玄理、『Eye Love You』チェ・ジョンヒョプとの共演語る 言語の壁をなくす現場の工夫も「ひとつの成功例だと」

2024年3月20日(水)9時0分 マイナビニュース

●ミン・ハナ役は強さと儚さ、脆さのバランスを大切に
数々のドラマや映画で活躍している玄理。日本語、韓国語、英語の3カ国語が話せるという語学力も生かし、海外作品にも多数出演している。現在放送中のTBS系火曜ドラマ『Eye Love You』(毎週火曜22:00〜)では、韓国人投資家ミン・ハナ役として出演。玄理にインタビューし、本作への出演や自身の強み、そして今後の抱負など話を聞いた。
『Eye Love You』は、目が合うと相手の心の声が聞こえてしまう“テレパス”の能力を持つ主人公・本宮侑里(二階堂ふみ)と、超ピュアな年下韓国人留学生ユン・テオ(チェ・ジョンヒョプ)の恋模様を描くラブストーリー。19日に放送された第9話で、玄理演じるミン・ハナが、侑里と同じく目が合うと相手の心の声が聞こえてしまう能力を持っていることが明らかに。この能力の持ち主が愛した人は亡くなってしまうのだという。そのことを知った侑里がテオに別れを切り出すという展開が描かれた。
——本作への出演が決まったときの心境をお聞かせください。
日本語と韓国語を流暢に話せる役ということで、「任せてください!」という自負がありました。一昨年TBSの日曜劇場『アトムの童』でご一緒した監督やスタッフさんと間を開けずまた現場で会えるということもうれしかったです。
——ミン・ハナを演じる際に特にどんなことを意識していますか?
目線ですね。「目が合うと人の心が読めてしまう」という設定で、彼女は過去の経験から自分の能力を呪っているので、役をいただいてから人と目が合う時は自分の望まない言葉を投げ掛けられていると想像しながら生活しました。ちょうど忘年会があって大勢の人前で話す機会があったのですが声が震えて泣きそうになって……。でも、その時思ったのは、「ミン・ハナは被害者になっちゃいけない」ということでした。台本にはない裏設定として与えられていた壮絶な過去を乗り越えた強さと儚さ、脆さのバランスが必要だと思いました。台本上での説明が少ない役だったので、毎シーン監督たちに細かく質問しながら随分助けていただきました。
——二階堂ふみさんとの共演の感想をお聞かせください。
ふみさんとは言葉を交わすシーンはありませんでしたが、メイクの時間が前後したりでご挨拶程度は出来ました。「何かあったらいつでも相談してください」と言ってくれて、主演としての気遣いを感じました。
○チェ・ジョンヒョプを迎えるための現場の様々な工夫を明かす
——チェ・ジョンヒョプさんとの共演の感想もお聞かせください。
ご一緒したのはたったの2日間でしたが、韓国語でいろんなお話をしました。一度、並んで屋上で会話をするシーンで私がジョンヒョプさんの方を向くと直射日光で眩しかったんです。これだと芝居しづらいから角度を変えようか、と監督が話していた時、率先して私と位置を交代してくれました。通常、眩しいとなかなか目を開けられないし思うように表情も出てこないと思うのですが、ジョンヒョプさんは全く普段通りに芝居していて感心しました。「眩しくないの!?」と聞いたら、「眩しい…眩しくて本当は瞼がぴくぴくしている」と言っていてかわいらしかったです。
その後、先にクランクアップした私に、スタッフさんを通して「一緒の撮影日がとても楽しかった、一番の思い出になりました」と伝言をくれて、光栄だなと思う反面、言葉が通じない環境の中でどれだけ苦労しているんだろうと思うと胸が痛みました。きっと、通訳なしに人と会話したり芝居出来ることが久しぶりだったんだと思います。
——本作に参加したことは、女優としてどのような経験になりましたか?
日本語が分からないジョンヒョプさんを迎えるために、チームが様々な工夫をしていました。全スタッフさんの名前、誕生日、好きな食べ物を日本語と韓国語で書いた紙をスタジオの壁に貼ったり、韓国語で名前を書いた名札をみんなが首から下げていたり、当日配られる割本に毎日新しい「今日の韓国語」が乗っていたり。ストーリーからも視聴者の皆様に伝わってるかもしれませんが、現場全体が温かく、私自身も現場にいると優しい気持ちになれました。これまでいくつかの合作作品だったり多国籍な文化が集まる現場に参加しましたが、ひとつの成功例だと思います。
●韓国人役も日本人役も演じられる強みと日々の努力
——韓国人役も日本人役も演じられるというのはとても強みだと思いますが、ご自身はどのように感じていますか?
特にアメリカで仕事をするようになってそれは感じています。オーディションの数も演じられる役の数も2倍なので。日本で育って日本の素晴らしさも、ルーツである韓国の素晴らしさも私は知っている。2分の1じゃなくて、2倍なんだと。それは俳優としても今の時代を生きる人間としてもありがたい要素だと思っています。
——日本語、韓国語、英語の3カ国語を話せるそうですが、ずっとそのレベルを落とさないために普段から勉強などされているのでしょうか。
もちろんです。特に撮影中はスケジュールが詰まっていたり飽きてしまわないようにと、いろいろな方法で欠かさず、英語と韓国語には“読む書く聞く”で毎日触れるようにしています。個人レッスンをはじめ、ドラマ映画を見たり、アメリカ・韓国のマネージャー、家族とのやりとり、また最近は語学アプリも使っています。
○「何においてもお芝居が一番大事なんだな」と実感
——今後の女優人生をどのように思い描いていますか?
今年の2月に、オーディションで決まったMAXのドラマのアメリカ配信が始まって、今年の後半は韓国の作品に参加します。これからも日本と韓国とロサンゼルスの3カ所を拠点に、素晴らしい作品や役、キャストやスタッフと出会っていけたらうれしいです。
——目標に掲げていることがありましたら教えてください。
多言語を話せるとか、アクションが出来るとかその他のスキルも大事ですが、何においてもお芝居が一番大事なんだなとつくづく思います。またその芝居も「良いとされているもの」が特に映画よりもドラマにおいて国によって違うので悩ましいのですが……まだまだ課題だらけなのでもっともっと良い俳優になれるように成長していきたいです。
■玄理(ヒョンリ)
1986年12月18日生まれ、東京都出身。2010年、ドラマ『フリーター、家を買う。』で女優デビュー。主演を務めた映画『水の声を聞く』(14)で第29回高崎映画祭最優秀新進女優賞を受賞。近年の主な出演作は、ドラマ『君と世界が終わる日に 』(21)、『アトムの童』(22)、『弁護士ソドム』(23)、映画『スパイの妻』(20)、『偶然と想像』(21)など。今年1月期はドラマ『院内警察』と『Eye Love You』に出演。日米共同制作『TOKYO VICE Season 2』がWOWOWで4月6日よりスタート。
(C)TBS

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