香港前場:ハンセン0.7%高で反発、上海総合も0.7%上昇

2025年5月29日(木)13時46分 サーチナ

 29日前場の香港マーケットは、主要83銘柄で構成されるハンセン指数が前日比150.05ポイント(0.65%)高の23408.36ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が57.28ポイント(0.68%)高の8501.15ポイントと反発した。売買代金は1109億2010万香港ドルとなっている(28日前場は999億4810万香港ドル)。
 「トランプ関税」の一部差し止め報道が好感される流れ。米メディアは日本時間29日午前、米国際貿易裁判所がトランプ米大統領が発動した一連の関税措置に関し、一部が大統領の権限を超えているとして差し止める決定を下したと伝えた。米政権にとっては打撃となり、急進的な政策は打ち出せなくなるとの見方も広がっている(政権側は不服として即時に上訴)。米半導体大手の好決算もプラス。エヌビディアが28日夕(現地時間)に発表した2〜4月期決算は、売上高が前年同期比で69%増加し、四半期ベースの過去最高を記録した。AI(人工知能)分野の旺盛な需要が引き続き増収につながった。
 ただ、上値は限定的。米中関係の悪化懸念がくすぶっているほか、中国指標の発表も気がかり材料だ。ルビオ米国務長官は28日、米国の大学などに留学する中国人で、中国共産党と関係がある学生や、重要分野の研究に従事する学生のビザ(査証)取り消し手続きを始めると表明している。また、中国では週末31日、5月の製造業PMIと非製造業PMIが公表される予定。複数の金融機関などが中国景気の持ち直しを示唆しているが、今月公表された5月の経済統計では、小売が市場予想を下回り、不動産関連の悪化が続いた。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、医薬品開発受託機関(CRO)など創薬支援関連の上げが目立つ。薬明生物技術(2269/HK)が8.8%高、無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が5.0%高で引けた。ほか、指数構成銘柄ではないが、薬明合聯生物技術(2268/HK)が10.0%高、康龍化成(北京)新薬技術(3759/HK)が4.4%高、来凱医薬(2105/HK)が1.8%高と買われている。米国でも事業展開するCRO各社は、米政府と中国のバイオテクノロジー企業との取引を制限する米国の「バイオセキュア法案」が年内に再提案される可能性が低くなったとの見方が広がり、支援材料となった。
 半導体やクラウドの銘柄群もしっかり。蘇州貝克微電子(2149/HK)が4.8%高、上海復旦微電子集団(1385/HK)が1.8%高、英諾賽科(蘇州)科技(2577/HK)が1.7%高、金蝶国際軟件集団(268/HK)が3.6%高、微盟集団(2013/HK)が1.7%高と値を上げた。
 自動車セクターも物色される。東風汽車集団(489/HK)が6.9%高、小鵬汽車(9868/HK)が6.2%高、蔚来集団(9866/HK)が3.0%高、広州汽車集団(2238/HK)が2.2%高で引けた。
 半面、産金セクターは安い。霊宝黄金(3330/HK)が6.9%、赤峰吉隆黄金鉱業(6693/HK)が2.5%、中国黄金国際資源(2099/HK)が1.7%、山東黄金鉱業(1787/HK)が1.2%ずつ下落した。
 本土マーケットは6日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.72%高の3363.97ポイントで前場取引を終了した。医薬が高い。ハイテク、消費関連、自動車、不動産、金融、インフラ関連、素材なども買われた。半面、空運は安い。発電の一角も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)

サーチナ

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