企業の「交際費支出」、コロナ以降の落ち込みは回復途上 帝国データバンク

2023年12月19日(火)16時6分 財経新聞

 帝国データバンクは15日、全国の企業を対象とした「交際費支出」動向調査(2022年度)の結果を発表した。2022年度はコロナの影響が大きかった前年度より増えたものの、2019年度と比べまだ少なく、2023年度も現時点では2022年度を少し上回る程度。コロナを機に非対面での営業活動が浸透したこともあり、一部企業では交際費枠を使っての営業活動等に慎重姿勢を維持するだろうとの見方もある。

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 政府・与党は14日、2024年度の税制改正大綱を公表した。賃金はコストではなく投資であり成長の原動力であるとの考え方を明確にしたうえで、物価上昇を上回る賃金上昇の実現を最優先課題に位置づけた。そして賃金上昇と生産性の向上を促進するために、イノベーションサンドボックス税制の創設や、スタートアップの育成を目的としたストックオプション税制の修正などが盛り込まれた。

 合わせて、企業において損金算入が可能となる交際費の上限を、現行の5,000円から1万円へ引き上げることが示された。交際費とは、取引先などとの飲食や贈答にかかる費用のこと。かつては損金算入が認められていなかったが、2006年の税制改正により1人当たり5,000円以下であれば税務上の経費と認められるようになった。今回の改正案は物価上昇を受けてのもので、消費の押し上げ効果が期待される。

 かかる状況下、帝国データバンクは15日、「交際費支出」動向調査(2022年度)の結果を発表した。調査は毎年、全国約15〜20万社を対象に、月間・1人当たりの交際費の金額ついて推計を行っている。

 2022年度は、1人当たりの交際費が判明した約15万社を対象としており、社員1人の「月あたり交際費」は平均で1万8,192円だった。前年度の1万6,653円からは伸びたものも、19年度(コロナ前)の2万3,383円まで2割以上の開きがある。また23年度は、22年度を若干上回る金額で推移している。

 支出額別では、月間・1人当たり「1万円未満」が全体の過半を超えた。また、3割強は「5千円未満」だった。一方、「1万円以上、2万円未満」の企業が17.6%あるなど、企業によって差が出ている状況。

 業種別では、不動産業が5万9,515円で最も高く、2番目に高かった職別工事業の2万9,000円を大幅に上回った。帝国データバンクによれば、管理会社や協力先など人的な交流範囲が多岐にわたることも要因ではないかという。また都道府県別では、大阪府が最も高く、奈良県、福岡県が続いた。

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