4月の百貨店売上は3カ月連続で前年割れ SCは38カ月連続で前年上回る
2025年5月27日(火)9時37分 財経新聞
【前月は】3月のSC売上は好調続く 百貨店はインバウンド不振で2カ月連続の前年割れ
■百貨店売上高は3カ月連続で前年下回る
23日、日本百貨店協会が4月度の全国百貨店売上高概況を発表。売上高は前年同月比(店舗数調整後)4.5%減の4,232億3,364万7,000円となり、3カ月連続で前年同月を下回った。関西万博が開幕し外国人の来客が増加、インバウンド客数は過去最高となったものの、売上高は2カ月連続で前年割れだった。これは前年度に大幅増加した免税売上分の反動と、円高傾向が原因。
■10都市中8都市で前年下回る
大都市では、10都市中8都市で前年同月を下回った。その中では東京(前年同月比:6.3%減、以下同じ)、l京都(7.0%減)、大阪(6.6%減)、広島(6.0%減)、福岡(8.4%減)でマイナス幅が大きめ。
反対に名古屋(0.2%増)、神戸(2.6%増)の2都市で前年同月を上回った。都市以外の地区は7地区中6地区で前年同月を下回っている。その中では中部(3.8%減)、中国(4.6%減)でマイナス幅が大きめ。四国(0.4%増)のみが前年同月を上回った。
商品別売上高もほとんどの分野が前年同月を下回っている。その中でも、紳士服・洋品(9.3%減)、身の回り品(14.1%減)、家具(9.8%減)などでマイナス幅が大きめ。前年同月を上回った分野は化粧品(3.8%増)、家電(6.5%増)、菓子(1.6%増)、その他食料品(3.6%増)など。
■ショッピングセンターは38カ月連続で前年上回る
26日、日本ショッピングセンター協会が4月度SC販売統査報告を発表。売上高は前年同月比2.3%増の6,298億7,161万2,000円となり、38カ月連続で前年同月を上回った。
4月前半の気温が低めだったことで春夏物の衣料品が苦戦したが、雑貨や飲食が堅調。月後半に気温が上昇したことと、販促制作が功を奏して月全体の売上増につながった。関西万博の開幕に伴い、大阪市内の店舗で売上増加につながった。
■都市部・地方とも売上好調な地域が多め
売上のうち、テナントは前年同月比2.7%増の4,919億6,762万6,000円で、全体同様に38カ月連続で前年同月を上回った。キーテナントは同0.8%増の1,379億398万6,000円となり、6カ月連続で前年同月を上回っている。
大都市は14都市中11都市で前年同月を上回った。その中では千葉市(前年同月比:4.1%増、以下同じ)、東京区部(3.3%増)、川崎市(3.3%増)、名古屋市(6.9%増)、大阪市(6.0%増)、福岡市(9.0%増)などでプラス幅が大きめ。反対に京都市(0.8%減)、広島市(0.5%減)、北九州市(4.0%減)で前年同月を下回った。
その他の地域では9地域中7地域で前年同月を上回っている。その中では中部(2.7%増)、九州・沖縄(3.1%増)でプラス幅が大きめ。反対に北海道(0.8%減)、四国(1.5%減)の2地域が前年同月を下回った。