「老人ホームに入るが、我が家は売りたくない」→空き家放置は超危険!
2024年12月5日(木)6時0分 ダイヤモンドオンライン
「老人ホームに入るが、我が家は売りたくない」→空き家放置は超危険!総務省の調査によれば、老後1か月の生活費は、60代の世帯で約30万円、70代以上の世帯で約25万円かかると言われている。仮に90歳まで生きるとすれば、60歳からの30年間で9600万円が必要になる(30万円×12×10+25万円×12×20)。病気や介護といった問題も無視できない。本連載は、終活や相続に関するノウハウを紹介し、「お金の不安」を解消するものだ。著者は、相続専門税理士の橘慶太氏。相続の相談実績は5000人を超えている。この度、5000人の声を集めたエンディングノート、『ぶっちゃけ相続 お金の不安が消えるエンディングノート』を出版する。銀行口座、保険、年金、介護、不動産、NISA、葬儀といった観点から、終活と相続のリアルをあますところなく伝えている。お金の不安を解消するためのポイントを聞いた。
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「我が家を売りたくない……」でも、空き家放置は超危険!
本日は「終活と自宅」についてお話しします。年末年始、終活について家族で話し合う際、ぜひ参考にしてください。
もしも老人ホームに入ることになっても、「今の自宅を手放したくない」と考える方は多いものです。思い出の詰まった家ですし、もしも施設が合わない場合などに、戻れる家があるのとないのとでは安心感が違います。
しかし、施設に入るにあたって、今後も継続して住み続ける家族がいればいいですが、そうでなければ、自宅は空き家になってしまいます。
空き家の維持費と保険の話
空き家にも固定資産税や火災保険、水道光熱費、庭木の剪定費用などの維持費が年間10万円〜50万円以上かかります。特に注意したいのは火災保険です。
消防庁によれば、2023年における日本全国の出火原因の1位はタバコですが、4位に放火、7位に放火の疑いがあり、この2つの件数を足すと、1位のタバコよりも多くなります。放火されやすい家の代表格は、人目に付きにくい空き家です。
空き家になる前に加入していた火災保険を、空き家になった後も継続し、その状態で火事にあった場合、残念ながら保険の対象にならないことがあります。火災保険は、火事になるリスク(可能性)の大きさで保険料を決めていますので、空き家用の火災保険に加入していないと、補償の対象にならないのです。あらかじめしっかりと確認しておきましょう。
年末年始、終活や相続について家族で話し合う際、ぜひ参考にしてください。
(本原稿は『ぶっちゃけ相続 お金の不安が消えるエンディングノート』を一部抜粋・編集したものです)