THE RAMPAGE・藤原樹、偶然のシンクロで「クモ」に運命も…実物は苦手「一番きつい仕事でした」

2025年3月29日(土)11時0分 マイナビニュース


●出来上がりの想像がつかない“急に叫びだす”シーン
ダンス&ボーカルグループ・THE RAMPAGEの藤原樹が主演するオリジナルショートドラマ『欲望(蜘蛛の糸のように)』が、日本映画専門チャンネルで4月4日(22:30〜)に放送される。『MY (K)NIGHT マイ・ナイト』の中川龍太郎監督が描くファンタジーあり、アクションありのこのドラマは、文豪・芥川龍之介の名作『蜘蛛の糸』から着想を得た作品。藤原が演じるのは、俗にいうチンピラではあるが、蜘蛛一匹殺さぬ優しさを持つ神田辰だ。
今作の放送を記念して、日本映画専門チャンネルでは「2ヶ月連続 藤原樹にとらわれて」と題し、藤原が出演するドラマや舞台、そしてTHE RAMPAGEのライブ映像やドキュメンタリーを4月から2カ月連続で特集放送。そんな藤原に、今作の撮影秘話や、役者業とパフォーマーを両立する中での意識など、話を聞いた——。
○『傷だらけの天使』の水谷豊を参考に役作り
——今回の『欲望—』という作品の最初の印象はいかがでしたか?
この作品が決まった時に、『蜘蛛の糸』をもう一度読んで、台本を読んだのですが、僕の演じる神田が欲望というものに翻ろうされながらもがむしゃらに強く生きる姿が、カッコよくも切なくて、そんな神田を演じられることに挑戦のしがいを感じました。
——中川監督は独特な演出手法だと伺いました。
普段のドラマだと「段取り」や「テスト」というものがあるんですが、そういうものがなくて、現場で作り上げていくやり方でした。僕が経験してきたものとは全く違う撮り方だったので、最初は慣れるまでに時間がかかりましたが、次第にすごくやりやすくなっていったんです。撮影期間は3日でしたが、最後には「3日間で終わりたくない」「もっとこの環境で撮影したかった」と思えるくらい、刺激的な現場でした。
——どんな部分がやりやすかったのですか?
本番前に、監督からその場で出た意見で芝居が変わるというシーンがたくさんあって、それが楽しかったんです。最初は言われたことに「ん?」と思うこともあったのですが、実際にやってみるとすごく自然に気持ちがつながったり、そういった演出が独特でした。
この台本をそのままに受け取ると重いストーリーなのですが、監督のエッセンスがところどころに入ることで、不思議とラフに見られると思います。自分はまだ完成した映像を見ていない(※取材時点)のですが、撮影の時に出来上がりの想像がつかないシーンがたくさんあったので、早く見てみたいですね。
——出来上がりの想像がつかないシーンというのは、具体的にどの場面ですか?
僕が急に叫びだして路美(伊藤万理華)の彼氏を追い出すシーンです。その場で監督から出た演出で、台本だけ見ると、神田にそこまでアウトローな感じが出ていなかったんですけど、監督に「動物が威嚇するように追い出してほしい」と言われてやってみました。その後に急に踊りだすシーンもあるのですが、前のシーンとどうつながるのか楽しみです。
——叫びだすシーンは冒頭なので、見ている側もそこで神田のキャラクターがつかめます。
撮影も初日だったんです。後々のアクションでも叫ぶ場面があってつながってくるので、いいきっかけになったと思いますし、あそこで叫ぶ演出を入れた監督はすごいなと思いました。
——役作りはどのようにされていったのですか?
作品に入る前に、監督からドラマ『傷だらけの天使』(74〜75年)の水谷豊さんを参考にしてほしいと言われたんです。なので、その水谷さんの役柄の歩き方とかしゃべり方を参考にして、衣装も70年代の格好にしています。
○酸欠になりかけた長回しアクションシーン
——アクションシーンはなかなか長尺で激しいですね。
これまで出演した『HiGH&LOW』ではカッコいいアクションだったのですが、今回はカッコよさゼロで本当にリアルで泥臭いアクションだったので、こういうのは経験がなく、少し苦戦しました。
——アクション指導の方と話をしながら作っていった感じですか。
そうですね。監督もアクションを本格的に撮るのは初めてということで、監督としても挑戦のシーンだったそうです。殴られた時にリアルだったらどう反応するのか、といったことをアクション指導の方と監督とディスカッションしながら作っていきました。
——細かくチェックしながら撮っていったのですか?
最初は「一気に撮らないから」と言われて練習していたんですけど、実際撮り始めると最初から長回しで(笑)。撮影は2月で、まだRAMPAGEのツアーも始まっていない時期だったので、久々に体を使った感じで酸欠になりかけました。でも、その分とてもリアルなアクションになっていると思います。
——共演された伊藤万理華さんの印象はいかがですか?
もう路美にしか見えなかったですね。あまり撮影の合間に話す機会がなかったので、路美のミステリアスな空気感が伊藤さんの素なんじゃないかと思うくらい。芝居している時の目や仕草が本当にすごいと思い、尊敬します。
——伊藤さんと演技プランのお話などはされたのですか?
初日はまだお互いのことが分からないところがあったので、監督に呼ばれて最初に監督を含め3人で手を握り合ったんです。「まず手のぬくもりを感じてセリフを言ってみて」と言われて、それを繰り返してやっていくと、言い方や感情が変わっていきました。
