「日本のインド」を生んだたった一人の男とは 西葛西にはガンジス川があった!
2024年12月11日(水)6時0分 ダイヤモンドオンライン
「円安?」「国債?」「チャットGPT?」よく耳にするけれど、実際のところ何のことなのか、何が問題なのかわからないまま……そんな今さら聞けないニュースや用語の数々を、どこよりも楽しく、そしてわかりやすくご紹介します!大人気アニメ「秘密結社 鷹の爪」の吉田くんが新聞記者となって、世の中の経済ニュース・時事用語を基本からていねいに紐解き話題となっている書籍『「鷹の爪」の吉田くんが聞く!経済ニュースと時事用語がめちゃくちゃわかる本』の中から一部を抜粋、編集してお伝えします。(構成/上栗崇)
イラスト/FROGMAN
本連載の用語解説の回は、好奇心旺盛な「鷹の爪」吉田くんの疑問を、「鷹の爪」のマッド・サイエンティスト、レオナルド博士がズバリ解説します。今回のテーマは「西葛西をインド人街にした一人の男」です。
なぜ日本に住むインド人の1割超が西葛西に住んでいるのか?
質問者 吉田くん(新聞記者):配信で「翔んで埼玉」を観ていたら、GACKTさんが東京の「西葛西」ってところの空気はカレーのにおいがすると言っていました。それっておかしくないですか。駅前にカレー屋さんがある街ならどこもカレーのにおいじゃないんですか。今どき牛丼屋さんだってカレー出してますよ。
回答者 レオナルド博士(マッドサイエンティスト):5000人超のインド人が暮らし「リトルインディア」とも呼ばれるのが、東京・江戸川区の東京メトロ西葛西駅周辺だ。同区内だけで、日本に住むインド人全体の1割超になる計算だ。
なぜここにインド人が集まっているのか。そのカギを握るのが、「リトルインディアの父」こと貿易商のジャグモハン・チャンドラニさんだ。
チャンドラニさんが来日したのは1978年。都心から西葛西に引っ越して約40年になる。その後、コンピューターの誤作動が懸念された「2000年問題」をきっかけにインドの優れたIT技術者とその家族が次々に来日した。最初はホテル暮らしだった彼らが、家族と暮らす家を探すのは自然な流れ。ただ、日本の不動産業者は「外人」に厳しかった。
そこでチャンドラニさんが相談会を開くと30人以上がつめかけた。「江戸川インド人会」設立のきっかけだ。
チャンドラニさんはマンションのオーナーらに掛け合って入居を説得、インド料理店「カルカッタ」を開いて食事の面倒もみた。インド人が安心して暮らせると評判になり、インド人学校もできた。
近くを流れる荒川に、ガンジス川を重ねる人も多いという。
あぁ、俺も地元テキサスのコロラド川に沈む夕日が見てぇなあ。
※本稿は『「鷹の爪」の吉田くんが聞く!経済ニュースと時事用語がめちゃくちゃわかる本』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
※吉田くんとアカツキ先輩が活躍中のアニメ連載「そもそも?知りたい吉田くん」は朝日新聞デジタルで読むことができます。