『テレビ千鳥』山本雅一氏、「スベった後がさらに面白い」千鳥の強さ 様々な現場で学んだ“リアル”“生感”の意識

2024年4月4日(木)6時0分 マイナビニュース

●報道とお笑いに通じる「その瞬間を切り取る」
注目を集めるテレビ番組のディレクター、プロデューサー、放送作家、脚本家たちを、プロフェッショナルとしての尊敬の念を込めて“テレビ屋”と呼び、作り手の素顔を通して、番組の面白さを探っていく連載インタビュー「テレビ屋の声」。今回の“テレビ屋”は、『テレビ千鳥』のプロデューサー・ディレクターを務めるテレビ朝日の山本雅一氏だ。
制作会社時代に「遠回りして」バラエティにやってきたという同氏。報道番組での経験に加え、中居正広、千鳥、そして師と仰ぐ加地倫三エグゼクティブプロデューサーと仕事をする中で、「リアルな面白さ」「やってみないと分からない生感」を意識して制作に臨むようになったという——。
○芸人を目指した頃に千鳥と出会う
——当連載に前回登場した日本テレビの小田玲奈プロデューサーが、山本さんについて「昔『ネプ&イモトの世界番付』という番組で、ロケディレクターをやっていた仲です。一緒にロケに行くことはないんですけど、スタジオ収録のときに誰のVTRが一番お客さんの笑いを取るかという感じでライバル視してて、その後に飲みに行って“あのVがウケてた”、“あれがスベってた”とか、ロケ先で起きた話とかで盛り上がるので、私がドラマに異動するのが遅くなったのは、あの時間が楽しすぎたからだと思ってます(笑)。それから時が経って、“いかがお過ごしですか?”と聞いてください(笑) 。子どもが『テレビ千鳥』が好きで、“だいご、だいご”って言いながら TVerとかで見てるんですけど、そのたびに誇らしい気持ちになります」とおっしゃっていました。
ああ、いい言葉をありがとうございます。本当にそうでしたね。『世界番付』は海外ロケに行くロケディレクターの面白勝負みたいな感じでした。僕は当時、制作会社にいたんですけど、32歳くらいで1,000万円近い制作費を背負ってVTRを撮ってくるわけだから絶対にスベれない。小田ちゃんは局員ですけど、制作会社の僕に「一番面白いV(TR)をつくってるのは私は分かってるよ」みたいなことを言ってくれましたね。小田ちゃんのVもウケてましたよ。
その時から気さくで上も下もなく分け隔てない楽しい人で、当時は「オダレナ」「まちゃ」って呼び合ってました(笑)。だからドラマに行ったら余計、演者さんや脚本家さんとの距離感が大事なので、ドラマPに向いていたんでしょうね。『ブラッシュアップライフ』もリアルタイムで楽しませてもらったし、陰ながら応援してました。
——『世界番付』ではどんなロケをされたんですか?
一番視聴率を獲ったのは「世界一まずい国イギリス」っていうすごい失礼なVTRでしたね(笑)。番組の演出は日テレの黒川高さんだったんですけど、その失礼な企画を、取材した国やお店へのリスペクトを残しながら、どうやったら皆が楽しく見られるものとして放送できるかっていうのを戦ってくれました。JOYさんと行ったんですけど、僕は1,000万のプレッシャーもあるし、若かったから (カメラを)回してなんぼみたいな考え方で、あまりにもロケするから事務所からクレームが来たらしいです(笑)。その後もJOYさんとは仲良くさせてもらってますけどね。一応、本編のディレクターもやっていたんで自分で行きたい場所を決めて、楽しいロケばかりさせてもらいました。
——部族ロケとかには行かず。
行かなかったですね。加地さんにも聞かれて答えたら「部族ちゃうんかい」って(笑)
——山本さんは元芸人だそうですね。
芸人とまで言えるか分からないんですけど、高校生の時に心斎橋筋2丁目劇場の「WA CHA CHA LIVE」のオーディションに1回奇跡的に受かったんですよ。それで大学生になってちゃんと芸人を目指そうってなった時に、いろんなライブに出ていたんです。その中で、今は吉本新喜劇の清水けんじさんが「フロントストーリー」というコンビで出ていて、「君らオモロいな。大阪のワッハ上方でライブやってんねんけど、一緒に出えへん?」って声をかけてくれたんです。
そのライブが笑い飯さんや千鳥さんが出ていた「魚群」。お二方とチケットを一緒に手売りしたり、ライブ後に飲みに行ってました。ただ千鳥さんにその話をしたら全く僕のことを覚えてなかったですね(笑)。『テレビ千鳥』に「魚群」出身者が出るたびに聞くんですけど、誰も覚えていない。で、笑い飯の哲夫さんに「ゾロノア」ってコンビ名を出したら、「いましたね」って言われました。やっと回収できました。当時、哲夫さんはライブを仕切っていて、お客さんのアンケートも何度もチェックしていたので覚えてる、とのことでした。
——当時の千鳥さんの印象は?
