ローザンヌ国際バレエ、3位の安海真之介さん「この身長でも評価してもらえる」…日本勢3人入賞と健闘
2025年2月10日(月)12時47分 読売新聞
最終予選で現代舞踊の課題作品を踊る安海さん PDL2025 (C)Gregory Batardon
【ローザンヌ(スイス西部)=船越翔】若手ダンサーの世界的登竜門である第53回ローザンヌ国際バレエコンクールの決選が8日、スイス・ローザンヌのボーリュー劇場で行われ、群馬県太田市の
安海さんは身長1メートル60と小柄ながら卓越した技術と表現力、心から楽しそうに踊る姿が会場をわかせた。観客賞と、劇場に敬意を表して設けられた特別賞「ボーリュー賞」にも輝いた。日本勢は決選に進んだ6か国の20人のうち7人も占めるなど健闘した。1位は韓国のパク・ヨンジェさん(16)だった。
決選出場者は古典と現代舞踊の課題作品を踊る。安海さんは古典では「眠れる森の美女」で王子の長いソロを格調高く踊った。現代舞踊で挑んだ「Groovin’」はストリートダンスの動きを取り入れた難易度の高い作品だったが、はじけるように躍動した。
愛知県岡崎市出身で私立常磐高校バレエ科3年。親元を離れ、寮で暮らしながら群馬県の山本
繁田さんはハワイ生まれで、現在はドイツで学ぶ。「演技中はスマイルを心がけていた。楽しみながらできた」と振り返った。浜崎さんは新宿区立中学校の3年生。「ローザンヌで賞を取ることはすごいこと。自信がついた」と笑った。
今回は決選進出者20人のうち15人が日本、韓国、中国から出場とアジア勢が優勢だった。とはいえ「驚くほど出場者全体のレベルが高い大会だった。そうした中で日本勢が3人も入賞したのは快挙」と舞踊評論家の森菜穂美さんはたたえる。
最終予選前に行われる4日間のレッスンでの様子も評価されることが有利に働いたようだ。「基礎の技術はもちろん、現地での指導を素早く消化して短期間で成長し、実演につなげる力を持つダンサーが高く評価される。日本からの出場者の多くがこの美点を持ち合わせていた」と森さんは分析する。
このコンクールは15〜18歳の男女が対象。入賞者は奨学金を得て、世界の一流バレエ学校やバレエ団で1年間学ぶことができる。