ネット上の「違法な投稿」「偽情報」対策強化へ、巨大ITなどに新たな規制検討…新法制定も視野

2024年10月5日(土)5時0分 読売新聞

総務省

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 総務省は、SNSを運営する巨大IT企業などにインターネット上の偽情報への対応強化を促すため、新法の制定も視野に新たな規制の検討を始める。デジタル空間での情報流通の課題に対応する有識者会議を設け、10日に初会合を開く。違法な投稿や有害な偽情報がネット上で拡散されるのを防ぐ狙いがある。

 検討会の下には、SNS運営大手に求める措置などを議論する作業部会を設ける。運営企業に対し、偽情報拡散のリスクを検証して対処する仕組みの義務化などを視野に検討を進め、早ければ来年の通常国会での法整備を目指す。

 ネット広告に関する作業部会も設け、SNS運営大手から広告審査の仕組みや人員体制などについて聞き取りを行う方向だ。著名人になりすました偽広告を通じた詐欺被害が広がったことを踏まえ、対応を急ぐ。

 偽情報対策を巡っては、別の有識者会議が9月、SNS運営大手に違法な投稿の削除などの対応を速やかに行うよう求める報告書をまとめた。企業側の自主的な対策だけでは不十分として、「制度整備も含め(運営企業に)具体的措置を求めることが適当」と指摘していた。

 海外では、欧州連合(EU)のデジタルサービス法(DSA)や英国のオンライン安全法で、SNS運営大手に違法な投稿への対応などを義務付けている。作業部会ではこうした事例も参考に、検討を進める方針だ。

 ただ、規制強化に向けては表現の自由に配慮した慎重な検討も求められる。SNS運営大手が過度に投稿を規制する事態につながりかねないためだ。有識者会議では、違法性が明らかな情報と、違法ではなくても社会に有害な情報の線引きも議論するとみられる。

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