朝ドラ『あんぱん』来週から今田美桜と北村匠海が本格登場。やなせたかしがアンパンマンに込めた「逆転しない正義」について2人が語ったことは…

2025年4月12日(土)12時30分 婦人公論.jp


(『あんぱん』/(c)NHK)

俳優の今田美桜さんがヒロインを務める連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合/毎週月曜〜土曜8時ほか)。14日から、第3週「なんのために生まれて」が放送されます。舞台は昭和10年に移り、のぶ(今田さん)は高等女学校5年生、嵩(北村匠海さん)は、漫画が好きな中学5年生に成長。本役である今田さんと北村さんが登場し、物語が加速していきます。3月に開かれた第1週試写会には、今田さんと北村さんに加え、制作統括の倉崎憲さんが参加。ドラマに込めた思いを語りました。(取材・文:婦人公論.jp編集部)

老けメイク披露


朝ドラ通算112作目となる『あんぱん』は、子どもたちの人気者・アンパンマンを生み出したやなせたかしと、小松暢の夫婦をモデルとした物語。ヒロインの<朝田のぶ>を今田美桜さん、<柳瀬嵩>を北村匠海さんが演じる。2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』にたどり着くまでを描く。

3月31日に放送された初回は、“逆転しない正義”を強く打ち出して、物語が幕を開けた。

初期のアンパンマンが空を飛ぶ映像とともに、嵩のモノローグが流れる。

<正義は逆転する。信じられないことだけど、正義は簡単にひっくり返ってしまうことがある。じゃあ、決してひっくり返らない正義ってなんだろう。おなかをすかして困っている人がいたら、ひときれのパンを届けてあげることだ>

晩年の嵩がアンパンマンを描いていると、のぶが部屋に入ってきて明るく声をかけた。今田さんと北村さんは老けメイクで演じた。

試写会後の会見で倉崎さんは「冒頭のシーンの年齢設定は50代。今田さんも北村さんも20代後半なので、見た目的にもなるべくリアリティに近づけたいという思いもあった。漫画家としてアンパンマンを生み出していく、辿り着くまでをこのドラマで描くんです、ということを最初に提示したかった」と説明した。

「答えはやなせさんが出している」


今田さんは、「2人のかわいらしさがすごく出ているんじゃないかな」と笑顔。北村さんは「晩年のシーンは撮影が早かったので、長い撮影のなかで僕ら2人がどう道筋を作って、そこに至るかを想像の中でやるしかなかった。逆にいうと、もう楽しむしかなかった。どこまで背筋が曲がっているんだろうとか、日々どういうニュアンスだったかがわからないからこそできたのかもしれない」と打ち明けた。


(『あんぱん』/(c)NHK)

北村さんは、シーンの終わり際はほぼアドリブだったことを明かし、今田も「採用されていたね」とほほ笑んだ。

今年は戦後80年。やなせさんは戦争体験を経て、逆転しない正義とは、「おなかがすいて困っている人がいたら、ひときれのパンを届けること」と思い至り、アンパンマンが生まれたという。

逆転しない正義についての考えを問われると、北村さんは「答えは正直、もうやなせさんが出している。悪い奴を倒すことが正義ではなくて、飢えている人に食べ物をあげること。食べることであり、生きることなんだろうなっていうのはいろんなシーンで感じています。食べて涙が出るとか、生を実感する瞬間はこの作品でも僕自身がすごく大事にしているところ。阿部(サダヲ)さん演じるヤムおじさんが、あんぱんを焼いてくれるけれど、本当にあたたかい」と語った。

「模索中です」


今田さんは「正直模索中です」と率直に語り、「今ちょうどのぶ自身は信じていた正義が逆転し始めているところを撮影していて、すごく考えさせられる部分です」と明かした。

「1週を見ても、どんなに悲しいことがあってもおいしいものはおいしいし、人のあったかさは感じる。それはどの時代でも変わらないんじゃないかな。人によって正義は違うし、衝突することもたくさんあるというのを『あんぱん』を通じて勉強させてもらっています。撮影が終わった時に、何か自分のなかで答えを見つけることができたらいいなと思っています」とコメントした。

倉崎さんは「2025年は放送100年でもあり、戦後80年。やなせたかしさんも実際に戦地に行かれているので戦争はしっかり描きたいと(脚本の)中園(ミホ)さんと話しています」と説明。

さらに、「アンパンマンはやなせ先生が戦地に行かなければ生まれなかった。やなせ先生は戦地で苦しかったのは空腹だと残されています。我々スタッフとしてもちゃんと向き合って、今までの朝ドラ以上に戦争をちゃんと日数を使って描いております」と語った。

婦人公論.jp

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