あの頃から面白かったですよ。baseよしもとに入る前くらいだったんですけど、今とそんなに変わらないイメージ。なんかうんこするだけのネタをやってました(笑)。当時は僕もトガッてたんで、何がおもろいねんと思いながらやってましたけど、2〜3回出て心が折れました。やっぱりモノが全然違いました。だから僕は「元芸人」というよりは「芸人になりたかった人」みたいな感じですね。
○教授が欲しがった「ジャンボタニシが夜中にピンクの卵を産む瞬間」
——そこからなぜ制作会社に入ったのですか?
僕はネタを考えられなかったんで、違う形で人を笑わせられたらいいなと思って、芸人さんと一番近い仕事って何かと考えるとやっぱりテレビだと思って、テレビの制作会社を受けたんです。それで「ザ・ワークス」という結構大きな会社に入れました。
実は面接の時、一緒に受けていた横の子にキレたんですよ(笑)。僕が「芸能人を使わずにおっさんだけ出る番組をやりたいです」って言ったら、横の子が「誰が見るか分かりません」みたいに否定したんです。それで興奮して必死に説明したら、その時の面接官が、のちに社長になる『ドクターX』のプロデューサーの霜田(一寿)さんで、「おまえ面白いな」ってなって採用されたんです。だから、最初に配属されたのはドラマ班(笑)。僕、結構遠回りしてるんですよ。
——制作会社時代に印象に残っている仕事は?
すぐにバラエティ班に入れてもらえたんですけど、2年目のときに報道番組をやってほしいと言われて『スーパーJチャンネル』(テレビ朝日)の「怒りの導火線」というコーナーに入ったんです。とにかく強い映像を撮ってこいみたいな感じで、たぶんテレビ朝日のライブラリーにある貴重な映像には僕が撮ったものが結構あると思います。「闇金が被害者に300万円返しに来る瞬間」とか「パチンコのゴト師が捕まる瞬間」とか。
「ジャンボタニシが夜中にピンクの卵を産む瞬間」も僕が何時間もかけて撮りました。教授にもその映像が欲しいって言われました。「こんなにきれいに卵を産んでいる映像は世の中にないから欲しい」って。渡せないという規則があって断らざるを得なかったですが、渡してあげたかったですね。報道ってある意味でお笑い的で面白いんですよ。みんな真剣だから。そのリアルな面白さにハマってしまって、25歳から29歳くらいまでやってましたね。
——そこからまたバラエティに戻るきっかけは、なんだったのですか?
ちょうど局内で加地さんを見かけたんですよ。当時も『ロンハー(ロンドンハーツ)』『アメトーーク!』は欠かさず見ていて、「うわっ加地さんや。本当にいるんや!」って。それで「あれ? 俺、お笑いやりたくて東京来たんちゃうんかい」と思って異動願を出しました。でも『スーパーJチャンネル』ではいろいろ学ばせてもらいましたね。自分でカメラも回しますから。その瞬間を切り取るみたいなことは、お笑いにも通ずるところがあると思いますね。
それからお笑いの部署に戻って、日テレの黒川さんと出会って『世界番付』をやっているときに、中居(正広)さんと黒川さんが番組を立ち上げるとなって、5〜6人のディレクターの中に呼んでくれました。
●中居正広との仕事は「台本がなくなっていく感じ」
——それが『ナカイの窓』ですか?
そうです。中居さんがすごいから勉強になりましたね。台本がなくなっていく感じでしたね。
——収録の空気で流れをどんどん変えていくということですか?
