11/13にモンゴル国ウランバートル市で、医療定期配送網構築を目指した輸血センターと病院間のドローンによる血液輸送を実施

2023年11月17日(金)16時17分 PR TIMES

〜世界初*1、外気温-15℃、標高1,300mの環境下の第三者上空自動航行を成功〜

株式会社エアロネクスト(東京都渋谷区、代表取締役CEO:田路圭輔、以下エアロネクスト)、Newcom Group(モンゴル国ウランバートル市、CEO:B.Baatarmunkh)、セイノーホールディングス株式会社(岐阜県大垣市、代表締役社長:田口 義隆、以下セイノーHD)、KDDIスマートドローン株式会社(東京都港区、代表取締役社長: 博野 雅文、以下KDDIスマートドローン)は、11月13日(月)にモンゴル国ウランバートル市で、国立輸血センター、モンゴル国立医科大学付属モンゴル日本病院間の往復約9.5kmのルートでドローンによる血液輸送の実証実験(以下 本実証実験)を実施しました。

ウランバートル市は標高1,300mという位置にあり、また当日は極寒の外気温-15℃という過酷な環境下、日本でいうところの「レベル4(有人地帯における補助者なし目視外飛行)」に該当する第三者上空における自動航行による飛行を実施し、成功させました。

本実証実験の飛行は、モンゴル国民間航空庁(通称MCAA)、ウランバートル市、土地測量地図庁、気象環境調査庁の支援、協力のもと、正式なデータや日本においてドローン配送サービス実装を含む各地で数多くの実績と経験を積んだエアロネクストの運航技術チームの徹底した実地調査と綿密な準備のもと行われたもので、モンゴル国民間航空庁から正式な許可承認を得た輸配送用途の飛行としては、モンゴル国で初となります。

ウランバートル市の慢性的な渋滞や脆弱な道路インフラによる医療分野における深刻な課題解決に向けた未来の空のインフラ構築につながる、社会的意義の高い実証実験となりました。

また、本実証実験は。本年9月にウランバートル市で開催された「新スマート物流シンポジウム」にて、モンゴルにおけるドローンを活用した配送網構築、新スマート物流*2SkyHub(TM)*3の社会実装の可能性検討に向け発足を発表した「モンゴル新スマート物流推進ワーキンググループ*4(以下 本ワーキンググループ)の活動の第一歩となるものです。

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実証実験概要


1.背景
モンゴルでは全人口の半数(約160万人)がウランバートル市に集中しており、物流、交通面では慢性的な渋滞、不十分な道路インフラ整備の状況のため、医療だけでなく経済活動にも悪影響が出ています。また、都市中心部での局所的なガソリン車利用により大気汚染も進んでいます。一方、所得水準の向上及びIT・通信環境の整備によるEC利用者の増加により、個別配送の需要は高まっています。
そこで、医療サービスを始めとする都市生活環境の改善に貢献するため、空の活用により即時性・経済性・環境面で持続可能性の高い物流インフラ構築の実現を目指し、本年9月に実施された「モンゴル新スマート物流シンポジウム2023」にて、モンゴル新スマート物流推進ワーキンググループが発足しました。
今回の実証実験は、モンゴル新スマート物流推進ワーキンググループによる活動の第一歩として、今後の医療分野におけるドローン定期配送網の社会実装を見据えて実施するものです。

2.目的
医療分野の市内での物資輸送においては、モンゴル国での唯一の輸血センターである国立輸血センターから各病院間への毎日の輸血用血液の車による輸送において、看護師の同行が必須かつ慢性的な渋滞の中、長時間の非効率な業務となっています。一方、即時性、緊急性が求められる血液を含む医療物資は、救急車を使った輸送が行われていますが、慢性的な渋滞ため、正確な輸送時間を予測できないだけでなく、所有数が限られる救急車両の本来の需要である患者搬送の機会損失につながっています。
輸血センターと病院間あるいは病院間でのドローン定期ルート構築が実現すれば、渋滞の影響を受けない時間と品質が両立された即時性の高い物資輸送が可能となり、ひいては看護師の労働環境が改善ならびに医療の持続可能性及び質の向上が期待できることから、今回、国立輸血センターからモンゴル国立医科大学付属モンゴル日本病院へのドローン飛行の実証実験を行い、定期ルートの第1本目とするべく検証を行うものです。

