磯村勇斗さんが『A-Studio+』に出演。友人に見せる素顔とは「芸能の道に大反対だった両親が『ひよっこ』で120%の応援を」

2024年2月23日(金)20時0分 婦人公論.jp


「芝居をするうえでの心持ちや向き合い方は、すべて舞台で教わったと思っています。」(撮影:小林ばく)

2024年2月23日の『A-Studio+』に俳優の磯村勇斗さんが登場。地元の親友や大学の同級生、そしてSnowMan 深澤辰哉さんへのインタビューから、磯村さんの素顔に迫ります。今回は役者としての原点や、30代のプランを語った、2021年12月14日号の記事を再配信します。
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『仮面ライダー』への出演で注目を集め、朝ドラ『ひよっこ』でブレイク。以来、人気漫画の実写版『今日から俺は!!』の不良の高校生・相良猛から、大河ドラマ『晴天を衝け』の将軍・徳川家茂まで、幅広い作品でその存在感を印象付けている磯村勇斗さん。役者としての原点は——(撮影=小林ばく 構成=上田恵子)

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すべて舞台で教わった


この2年間で、考え方や気持ちにかなりの変化がありました。コロナ禍という非常事態を過ごすことで、自分の中で、「いいもの」と「悪いもの」、「いるもの」と「いらないもの」が明確になった気がするのです。人間関係にしても、「あっ、この人とは単なる仕事だけの付き合いだったんだな」と気づいてしまったり……。

たぶん、そうやって淘汰するのはいいことなんでしょうね。寂しさもありますが、結果として良質なものだけが残ることになるから。今は自分にとって本当に大切なもの、必要なものが見えやすい時代になってきていると思うので、これからも自身の五感を大事にしつつ取捨選択をしていきたいです。

現在29歳。出身は静岡県沼津市で、高校時代から地元の劇団に所属して舞台に立っていました。大学進学を機に上京し、芸能事務所には所属せず、数年間フリーランスの俳優として小劇場を回っていました。

沼津の劇団と小劇場で学んだことが僕の俳優としての核になっていることは間違いなく、芝居をするうえでの心持ちや向き合い方は、すべて舞台で教わったと思っています。

当時を振り返って「あの時こうしておけば」と思うことがあるとしたら、映像の仕事にも触れておくべきだった、ということでしょうか。なにしろ舞台しか知らなかったので、ドラマの仕事を始めた時は表現の仕方の違いに戸惑いました。もちろん根底にある芝居心の部分は一緒なんですが、もっとバランスよく学んでおけばよかったなあと思います。


「両親は当初、僕が芸能の道に進むことに大反対。100%の熱量で応援してくれるようになったのは、『仮面ライダーゴースト』に出演するようになってからです。」

両親は当初、僕が芸能の道に進むことに大反対。100%の熱量で応援してくれるようになったのは、2015〜16年に放送された『仮面ライダーゴースト』に出演するようになってからです。僕は仮面ライダーネクロムに変身する、アランという役を演じました。それまでもドラマにはちょこちょこ出ていたものの、目立った作品がなかったんです。

100%が120%に変わったのは、17年にNHK連続テレビ小説『ひよっこ』のオーディションに受かってから。特に母親は、〈朝ドラ〉への出演をものすごく喜んでいました。今では家族も、僕の出ている作品はすべて観て応援してくれています。

一筋縄ではいかない作品に挑戦します


このたび、唐十郎さん作の舞台『泥人魚』に出演させていただくことになりました。長崎県・諫早湾を閉め切る「ギロチン堤防」の問題を軸に、地元の漁師や干拓事業を選んだ人など、厳しい現実に翻弄されるさまざまな人間たちの思いを描く会話劇です。

僕が演じるのは、諫早湾で漁師をしていた蛍一。漁港から逃げて上京し、現在はブリキ加工店で働いている青年です。そこに現れるのが「ヒトか魚かわからぬコ」と言われている女性、やすみ。唐さんならではの詩的なセリフに社会問題も盛り込みつつ、物語は展開していきます。

やすみを演じるのは宮沢りえさん。宮沢さんはもう何度か唐作品の舞台に立たれていて、「頭で考えるより感覚でやったほうがつかみやすいのでは?」というアドバイスをくださいました。

題材としても難しいですし、蛍一はずっと舞台上にいて物語を引っ張っていく存在なので、これは一筋縄ではいかないなと——。ある意味自分を試す場所と言いますか、この舞台を経験することで、俳優としてひとまわり大きく成長できたらと思っています。

唐さんは一般社会にいたら、おそらく「異端児」と呼ばれる方なのではないでしょうか。頭の中が宇宙のようになっているのでしょうね。エネルギーに満ちていて、世の中を僕らとは違う目で見ている人。だからこそ、「一体どこからこの言葉が出てくるんだろう!?」と周囲が驚くようなセリフが書けるのだと思います。

ワクワクもありますけど、正直、今は楽しみより不安のほうが大きいです。一体どうなるのかなっていう。舞台は戦場みたいなところですから、楽しい云々は、きっと全部が終わってから感じるのでしょうね。

試行錯誤する30代になりそう


僕らの世代って本当にたくさんの俳優がいて、潤っているなあと感じます。しかも、それぞれがはっきりした個性を持っている。年下ですが、仲のいい(北村)匠海なんか、歌もやりながら芝居の世界でもずっとトップに立っていて。働きすぎが心配ですけど、そういうところも含めてすごい。(仲野)太賀もお芝居が魅力的ですし、若葉竜也さんも素敵な俳優さんです。

また、ライバルというより「一緒に盛り上げていきたい」という意識を持っている人が多いのもいいんですよね。そんななかで僕も、自分らしく、のびのびとやっていけたらいいなと思っています。

ドラマ、映画、そして舞台と出演作が続き、ありがたいことに結構忙しくさせていただいています。忙しいということについては、理由が明確に見えていれば気になりません。ただ漫然と働くのは嫌なので、常に意味のある仕事をしたいですね。

——えっ、こういう取材はどうか、ですか? えっと、僕はあまり自分というものを人に見せたくない人間なので、奥まで探ってくる質問に対してはうまくはぐらかすことにしています。(笑)

来年は30歳になります。20代と30代の間に特別な線引きはしていないつもりですが、昔はなんとなく、30歳になったらもっと渋い感じになっていて、自分の世界観の中で自由にやっているんじゃないかと想像していました(笑)。とはいえ、まだあと1年あるので、その間に大きく舵を切って、少しでもイメージしていた自分に近づけるよう頑張りたいです。

30代のプランはいろいろあります。実は今、一度俳優業を離れてみるのも面白いんじゃないかなと考えてみたりもして。この業界にいながら、ちょっと違う勉強をしてみるのもいいかなって。もしくはもっと俳優の仕事を極めるために、違うアプローチをしてみようかな、とか……。難しいですよね、見せ方とか、需要と供給とか、いろいろありますから。30代は、なにかと試行錯誤を重ねる10年になりそうです。

婦人公論.jp

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