台本はディレクターと作家さんで一生懸命作るんですが、中居さんが収録が始まったら全て無視します。ご本人も毎回「台本は読んでいない」って言ってて、全然想定していない、絡みが始まります。で、「もうどうなるんだろ?」とドキドキしていたら、いきなり台本の展開に戻ります(笑)
面白い展開が撮れたら、台本に戻る。真意は分からないですが、おそらく中居さんは台本をめちゃくちゃ読み込んでいて、何度もシミュレーションしてるんじゃないかなと想像していました。これは千鳥さんや加地さんにも似ていて、あくまで台本は想定で現場で一番盛り上がった瞬間から展開していく。やってみないと分からないその「生感」を大切にしているんだと思います。だから僕も台本は時間をかけて作りますが、現場ではそこまで決めきらず、あくまで想定だと思って、その場でどうしたらいいかずっと考えて収録しています。
○テレ朝の面接で「お笑いやりたい」ってめっちゃ言いました
——その後、テレ朝に中途採用で入ったんですね。
主にバラエティをつくる第1制作部では2人だけ受かって、僕が入ったのが『ロンドンハーツ』、めっちゃうれしかったですよ。「やっと来た」みたいな。当時部長だった藤井(智久)さんにも面接で恥ずかしげもなく「お笑いやりたい」ってめっちゃ言いましたから。中途採用で30(歳)超えて、そんなアホいないじゃないですか。それで選んでくれたんだと思います。36歳の頃でしたね。
——『ロンハー』に入ってみていかがでしたか?
忘れもしないですけど、最初に会議室のドアを開けたときは怖かったですね。加地さんをはじめとして、(放送作家の)そーたにさんとか高須(光聖)さんとか、レジェンドクラスの方たちばっかりだったんで。ほんまに「王下七武海」みたいに見えました(笑)
——加地さんと接した印象は?
めっちゃ優しかったですね。僕は最初、契約社員として入って何年かのリミットがあったんですよ。だから必死でした。会議が終わると加地さんの前に行列ができるんですよ。みんなチェックしてほしいから。僕は呼ばれてもないのにその最後にいつもいて、企画書を見てもらっていました。
加地さんは、言い方は優しいんですけど、その企画の欠点をボロクソに言ってくださるんです。ドMの発想ですけど、それが何か気持ちよくて、笑けてくるんです。黒川さんは僕の1つ上で友達みたいな感じなんですけど、若い軍団で頑張ろうみたいな感じで自由にやらせてくれたんで、自力もつきましたが、教えてくれるみたいな感じじゃなかった。だから、初めての「師匠」みたいな感じで勉強させてもらいました。「編集のテンポが速すぎてドライすぎる」とか言われて、芸人さんの面白さを損なわない編集のやり方も教わりました。
——それで3年が過ぎて無事、正式に社員になれたんですね。
僕、カンペ出すのが比較的、上手いんですよ(笑)。加地さんが演出をする番組って他のディレクターはビビってなかなかカンペを出せないんです。僕はクビになる危機感があったから必死だし、報道をやっていたからかもしれないですけど、ここっていう瞬間が分かるから、出していた。それで加地さんが気に入ってくれたのかもしれないです。3年目が終わる頃に、3階の廊下で「お前がいないと俺が困るからな」って言ってくれて、立ち去っていく背中は今も鮮明に覚えています(笑)
●「成立しない企画」を千鳥でやってみる
——『テレビ千鳥』はどのように始まったのですか?
それも加地さんに「会議室の前待つ作戦」をして、最初は千鳥さんと他の芸人も入れて座組バラエティみたいな企画書を持っていったんです。そしたら千鳥さんだけで「千鳥番組」って書いて出せって言われたんです。「この番組がテレ朝にあったら強い」って。深夜の枠で企画が通って、加地さん、作家のそーたにさん、中野俊成さんと僕と4人で話して、具体的に何をやるか決めました。千鳥さんは2人きりでロケをした方が面白いのでそこは守ろうと。で、誰かが「最近、都会の路地裏が気になるよね」と話して、すると中野さんから「窓の景色だけを集めた写真集がある。と教えていただいて。都会にある昔ながらの路地裏を歩いて、古い民家の窓から写真を撮ろうとなりました。その中で、千鳥さんらしくクセがあるものを見つけていくという内容に。
それで始まったのが『千鳥の東京路地裏大クセ探訪』です。それが『千鳥の路地裏探訪』として日曜午前の2時間番組になったから、千鳥さんの面白いところを全部使えたんです。月一で1日だけ8時間も街ブラアドリブロケをして、ボケですけど文句もいっぱい出て、千鳥さんとの関係性も深まりました。編集でクセのあるモノの写真を見せて、ツッコミをテロップで載せていたのですが、実はこの編集が今の『テレビ千鳥』でも残っています。
そこから『千鳥の大クセ写真館』や『テレビ千鳥』の特番になっていくんですけど、当時、千鳥さんは「売れそうで売れない病」だったから、なかなかレギュラーにならなくて。で、2018年12月の特番でノブさんが1,142万円の車を買ってくれたんですよ。元々は「安いのを買うわ」みたいな感じで、そのつもりだったから、スタッフも引いてました(笑)。その放送が局内投票で1年間の特番のランキング1位になってやっとレギュラーになったんです。
——『テレビ千鳥』の企画はどのように立てているのですか?
