【国立科学博物館 筑波実験植物園】日本初!世界で最も大きな「花」をもつ植物のひとつショクダイオオコンニャクの結実・種子発芽に成功しました

2023年12月19日(火)15時16分 PR TIMES

国立科学博物館 筑波実験植物園(園長 細矢 剛)において、令和5年5月に開花した2個体のショクダイオオコンニャクを交配させたところ、結実し種子を得ることができました。種子をまいたところ、12月12日に発芽が確認され、次世代へと命をつなぐことに成功しました。栽培下で結実し種子が得られるのは世界でもまれで、日本では初めてです。

【ショクダイオオコンニャクの特徴】
 ショクダイオオコンニャクは、スマトラ島(インドネシア)の限られた場所に生えるサトイモ科の絶滅危惧種です。「花」(植物学的には花序=花の集まり)は高さ3m、直径1mになるものもあり、世界でもっとも大きな「花」をもつ植物のひとつとされています。開花時は 独特の強烈な悪臭を放つため、世界でもっとも醜い花とも呼ばれています。
 2023年5月に大小2個体が連続で開花し、19日に開花した小個体から20日に花粉を採取、27日に開花した大個体に人工授粉したところ、果実が成長する様子が観察されていました。
 11月上旬から花序上部の果実が赤く柔らかくなったため一部の果実を採取したところ、中に種子ができていることを確認しました。
 11月10日に播種したところ、12月12日に一部で発芽が見られ、発芽能力のある種子であることが確認されました。栽培下でショクダイオオコンニャクが結実し、種子が得られるのは日本では初めてで、次世代へと命をつなぐことに成功しました。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/47048/697/47048-697-176b1dadb3e2880a42faaefa59d69221-1172x658.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]令和5年5月27日大個体開花時の様子
概要
【ショクダイオオコンニャク】
和名:ショクダイオオコンニャク(燭台大蒟蒻)
学名:Amorphophallus titanum
科名:サトイモ科
分布:スマトラ島(インドネシア)の熱帯雨林
花序の最大のサイズ:高さ 3.1m(ギネス世界記録)、直径1m
(註)ショクダイオオコンニャクの「花」は正確には花序(花の集まり)で、例えばヒマワリの花と同じ【開花について】
開花:(小個体)令和5年5月19日
   (大個体)令和5年5月27日
小個体から20日夜に花粉を採取し、27日夜に大個体に人工授粉を行いました。【交配から種子発芽に至る経過】
 ショクダイオオコンニャクは同じ花序に雄花と雌花が咲きますが、同じ個体で受精しません。今回、筑波実験植物園では偶然2個体が連続開花しました。そのため、先に開花した個体の花粉を採取・保管することによって、人工授粉が可能となりました。
 これまでは花が終わってから約4週間で地上部は枯れていましたが、授粉から4週間を過ぎても地上部は枯れず、子房が膨れてきている様子が観察されたため、受精に成功したと考えられました。
 開花後5ヶ月を過ぎ、花序上部の果実が鮮やかに赤くなるとともに柔らかくなってきたため、上部の果実を採取しました。果実は全部で736個できていました。大きいものでは4cm程度の大きさとなりました。果実の中には長さ2〜 3cmの種子が0〜3個ありました。
 果肉をよく洗い11月10日に播種したところ、12月12日に発芽が確認され、発芽能力のある正常な種子であることを確認しました。【特設ホームページ】
 筑波実験植物園 特設ホームページ:https://tbg.kahaku.go.jp/news/konnyaku/ にて、果実が成長する様子を紹介しています。今後も発芽した苗の生育状況を紹介していきます。
 授粉作業の様子はこちら:https://www.youtube.com/watch?v=LFYqhtvPTwc【小個体の履歴】
平成29年6月 京都府立植物園がイモを当園に譲渡
令和5年2月6日 植え替え(イモ重量 15.5kg)【大個体の履歴】
平成 4 年 東京大学大学院理学系研究科附属植物園(小石川植物園)で播種
平成 18 年 小石川植物園がイモを当園に譲渡
平成 24 年 3 月 16 日 定植。その後、葉の生育・休眠を継続
平成 24 年 5 月 25 日 1 回目の開花(花序の高さ 206cm、直径 93cm)
平成 26 年 4 月 23 日 植え替え(イモ重量 70kg、直径 66cm、厚さ 42cm)
平成 26 年 7 月 3 日 2 回目の開花(花序の高さ 272cm、直径 108cm)
平成 28 年 7 月 6 日 植え替え(イモ重量 65kg、直径 63cm、厚さ 32cm)
平成 28 年 8 月 14 日 3 回目の開花(花序の高さ 240cm、直径 101cm)
平成 30 年 5 月 14 日 植え替え(イモ重量 76kg、直径 73cm、厚さ 36cm)
平成 30 年 6 月 26 日 4 回目の開花(花序の高さ 240cm、直径 106cm)
令和 1 年 11 月 6 日 植え替え(イモ重量 67kg、直径 71cm、厚さ 30cm)
令和 2 年 1 月18 日5回目の開花(花序の高さ 232cm、直径 86cm)
令和 5 年 2 月6 日 植え替え(イモ重量 75kg、直径 70cm、厚さ 36cm)【画像(撮影日)】
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/47048/697/47048-697-394b71b30c73aa483b46131d1df33cf7-437x583.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]<小個体開花時>(令和5年5月20日)
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/47048/697/47048-697-84f90ed15c438ed429a68f2d3e67abd5-359x641.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]<大個体開花時>(令和5年5月28日)
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/47048/697/47048-697-2046a155ab9043794f3fa237db31530b-385x687.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]<受粉の様子>(令和5年5月27日)
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/47048/697/47048-697-4a77089463e41340181929ebef52a012-437x582.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]<仏炎苞を取り除く様子>(令和5年6月14日)
[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/47048/697/47048-697-a9c8f281ab88557edbda7da4bc93e903-524x700.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]<6月の果実>(令和5年6月22日)
[画像7: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/47048/697/47048-697-b635800bb5d20eeceba23979f3439d49-520x693.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]<11月の果実>(令和5年10月26日)
[画像8: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/47048/697/47048-697-ebe25f956ef77a177b741f0139ca477f-400x546.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]<採取された果実>(令和5年11月20日)

独立行政法人国立科学博物館
〒110-8718 東京都台東区上野公園 7-20
ハローダイヤル:050-5541-8600
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)
年末年始(12月28日〜1月1日)

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