こどもの個別最適な学びを支えるICT機器を。Chromebookを日本の学習環境で活用するための必須ツール「Suiteツール for Education」誕生のきっかけと裏側

2023年12月28日(木)12時11分 PR TIMES STORY

ゼッタリンクス株式会社は「学びの力で笑顔あふれる未来を創る」のビジョンを掲げ、学校の先生に寄り添った教育用ICTソリューションを開発・提供している会社です。

このストーリーでは、1997年の教育の情報化で学校にパソコンが配備される以前から、教育用ICTソリューションの開発に携わってきた代表の山田が、Chromebookを日本の学習環境で活用するための必須ツール「Suiteツール for Education」の誕生のきっかけとその裏側を語ります。

こどもの操作指導で先生は精いっぱい。小学生でもスムーズに操作できる「Dr.シンプラー」開発のきっかけ

1997年頃、教育の情報化ということで学校にパソコンが配備されました。パソコンの中にはMicrosoft Office(Word、Excel、PowerPoint)が導入されていたのですが、こどもたちがそれらのソフトを使おうとすると、機能名が難しかったり、操作自体が難しかったりという面があり、その操作指導に先生の時間が取られてしまっていました。そこでメニューやダイアログのメッセージをこども向けにひらがなで表記し、分かりやすい機能名に変更して、こどもたちが自主的に発表資料や作品を作ることができるような拡張機能を作れないかとご相談いただきました。実際に授業を見学させていただいたところ、本当に先生が張り付いて操作指導をしていました。「これは何とかしなければならない。」という想いがきっかけになり、小学生でもスムーズに操作できるよう機能をシンプルにしたMicrosoft Office活用支援アドオン「Dr.シンプラー」を開発しました。

こどもたちがOfficeを使いこなせるように。「こどもOffice」に名前をリニューアル

「Dr.シンプラー」は、累計で全国4000校以上の学校へ導入され、ソフトキーボードや学年別辞書など、児童生徒だけでなく先生の校務文書の作成にも好評いただきました。2020年にスタートしたGIGAスクール構想を機に、ファイルの配付改修機能を新たに搭載し、 “こどもたちが世界標準のOfficeを自由に使いこなせるように”という願いをこめて、「こどもOffice」という名前にリニューアルしました。

2020年のGIGAスクール構想で、Chromebookのシェアが拡大

2020年にGIGAスクール構想で一人一台全児童生徒に端末が配られたわけですが、今まで学校にはWindows PCが9割ぐらい整備されていたのが、このGIGAスクール構想でWindowsのシェアがかなり減ってChromebookが4割以上のシェアになりました。同時に、Google Workspaceの利用が進み、Chromebook向け、Google Workspace向けのアドオンを開発しようということで、研究を進めてきました。

Google Workspaceのアドオンを、日本の学校の学習環境に対応した形で開発

Google Workspaceは日本語の縦書きやルビなど、国語の授業で必要になる機能が用意されていませんでした。「国語では必須なのに、Google Workspaceでは縦書きができない」という学校の先生の声をキャッチし、すぐに開発に取りかかりました。日本の学習環境に対応したアドオンを作れば、必ず学校現場で役に立ってもらえるという想いがありました。

無料の「たて書きできる版」は60万ダウンロード。お寺のご住職からも問い合わせが

「Google Workspaceで縦書きができる、あれね」と、学校関係者の中にはご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、Google スライドでの縦書き変換に対応した無料アドオン「たて書きできる版」を公開したところ、とても好評で既に60万ダウンロードされています。当初は学校の先生による利用を想定していましたが、あるお寺のご住職から、「法話原稿や案内状作成などで困っている。」とお話をいただき、日本特有の縦書きは、やはりニーズがあるものだなと感じています。

審査やバージョンアップへの対応で、アドオン開発に苦労。今では貢献を認められ、感謝状を受贈するまでに

Google Workspaceのアドオン開発は初めてでしたので、当初開発者たちは慣れない作業を勉強しながらスタートさせました。プログラムがやっと完成したと思ってもアドオンを公開するための審査が厳しく、何度も申請をやり直すこともありました。また、Google Workspace自体が常にバージョンアップしていくため仕様も変わり、それに合わせて開発を進めていくため、スケジュール調整なども非常に苦労しました。あれから4年、今ではかなりGoogleの開発にも慣れ、Google for Education の日本教育業界での発展に多大な貢献をしたパートナー企業として、Google for Education より感謝状「Appreciation for Excellent Partnership 2022」を受贈しました。