まだ誰もやってないことを僕は考えていますね。あと、成立しない企画です。普通では成立せんやろみたいなものを千鳥さんでやってみる。企画の打ち合わせは千鳥さんを含めてやるんですけど、収録の後だからみんな疲れているんですよ。大悟さんも言っていましたけど、もうなんでもええわと思って「はいはい」って言ったら撮ることになることもある(笑)。でも、それが馬力になっているんじゃないかと思います。成立しないものを成立させる。見たことのないこととか、千鳥さんも経験してないところがハネた時が面白いと思うんです。
——やっぱり千鳥さんだからこそできる?
そうですね。千鳥さんってスベってもいいんですよ。スベった後がさらに面白い芸人。それをつくったのは千鳥さんだと思います。この前「剛くんと夏菜子ちゃんに結婚祝いを勝手に贈る」企画をやりましたけど、久々に不安だったんです。でも大悟さんは「はいはい」みたいな感じで。それでいざ大悟さんが夫婦茶碗を出したら、ノブさんが「安(やし)い!」ってツッコんで(笑)。僕的には夫婦茶碗なんて軽く触れて「これはちゃうわ」くらいの感じかと思ったら、ノブさんがおもろくするんや!と思って。やっぱ2人ともおもろいのがすごいですよね。
○ノブが言ってくれた「編集は全部山本くんに任せる」
——千鳥さんの魅力は?
大悟さんって男気もすごいし優しい。例えば、大悟さんが「でん悟ろう」に扮して理科の実験をする企画で、助手を連れてきてプシューってCO2を吹きながら登場するっていうボケがあったんです。その助手役を女性ADがやっていたんですけど、そのCO2の装置が重いから、歩いている途中で降ろしてしまった。でもそれは大悟さんが事前に「重かったらどこでもいいから降ろしていいよ」ってADに耳打ちしてたんです。それでノブさんは「なんでそんな場所からプシューってしてんねん」ってツッコんで笑いにする。優しおもろいんかいって。
あとノブさんが「Lemon」を歌った回。あのとき、ほんまにノブさんは手応えがなくてヘコんでたんですよ。「編集どうする?」って相談にも来たくらい。それで大悟さんに電話したら「俺はなんでもええから、ノブが嫌にならんようにだけしてくれたらええよ」って。ノブさんにも改めて電話したら「編集は全部山本くんに任せる」って言ってくれて、感動しました。それであの回がすごく話題になったから、ノブさんは「俺はスベったほうがええんかな…?」って(笑)
——僕の体感では半分くらい千鳥さんだけの回がある感じがします。
そうですね。そのバランスを加地さんはすごく気にされています。僕は2人だけの企画が好きなんでそれをずっとやりたいくらいなんですけど、そればかりだと視聴者に飽きられるし、ハードルも上がってしまう。ただ面白いだけじゃダメで、視聴者が面白い以外にどう感じるかを考えて「普段見ない層に向けて作る」「あえて力を抜いて見られる回を作る」など、加地さんの番組を終わらせないための考え方はすごく勉強になります。
霜降り明星は「いい意味でめっちゃ細かい」
——山本さんは『霜降りバラエティX』の演出も担当されていますが、千鳥さんと霜降り明星さんで世代の違いなど相違点を感じますか?
