FRBが7会合連続で政策金利を据え置き、長引くインフレで利下げは年内1回に

2024年6月13日(木)11時14分 読売新聞

記者会見するFRBのパウエル議長(12日、ワシントンで)=田中宏幸撮影

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 【ワシントン=田中宏幸】米連邦準備制度理事会(FRB)は12日、金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、政策金利を7会合連続で据え置くことを決めた。同時に公表した経済見通しは、長引くインフレ(物価上昇)を背景に、年内の利下げ想定回数が従来の3回から1回に減った。

 政策金利となるフェデラル・ファンド金利の誘導目標は、2001年以来の高水準となる年5・25〜5・50%に維持することを全会一致で決定した。

 声明文では、インフレ鈍化に向けた動きについて、「ここ数か月、2%の物価目標に向けた前進は緩やかなものだった」と説明した。利下げを始めるまでに時間がかかることを示唆した。「目標に向かっているとの確信が深まるまで、利下げは適切ではない」との見解は維持している。

 FRBのパウエル議長は会合後の記者会見で、「インフレ率はピークから大きく緩和されたが、まだ高すぎる」と指摘した。利下げについては、「確信を強めるためにはさらにデータを見る必要がある」と述べ、慎重に経済指標を見極める考えを強調した。

 12日朝に発表された米国の5月の消費者物価上昇率は、前年同月比3・3%だった。2か月連続で伸びは鈍化し、市場予想も下回ったが、インフレは長引いている。

 3か月ごとに公表されるFOMC参加者の経済見通しでは、24年末の政策金利が前回3月の4・6%(中央値)から5・1%になった。市場では、年内の利下げ想定が3回から2回に減るとの見方が大半で、1回になるとの予想は少なかった。

 FOMCの結果を受けて、米国の長期金利は再び上昇した。日米の金利差拡大が市場で意識され、外国為替市場の円相場は、円を売って運用に有利なドルを買う円安・ドル高の基調が続きそうだ。日本銀行は13日と14日に金融政策決定会合を開き、当面の金融政策を議論する。

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