チョン・ヘイン、“大先輩”ファン・ジョンミンは「演技以外にも学ぶことの多い方」
2025年4月15日(火)7時0分 クランクイン!
◆ファン・ジョンミンとの共演から大きな学び
2015年に公開され韓国で1340万人を動員したアクション映画『ベテラン』の第二弾となる本作。リュ・スンワン監督が前作に続きメガホンを取り、映画賞に何度も輝く名優ファン・ジョンミンが9年の時を経てベテラン刑事ソ・ドチョル役で再び主演、前作以上にキレのある激しいアクションを披露する。チョン・ヘインは、新たに凶悪犯罪捜査班に加わる新人刑事パク・ソヌ役でダブル主演を務める。
本作について「僕にとっては挑戦的な作品でした」と語るチョン・ヘイン。「もちろんどの作品も挑戦ではあるのですが、特に大きな挑戦であり、特に大きなプレッシャーを感じる作品でもありました」と振り返り、「チャレンジが大きいほど、そしてプレッシャーが大きいほど、やりきった時のやりがいというのは2倍になって返ってくるので感謝しています」と本作の出来栄えに充実感を見せる。また「撮影では自分でも知らなかった自分の姿を知ることができました。不思議でもありましたし、驚きでもありました」と語るなど、新たな挑戦は彼に大きな進化を生み出したようだ。
ファン・ジョンミンとダブル主演を務めたことは、「俳優としても大先輩。主役を張る座長として、現場にもそうですし、作品に対しても責任感を持っていらっしゃることをそばで感じました。少しでも先輩の力になろうとしていたことを覚えています」と貴重な経験になった様子。「現場に活力を吹き込んでくださったり、危険なシーンの撮影ではみんなの緊張を解いてしまっては危ないので、適度な緊張感を保てる環境を作ってくださいました。演技以外にも学ぶことの多い方でした」と尊敬の念をにじませる。
本作は、アクションシーンも見どころの一つ。彼が演じた新人刑事パク・ソヌは格闘技の実力者ということもあり、息もつかせぬ迫力満点なアクションを魅せる。「撮影前にアクションスクールに通って準備をしたのですが、特に基礎体力をつけるように努力しました。何テイクもアクションシーンを撮らなくてはいけなくなるかもしれなかったので、それに耐えられる体力が必要と考えたんです。現場では安全な状態ですべての撮影を行うことができたので、恐れることなくチャレンジすることができました」とにっこり。
『梨泰院クラス』『財閥×刑事』『ユミの細胞たち』などで知られるアン・ボヒョンとのアクションシーンも話題を集めているが、「彼とは同い年で、今回の共演前から親交がありました。なので、撮影に入ってからも非常にやりやすくて、いろいろな話を重ねて、お互いに信じ合いながらアクションに臨むことができました」と笑顔を見せる。
◆初めて日本で舞台挨拶に登壇「以前とは異なるエネルギーを感じた」
リュ・スンワン監督はチョン・ヘインについて「明るい役から暗い面のある役まで多様な表現ができる」と絶賛しているが、役に対するアプローチとして大事にしている点はどんなところだろう? そう尋ねると「監督がそうおっしゃってくださったのは、とてもありがたく思います。演技に関して言いますと、人物と親しくなること、近くなること、理解することが重要だと思います。演じるキャラクターと本来の自分自身には距離があって当然だと思うので、できるだけその距離を縮めて、できるだけ同期化していく——それが僕の演技スタイルかもしれません。ただ、演技と自分の日常や人生を区別していくことも重要だと感じています。あまりに役に入り込んでしまうと精神的につらくなってしまいますから」との答えが。
先日行われた本作の舞台挨拶には、彼の姿を一目見ようと多くのファンが駆け付けた。「これまでファンミーティングや、所属事務所のコンサート『KINGDOM』などで、日本のファンの皆さんの前に立ったことはありましたが、舞台挨拶として皆さんにお会いするのは今回が初めてでした。ですので、以前とは異なるエネルギーを感じました。僕が演技をする俳優ということもあってか、とても尊重してくれているような印象を受けました。客席も空きがないほどいっぱいにしてくれてとても感謝しています」と大歓迎ぶりに感激した様子。
改めて本作を楽しみにしているファンにメッセージをお願いすると、「映画の最初から集中して見てください!……というのは、ネタバレになってしまいますが、冒頭から僕が出てきます!(笑) あとは、作品を観て僕に対する誤解はしていただきたくないです。演技は演技ですから(笑)」とお茶目なコメント。持ち前のキュートさと、迫力満点なアクション、そしてふり幅のある演技力とチョン・ヘインの魅力がぎっしり詰まった本作を通して、“チョン・ヘイン”沼に落ちるファンが増えることは間違いなさそうだ。(取材・文:佐藤鷹飛 写真:高野広美)
映画『ベテラン 凶悪犯罪捜査班』は公開中。