全然違いますね。千鳥さんはやっぱり“お兄ちゃん”なんで、「なんでも面白くするよ」みたいな懐の深さがあります。霜降り明星は、いい意味でめっちゃ細かいです。それだけこだわりがあって、自分が納得したことをやりたい。そんな若手芸人なかなかいないし、だから売れているんだと思います。千鳥さんと似ているのは、彼らもスベった後がさらに面白い。で、お笑いのレベルは本当に10年・20年上の感じがしますね。
——『霜バラ』は、霜降り明星さんの関係性を重視した企画が多い印象を受けます。
2人だけにしかできない企画にしようと思ったんですよね。だから絶対2人のフィルターを通して2人やからできる企画選びをしています。「寝る前王」なんて台本全くないですから。場所だけで「あとは面白くしてください」みたいなことはすごいことだけど、彼らはそれができるんです。本当はもう少し前の時間帯でやりたいんですけどね。TVerでも3回連続10万再生とかしてますから。
——『テレビ千鳥』でも『霜バラ』でも想定外のことが起こることがあると思いますが、その中で印象に残っているものはありますか?
『テレビ千鳥』の「面白キャラを作ろう!!おっさん芸人応援宣言」ですかね。苦労している中年芸人がその場で面白キャラを作って発表する企画で。加地さんと千鳥的には発表する瞬間に煽りVTRを入れて、ハードルを上げて楽しもうとしてたんだと思うんですけど、僕がなんか気持ちが入って、感動Vを作っちゃったんですよ。僕だけズレてて、報道出身が出ちゃった(笑)。それによって想定とは違う方向になって、ノブさんが初めてテレビで泣くっていう。スタジオにいるみんなが泣いて笑うって最高だなって思いましね。
○初の番組イベント「単独ライブ並みに本気に」
——4月29日には、幕張メッセで『テレビ千鳥』の初イベント「幕張メッセ押さえちゃったんじゃ!!」が開催されます。
ほんまにノリで取っちゃったんですよね、空いてるなら会場押さえちゃう?みたいな(笑)。でも、押さえてからみんな顔がひきつり出して。この前4年ぶりくらいに新年会をやったんです。その時、急にノブさんが真剣になったんですよ。「このイベントは『テレビ千鳥』の明暗を分けるくらい重要なことなんです」って熱く語って、こういう構成、こういう内容にしたほうがいいってブワーッとしゃべって。大悟さんもつらつらと語りだして、2人が単独ライブ並みに本気になってくれてますね。それだけこの番組を大事に思ってくれているんだと思います。
まだあまり内容は話せないんですけど、今、千鳥さんはイベントのために日々努力をしています。めちゃくちゃ頑張ってくれています。その模様は視聴者の皆さんにもぜひ、生で見ていただきたいです。
——ご自身が一番影響を受けた番組は?
テレビがめちゃくちゃ好きで、だからいっぱいあって1本に絞るのが難しいんですよね。やっぱり『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ)は、一番好きな番組で家族で見てましたね。「おかんとマー君」とか「トカゲのおっさん」は僕的にはドキュメンタリーなんですよ。中2の頃は、(千原)ジュニアさんとかベイブルースさんが言っていたことをパクって学校で言って、めっちゃウケて芸人になりたいと思って。そこから『めちゃイケ(めちゃ×2イケてるッ!)』(フジ)、『ロンハー』『アメトーーク!』(テレ朝)も全部見てました。何回も。みんなが好きなものが好きでした。お世辞じゃなく、ツラい時、『ロンハー』『アメトーーク!』は自分の支えになってましたね。
——いろいろお話を聞かせていただき、ありがとうございました。最後に、気になっている“テレビ屋”を伺いたいのですが…
『上田と女が吠える夜』(日テレ)をやられている前川瞳美さんです。知り合いから美大卒で次世代の最も勢いのある優秀な女性ディレクターがいると聞きました。面識はないですが、一方的に存じておりました。その後、『(世界の果てまで)イッテQ!』で実際にロケVTRに出演されていて、とても面白かったです。
海外ロケ出身、バラエティ番組の演出家、僕は加地さん。前川さんは古立(善之)さんという師匠がいるなど、共通点も多いのではないかと思います。どこにこだわってディレクションしているのか。苦労している点、失敗したことなどを聞いてみたいです。
次回の“テレビ屋”は…
『上田と女が吠える夜』演出・前川瞳美氏
戸部田誠(てれびのスキマ) とべたまこと ライター。著書に『タモリ学』『1989年のテレビっ子』『笑福亭鶴瓶論』『全部やれ。』『売れるには理由がある』などがある。最新刊は『史上最大の木曜日』。 この著者の記事一覧はこちら

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