェクト(以下「プロジェクトLOTUS」(注))を開始しました。本プロジェクトでは、当社が運航する自動車専用船でバイオ燃料を本年6月から6か月間継続使用します。

プロジェクトLOTUSの目的


1.バイオ燃料の安全利用に関するガイドラインの策定
2.追加メンテナンス費用を含めたバイオ燃料使用時に必要となる総費用の算定
3.バイオ燃料の継続使用による潜在的な課題の特定および緩和策の提言

背景


バイオ燃料は既存の舶用エンジンや燃料供給設備をそのまま利用できるため、重油からゼロエミッション燃料への過渡期で温室効果ガス(GHG)の排出を削減する有力な手段とされています。
過去10年間、実航海で様々なバイオ燃料の試験が行われてきましたが、これらは主に燃料特性とGHG排出削減効果に焦点を当てており、バイオ燃料の長期的・継続的な使用がエンジン性能や燃料供給システムに与える影響については精査されてきませんでした。
また、エンジンシステムの腐食や燃料供給システムの目詰まりを防ぐための追加メンテナンスにかかる費用も詳細な算定がされていませんでした。

プロジェクト概要


バイオ燃料使用期間:6か月(本年6月〜12月)
船舶:自動車専用船
燃料:使用済み食用油などを加工して作るバイオ燃料(FAME)と低硫黄重油(VLSFO)の混合
各社役割:
・GCMD:プロジェクトマネージメント
・当社:本船の運航及び燃料調達・管理

各社コメント


GCMD Chief Executive Officer Lynn Loo氏
プロジェクトLOTUSは、バイオ燃料の長期使用がエンジン性能と船舶の運航にどのように影響するかについての貴重なトライアルです。この検証により、船主や用船者からバイオ燃料生産者・規制当局まで、エコシステム全体のステークホルダーが、より多くの情報に基づいたビジネスや政策上の意思決定を行えるようになります。このプロジェクトによりバイオ燃料の大規模利用に対する信頼性を高め、海事産業の脱炭素化に向けた進展の加速を目指します。

日本郵船株式会社 専務執行役員 鹿島伸浩
当社は2023年11月6日にNYK Group Decarbonization Storyを発表し、30年度までに当社グループのGHG排出量を21年度比で45%削減する新目標を宣言しました。この目標達成に向け、バイオ燃料を既存の重油焚き船舶の航行で長期的に使用するためのトライアルを2024年4月から本格的に実施しています。今回、GCMDという頼もしいパートナーとともに、プロジェクト LOTUSを始動できることを大変うれしく思います。本取り組みによって得られる知見が当社の目標達成、ひいては海運業界全体の脱炭素に貢献できると信じています。

[画像1: https://prtimes.jp/i/120868/106/resize/d120868-106-48cb2ad03481ee792528-0.png ]

左:GCMD Chief Executive Officer Lynn Loo氏
右:日本郵船株式会社 専務執行役員 鹿島伸浩

[画像2: https://prtimes.jp/i/120868/106/resize/d120868-106-39e9a82a5ab1d1d0650e-1.jpg ]

左から:
GCMD Partnerships, Director Wei Jie Lau氏
GCMD Chief Executive Officer Lynn Loo氏
日本郵船株式会社 専務執行役員 鹿島伸浩
日本郵船株式会社 脱炭素グループ 脱炭素推進チーム長 加藤淳

GCMD概要


Global Centre for Maritime Decarbonisation(GCMD)は、2021年8月1日に世界最大のバンカリングハブであり、世界第2位のコンテナ港であるシンガポールで海事産業の脱炭素化への支援・調整を使命に非営利団体として設立されました。創立メンバーはBHP、BW Group、Eastern Pacific Shipping、Foundation Det Norske Veritas、Ocean Network Express、Seatrium(旧Sembcorp Marine)の6社で、シンガポール海事港湾局(MPA)からも資金提供を受けています。
設立以来、脱炭素化への基準の形成、ソリューションの展開、プロジェクトへの資金提供、異業種間のコラボレーションの促進を進め、具体的には船舶用燃料としてのアンモニアの導入、既存設備で利用できるグリーン燃料の保証枠組みの開発、船上での二酸化炭素回収と回収された二酸化炭素のバリューチェーンの明確化などを主要なイニシアチブとして活動を展開しています。現在までに100を超えるパートナーがGCMDに参加し、低炭素技術の展開に向けた採用障壁を下げるために資金、専門知識、現物支援を提供しています。
ウェブサイト : www.gcformd.org

(注)プロジェクトLOTUS
Long-term impact of continuous use of biofuels on vessel operations(運航船舶での長期的なバイオ燃料の使用による影響)がプロジェクト名の由来。

今回の取り組みが特に貢献するSDGsの目標
[画像3: https://prtimes.jp/i/120868/106/resize/d120868-106-5b1c6ea3894599ec91f2-2.png ]



日本郵船グループは、中期経営計画 “Sail Green, Drive Transformations 2026 - A Passion for Planetary Wellbeing -”を2023年3月10日に発表しました。“Bringing value to life.”を企業理念とし、2030年に向けた新たなビジョン「総合物流企業の枠を超え、中核事業の深化と新規事業の成長で、未来に必要な価値を共創します」を掲げ、ESGを中核とした成長戦略を推進します。
(詳細はこちら → https://www.nyk.com/profile/plan/ )

PR TIMES

「燃料」をもっと詳しく

「燃料」のニュース

「燃料」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