3.実施内容
今回のドローン配送は、ウランバートル市内の国立輸血センターとモンゴル国立医科大学付属モンゴル日本病院間の片道4.75kmの距離を往復で合計約9.5kmの飛行で輸血用の血液を配送しました。
機体はエアロネクストとACSLが共同で開発した、物流用途に特化してゼロから開発した可搬重量(ペイロード)最大5kg、最大飛行距離20kmの物流専用ドローンAirTruck*5を使用。通信はMobicomの通信(4G LTE)を使用し、機体の制御には、機体の遠隔制御・自律飛行を可能とする運航管理システムを活用します。なお、今回、日本から「リモート監視」をする体制で実施しました。
配送の流れは、国立輸血センターの看護師が、AirTruck専用の箱に血液と医療液のパックを温度管理下の梱包で収納し、AirTruckに箱をセットし、AirTruckは国立輸血センターの駐車場を離陸。片道4.75kmの距離をあらかじめプログラムされた通りに自動航行し、約13分後にモンゴル国立医科大学付属モンゴル日本病院の屋上に着陸して箱を切り離し配送し、バッテリーを交換後、離陸した国立輸血センターの駐車場まで帰還しました。配送物は血液パックと医療液2種計3種11パックで、セイノーHDの温度管理を伴う梱包のノウハウを活用し、常温と零下の2温度帯に分けた梱包で配送し、温度計測も行いました。配送された箱はモンゴル国立医科大学付属モンゴル日本病院の看護師がピックアップし、中身が無事に、また温度管理も問題なく届いたことを確認しました。

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11月13日に実施された実証実験において、各関係代表者は以下のようにコメントしています。

国立輸血センター所長のERDENEBAYAR Namijil, M.D., Ph.のコメント


以前からドローンによる血液輸送を実施したい気持ちがあり、2020年にはロータリークラブの力を借りて自分達で挑戦してみたが大変苦労をし、うまくいかなかった。その経験があるので、今日の実証実験の成功は本当に素晴らしい結果です。これもワーキンググループで連携して取り組んだおかげです。感謝しています。この成功で一般の人の認識を変えることができると思います。そしてこの成功は出発点でもあり、今後も新しいことに挑戦して、モンゴルに適用した形で推し進めていきたいと思っています。そして、このモンゴルでの取組みが世界に広がっていくことにも大いに期待しています。

Newcom Group CEO B.Baatarmunkhのコメント


モンゴルでの歴史的な輸送用ドローンの飛行を実現できたことに感激しています。多様な産業をリードするNewcom Groupは、交通渋滞や人材不足といったモンゴルの社会的課題を、効率的かつ環境に優しい方法で解決するキーがドローン産業にあると確信しています。

エアロネクスト代表取締役CEO田路 圭輔のコメント


まずは今回の実証実験が無事に成功してホッとしています。これまで経験したことのない本当にチャレンジングな一日でした。モンゴルでの事業展開に関しては、ドローンで解決するべき具体的な社会課題が目の前にあって、それを実現するための前提となる規制やルールも同時進行していくことに一番の面白さを感じています。これは新しい産業創造のモデルになると思います。さらにドローンという新しいテクノロジーのポテンシャルを計る上でモンゴルの厳しい自然環境が魅力的でもあります。モンゴルと出会えて良かったと心から思います。モンゴルでの展開はエアロネクストグループにとって大きなターニングポイントになると確信しました。

セイノーホールディングス執行役員 河合 秀治のコメント


ウランバートル市内では物流課題、交通渋滞など今後発展する都市ゆえの課題を抱えています。都市の高度化、人口増加に合わせたインフラ整備の一環として、新スマート物流が組み込まれることは大変有意義であると感じています。今回の取り組みをNewcom Groupを始めとする現地企業と連携して検証する事により、実績を日本に取り入れるリバース・イノベーションも期待されます。

KDDIスマートドローン代表取締役社長 博野 雅文のコメント


世界初の外気温-15℃、標高1,300mという厳しい環境下でのドローンによる医療物流の実証に成功したことを大変嬉しく思っています。この取り組みは、医療物流の新たな道を開くものであり、ウランバートル市内の交通渋滞問題の解消の一助となる可能性があると考えています。今後も引き続き、技術の進化と社会貢献に向けての努力を続けてまいります。

今後も、本ワーキンググループの活動を実施することで、まずはドローンによる医療定期配送網構築を目指すことから始め、モンゴルの社会課題や住民のニーズに沿った新スマート物流SkyHub(TM)の構築による社会インフラの整備を推進し、モンゴルの社会課題解決に貢献してまいります。

以上

*1 エアロネクスト実施のインターネット調査による (2023年10月末現在)

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