「ロバの後ろ足が取れるほど話す」とは? ロバとラバが登場する英語のことわざ

2024年6月17日(月)15時54分 財経新聞

 前回紹介した馬に関する成句に続き、今回は馬とよく似た動物、donkey(ロバ)とmule(ラバ)にまつわる英語のことわざや成句を紹介する。どちらも17世紀以前から用いられてきた由緒ある表現だ。

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■Talk The Hind Legs Off A Donkey
 「talk the hind legs off a donkey」とは、非常に長時間にわたって話し続けることを意味する成句である。文字通りに訳せば「話すことでロバの後ろ足を取る」とでもなるが、後ろ足が取れるというより、力尽きて倒れる状態がふさわしいだろう。それほどまでに聞き手が疲れ果てるまで絶え間なく話す様子を描写しているわけだ。

 同様の表現に「talk someone’s ear off」があるが、「talk the hind kegs off a donkey」はさらに誇張した表現だ。馬やロバというものは、それほど座らない動物である。そんな動物が疲れて崩れ落ちるまで話し続ける様子をイメージすると、わかりやすいだろう。

 オックスフォード英語イディオム辞典によると、このことわざは1808年にはすでに古い表現とされていた。つまり、それ以前から存在していたことは確実で、その起源はアイルランドとも言われている。なおオーストラリアにも広がったが、「talk the hind legs off a dog」や「talk the legs off an iron pot」というバリエーションが生まれた。

■(As)Stubborn as a Mule
 「stubborn as a mule」とは、直訳すると「ラバのように頑固」という意味の成句だ。「mule(ラバ)」は馬とロバの交配から生まれる雑種で、馬の力強さとロバの頑固さを兼ね備えているため、その性質は非常に頑固とされている。ちなみに、先ほど登場した「donkey」とはロバのことで、小型で耳が長く、穏やかな性格で知られている。

 日本ではそれほど馴染みのある家畜ではないが、ラバは馬よりも頑健で、荷物運びや農作業に適しているため、多くの文化で重宝されてきた。英語圏の文学作品にも古くから登場しており、その頑固な性質についても描かれている。

 ・Even though everyone disagreed with him, he was stubborn as a mule and refused to change his plan.
 (皆が反対したにもかかわらず、彼は頑固なラバのように計画を変えることを拒否した)

財経新聞

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