家族とともにつかんだ防衛 福間女流名人が伸び伸び攻めて快勝 岡田美術館杯第51期女流名人戦五番勝負第5局

2025年4月14日(月)11時30分 マイナビニュース


福間香奈女流名人に西山朋佳女流三冠が挑戦する岡田美術館杯第51期女流名人戦五番勝負(主催:報知新聞社・日本将棋連盟)は福間女流名人の2連勝から西山女流三冠が2連勝で返し、迎えた第5局が4月11日(金)に関西将棋会館で行われました。対局の結果、力戦調の相振り飛車から抜け出した福間女流名人が141手で勝利。通算14期目となる女流名人戴冠を決めています。
○機敏だった端攻め
福間女流名人にとって2連勝からの2連敗で迎えた最終局は踏みとどまれるかの正念場。振り駒が行われた本局は両者の息が合って相振り飛車に進んだのち、先手の福間女流名人が先攻する展開となりました。敵玉そばの端歩を突っかけておいてから7筋の歩を交換したのが指しなれた攻め方で、持ち歩を増やせば自陣は気にせず攻めに専念できる格好です。
なんとか反撃を目指したい後手の西山女流三冠ですが、攻めの主役である角桂が立ち遅れているため先手の攻めを切らす方針を採らざるを得ない苦しい展開。先手の飛車を敵陣に押し込めたのは好材料ながら、入玉が見えてきたところで放たれたベタ打ちの金が重くのしかかりました。これを見た西山女流三冠は局後「玉が狭いので少しずつ厳しい」と振り返ることに。
○家族と勝ち取った防衛
優勢を築いてからの福間女流名人の指し手は安全そのものでした。後手玉を角のラインで射貫くように狙ったのがこの戦型の終盤戦を知り尽くした決め手。入玉ルートさえふさいでしまえば逆転の可能性を摘み取ることができます。この数手後、遊び駒だった飛車までさばけてしまっては勝負あり。西山女流三冠には最後まで反撃の手番が回ってきませんでした。
終局時刻は16時57分、最後は攻防ともに見込みなしと認めた西山女流三冠が投了。フルセットまで持ち込まれた福間女流名人ですが最後は先手番で伸び伸び攻め切っての快勝となりました。防衛で通算14期目の女流名人を獲得した福間女流名人は「流れは悪かったが家族がいるおかげで切り替えることができた。今後も目の前の対局に集中したい」と喜びを語りました。
水留啓(将棋情報局)

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