小学生でもスムーズに操作できる「こどもSuite」を開発。現場の先生方のご意見を反映しながら改善

小学生でもスムーズに操作できるよう機能をシンプルにしたGoogle Workspace用の活用支援アドオン「こどもSuite」を開発しました。50音順のソフトキーボードやタイトル文字、著作権を確認する手間なく教材や資料に使える学校イラストや教材テンプレートを多数収録し、Chromebookを授業ですぐに活用できる機能を搭載しました。

現場の先生方のご意見を反映させて開発を行っていますので、テンプレートに対しては「レイアウトが使いづらい」、「もっとこうしてほしい」という厳しいご意見もいただき、テンプレート作成チームを発足し、時には実際の授業を見せていただくことで、改善点を見つけ改良を進めてきました。

こども達より先生方の方がICT機器を使うためのサポートが必要。先生向けのアドオン「Suiteツール」を開発

最初は「こどもSuite」ということで、こども向けに配慮したツールを提供していたのですが、GIGAスクール構想で端末が整備されて約2年経ち、こどもたちの方は操作に慣れ、それほど配慮を必要としていないことがわかりました。どちらかというと先生方へのサポートが必要だと感じ、教材作成や授業づくりに欠かせない機能を厳選した先生向けのアドオン「Suiteツール」の開発に取り掛かりました。

例えば、配慮が必要な児童生徒や低学年の児童には漢字にフリガナが必要になりますのでルビ機能を付けたり、入力が複雑な数式や算数式を簡単に作成できる機能を搭載したりしました。また、最近では協働学習でよく使われるデジタル付箋を使った学習をGoogle スライドで行えるよう「ふせん」機能も搭載しました。

Google Jamboardのサービス終了を踏まえ、付箋データを変換できる「Suiteコンバーター」機能を開発

デジタル付箋を活用するツールが多くあるなかで、付箋を集計する機能を搭載したものはなく、Google スライドで付箋が使えないか?というご意見もあり、Suiteツールに「ふせん・ふせん集計」機能を搭載しました。

機能が搭載されて間もなく、多くの先生が授業で活用していたGoogle Jamboardが2024年12月にサービス終了とのアナウンスがあり、「Jamboardが使えなくなる。どうしよう。」という先生の不安を早く解消したいという想いで、アナウンスから2か月弱という速さでJamboardの付箋データをSuiteツール用に変換できる「Suiteコンバーター」機能を開発しました。

代わりとなるホワイトボードアプリはいくつかありますが、Google アカウントがあれば誰もが使えるGoogle スライドなら、初期設定不要ですぐに活用することができ、Jamboardの付箋では制限されていた文字数やリンクの挿入、複数選択も実現可能です。

Suiteツールの「ふせん」機能は、こどもたちが考えをふせんにまとめて投稿し、分類するわけですが、その分類した結果のまとめ方や全体への提示方法をいくつかご用意しています。グラフや表にしてまとめたり、どういった意見が多いかを可視化できるテキストマイニングの技術を使った”ワードクラウド”という形で提示したり、授業の振り返りにも役に立つ機能になっています。

こどもの個別最適な学びをフォローする「Suiteモニター」を開発

授業での端末の活用が進んできたことで、こどもたちが自主的に色々なものを作ったり学んだりする個別最適な学びのシーンが増えてくると思います。そうなると先生はこどもたちの様子を見取り、適切にフォローする指導のスタイルが普通になってきます。そこで、こどもたちがパソコンの画面上で何をやっているかを定期的にモニタリングしながら、一部分キャッチアップをしてこれを拾い上げていくという機能がどうしても必要になると思い、生徒のデスクトップ画面をリアルタイムで取得し、先生側に一覧表示できるモニタリングツール「Suiteモニター」を開発しました。

Suiteモニターの機能を強化しながら、Suiteツール for Educationを教育市場向けに販売

こども向けのアドオン「こどもSuite」と先生向けのアドオン「Suiteツール」を合わせ、さらに学びを見守る新機能「Suiteモニター」をセットにし、教育市場向けに「Suiteツール for Education」を販売開始しました。

今後は「Suiteモニター」をさらに機能強化していきたいと思っています。こどもたちの学びのキャッチアップということで、こどもたちが授業中にどのような様子なのか、どのような操作を行っているのか等をモニタリングしながら、ポイントになる学びの変化を感知し、先生にフィードバックするような、そういった機能の開発を予定しています。

ぜひGoogle Workspaceを最大限に活用するための「Suiteツール for Education」を多くの先生に使っていただきたいと思います。


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