篠田正浩監督死去 岩下志麻とおしどり夫婦で知られる「瀬戸内少年野球団」「少年時代」など名作残す
2025年3月27日(木)16時9分 スポーツニッポン
「心中天網島」「瀬戸内少年野球団」「少年時代」など数多くの名作を残した映画監督の篠田正浩(しのだ・まさひろ)さんが25日、肺炎のために都内の病院で死去した。94歳。岐阜県出身。葬儀はすでに家族葬で執り行われ、後日「お別れの会」を開く予定となっている。
2003年公開の「スパイ・ゾルゲ」を最後に監督業を引退。その後は早稲田大学特命教授など後進への指導に当たった。妻の女優岩下志麻(84)とはおしどり夫婦として知られた。
早稲田大学で競走部に入部し、後に瀬古利彦氏も育てた中村清コーチの指導を受けて長距離に転向。箱根駅伝にも出場した。故障のために選手生活を断念し、学業に専念。江戸時代の演劇史を学んだ。同級生で詩人の白石かずこと学生結婚して周囲を驚かせたが、結婚生活は長くは続かなかった。
大学を卒業して松竹に入社。1年後輩に大島渚や山田洋次、2年後輩に吉田喜重や石堂淑郎らがいた。小津安二郎、渋谷実といった巨匠に助監督として就き、「恋の片道切符」で監督デビュー。2作目の「乾いた湖」が注目を集め、「青春残酷物語」の大島監督や「ろくでなし」の吉田監督とともに松竹ヌーベルバーグの御三家と呼ばれた。
これを受け東映は公式サイトで29日に丸の内TOEIで予定されていた女優・岩下志麻(84)が登壇予定だった映画「極道の妻たち」の舞台あいさつの中止を発表した。