——THE RAMPAGEのメンバーの川村壱馬さん、RIKUさん、吉野北人さんは、中川監督の『MY (K)NIGHT マイ・ナイト』に出演されていますが、事前にそうした独特な演出手法は聞いていたのですか?
北人さんと一緒にご飯に行った時に「中川監督とやるんですよ」と言ったら、「いいね! 面白い監督さんだよ」と言われました。どこが面白いのかいろいろ聞きたかったのですが、あえて聞かずに撮影に臨もうと思って行ってみたら、良い意味で本当に変わってました(笑)
それで撮影が終わってまたご飯に行った時に「本当にユニークでした、すごいですね!」「でも自由にできるからやりやすいよね」と話して、その通りでしたね。
●役者業×パフォーマー業のシナジー効果「意識が変わった」
——この『欲望—』という作品をきっかけに、日本映画専門チャンネルで藤原さんの特集が組まれることになりました。
『欲望—』と一緒に僕が出演する他の作品も放送されるというのは聞いていたのですが、主演ドラマだったり、主演舞台だったり、THE RAMPAGE関連でもたくさん放送してくださるので、びっくりしました。
——「藤原樹にとらわれて」というキャッチーなタイトルですね。
めちゃくちゃ響きがいいなと思いました(笑)
——この特集では、役者業の藤原さんに、アーティスト・パフォーマーとしての藤原さん、そしてその裏側を追ったドキュメンタリーなど様々な顔が見られると思います。
ドキュメンタリー(『Rising Sun 〜後戻りはしないOne Way Road〜』)は、RAMPAGEのメンバーが今まで話せなかったことも含めてざっくばらんに全て打ち明けているものなので、これがまた放送されるのはRAMPAGEにとってもいいことだと思います。それに、ライブ映像(『THE RAMPAGE LIVE TOUR 2023 “16” NEXT ROUND at OSAKA-JO HALL』)もTV初放送されるので、一緒に見ていただけると、よりRAMPAGEというグループが分かると思いますし、強みもたくさん描かれているので、RAMPAGEを知らない方にもぜひ見てほしいです。
『あらばしり』は初めて主演をさせていただいた連続ドラマで、こんなにすぐに放送していただけるのはうれしいですし、『カストルとポルックス』も初めて主演を務めた舞台なので、どちらも思い入れが強い作品で、また見てもらえる機会を頂けてすごくうれしいです。
——こうした役者業とパフォーマー業というのは、同じ表現をすることでありながらベクトルが違うところがあると思いますが、互いの仕事に生きる部分はありますか?
ありますね。パフォーマーとしてはカメラにどう見られているのかを想像できるので、そこは役者業に役立っていると思います。また、役者としては物語を届けるということを意識するので、パフォーマンスでも楽曲の意味をより考えて表現するというところで、意識が変わりました。
——パフォーマーと役者における意識の違いは、どのようなものがありますか?
普段は16人という大人数なので、いい意味であまり気を張らないところがあると思います。16人で長年やってきたからこそ、何も気をつかわないし、自分が一番生きる場所で、16人もいることで心強さがあるので、すごく楽です。
だからこそ1人で外へ出た時は責任感を覚えて気を張りますし、やっぱりモードが変わりますね。特に『あらばしり』をやってみて、主演はすごく大変だなと思いました。それでも、ほかのキャストさんやスタッフさんとみんなが一つのものに向かって頑張っていく期間はやりがいを感じる毎日だったので、終わった時は達成感があり、自分自身も成長できたと思いました。
それに、役者は自分以外の人間になれるのが楽しいです。いろんな役をやっていくと、「自分にこういう一面があったのか」と新しい発見ができる機会にもなるので。
——その主演の経験が、今回の『欲望—』に臨むにあたって生きた部分はありますか?
主演もそうですし、個人として仕事をしていると、やっぱり自信につながりますね。僕は個人活動をするまで自信があまりなかったのですが、おのずと自信が付いてきたので、それが次の作品で生きるし、自分の人生の経験値にもなっていると思います。
○たまたま合致「これはすごいご縁だと思います」
——3月から開催中のRAMPAGEさんのツアーのタイトルが『PRIMAL SPIDER』ですが、一方で今回の作品が『蜘蛛の糸』から着想を得たということで、やはり「クモ」に運命を感じますよね。
めちゃくちゃ感じますね! ツアーの楽曲を制作しているのが11〜12月で、ちょうどその期間に今回のドラマの話を頂いて。そしたら、たまたまだと聞いたので、これはすごいご縁だと思います。
——クモの見方がこれまでと変わりそうですね。
でも、僕は虫が嫌いなんです(笑)。今回の撮影でクモを触ったんですけど、マジできつかったです! 台本を読んで「CGかな」と思っていたら、結構大きめのクモで、しかも茶色くて。今までで一番きつい仕事でしたが、神田の優しさが見える大事なシーンなので、頑張りました(笑)
——クモ一匹殺さぬ優しさを持つ神田ですが、藤原さんご自身が周囲の方に最近優しくしたエピソードはありますか?
正月に両親をハワイに連れて行きました。親孝行です(笑)
——優しい!
スタイリスト=吉田佳輔
ヘア&メーク=oya

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