『べらぼう』第9話 横浜流星×小芝風花、そっと手を重ねるだけのラブシーンにX涙「切なくて深くて悲しい」
2025年3月4日(火)22時10分 All About
3月2日に放送されたNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第9話のストーリーをおさらいしつつ、今後の見どころに迫ります。(画像出典:NHK『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』公式Webサイト)

第9話「玉菊燈籠恋の地獄」あらすじ
瀬川(小芝風花)の身請け話を耳にし、瀬川を思う気持ちに気付いた蔦重(横浜流星)。いつものように九郎助稲荷神社に瀬川を呼び出し、身請け話を断ってくれと頭を下げます。年季が明けたら請け出すという蔦重の宣言を受け止めた瀬川は、鳥山検校(市原隼人)からの身請け話を断ることに。乗り気だった瀬川の突然の心変わりに、間夫の存在を疑った松葉屋(正名僕蔵)と女将・いね(水野美紀)は、蔦重と瀬川の監視を開始。尻尾を出さない2人に焦れた松葉屋は、瀬川が客をとる姿を蔦重に見せつけ、身請けされた方が幸せなのではないかと突きつけます。
折しも吉原は盆を告げる玉菊燈籠(とうろう)の季節。新之助(井之脇海)に頼まれて、女郎以外の女人に大門をくぐる切手を発行した蔦重は、この仕組みを利用して瀬川と一緒に吉原から逃げようと思案。貸本に切手をはさんで瀬川に渡します。しかし、同じ手口でうつせみ(小野花梨)を足抜けさせようとした新之助があっという間に捕まってしまい、うつせみはひどい折檻(せっかん)を受けることに。
年に2日ある休み以外は客をとり続ける地獄のような吉原の女郎たちにも、花魁(おいらん)として名を馳(は)せればいい身請け話が持ち上がり人生が変わる可能性がある。その幸せな道を作るのも瀬川の名跡を継いだ者の務め。——いねの思いを聞いた瀬川は、「この本をすすめてくれたこと、きっと一生忘れないよ」と蔦重に切手の挟まれた貸本を返し、鳥山からの身請け話を受ける決意を固めるのでした。

そっと手を重ねるだけのラブシーンが「切なくて深くて悲しい」
「俺がお前を幸せにしてぇの。だから行かねえでくれ、頼む」と目を赤くしながら思いを伝えた蔦重。年季が明けたら請け出すという提案に、「心変わりしないだろうね」と胸ぐらをつかみながら凄んだ瀬川に、「俺はてめえの気持ちに気付くまで20年かかってんだぞ。心変わりなんてできっかよ」と一世一代の大告白。しかし吉原で間夫と女郎に待つのは地獄。新之助とうつせみの末路は、足抜けが現実的ではないと思い知らされるのに充分であり、瀬川は蔦重との思い出を宝に生きていくと決意しました。X(旧Twitter)では、「本をもらって恋に落ち、本を返して恋が終わる。どこまでもこのドラマらしく、なんて切なく美しいのか」「ラブシーンらしきものは最後にそっと手を重ねるところだけ。それが深くて悲しい」「重三がくれた夢の片道切符を破いた時に、どれだけ泣いたんだろう。それでも、愛する人が自分につけてくれた名前の切れ端は、自分の元に残したんだね。辛い」「瀬川にとって、本当に夢みたいな出来事だったんだと思う。それを抱きしめてこれから生きていけると思えるぐらいの」などのコメントが寄せられています。
松葉屋夫妻の機知と手腕に脱帽「バッキバキに殴られるより効くわ……」

「何が凄かったかというと、一度もマブの名前を言ってないこと。言及しない事で瀬川と蔦重の立場を守り、ついでに身代金を千両から1400両に引き上げた」「松葉屋女将いねが花を生けながら話す演出に唸った。花(女郎)を選んで、美しく映えるように生ける。時には容赦なく鋏を入れる。いねの役割そのもの」「(女郎の仕事がどんなものか充分承知していた蔦重が)思いが通じ合った女の“仕事中”を目の当たりにさせられて、初めて年季明けまで務めることがどれほど辛いかを思い知った、つうのがなんかこう胸にグッときたなあ。これはバッキバキに殴られるより効くわ……」などのコメントが寄せられています。
第10話は「『青楼美人』の見る夢は」。瀬川の身請けが決まり落ち込む蔦重は、親父たちから瀬川最後の花魁道中に合わせて出す錦絵の制作を依頼され、市中へ調査に出るが……。切ない思いを抱えながらも華々しく瀬川を見送るであろう蔦重に注目です。
この記事の執筆者:地子給 奈穂
編集・ライター歴17年。マンガ、小説、雑誌などの編集を経てフリーライターに転向後、グルメ、観光、ドラマレビューを中心に取材・執筆の傍ら、飲食企業のWeb戦略コンサルティングも行う。(文:地子給 奈穂)