玉置玲央「クズ役はお手の物(笑)」『光る君へ』藤原道兼役で改めてやりがい実感 反響にも感謝

2024年4月20日(土)8時30分 マイナビニュース

●衝撃展開による視聴者離れを心配もヒール役を全う
大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合 毎週日曜20:00〜ほか)で、藤原道長の次兄・藤原道兼を好演している玉置玲央。道兼のヒールっぷり、そして心情の変化とともに見せるさまざまな表情で注目を浴びている。玉置にインタビューし、SNSの反響をどのように受け止め、ヒール役のやりがいをどのように感じているのか話を聞いた。
大河ドラマ第63作となる『光る君へ』は、平安時代を舞台に、のちに世界最古の長編小説といわれる『源氏物語』を生み出した紫式部の人生を描く物語。主人公・紫式部(まひろ)を吉高由里子、まひろの生涯のソウルメイト・藤原道長を柄本佑が演じ、脚本は大石静氏が手掛けている。
平安時代ということで戦のない平和な物語になると想像していた人も多いと思うが、第1回で道兼がまひろの母・ちやは(国仲涼子)を殺害するという衝撃展開に。このシーンについて玉置はプレッシャーもあったと明かす。
「過去の大河ドラマを見てもあまりない流れで、『おもろいじゃないか』と思ったので、これをその先の物語や道兼の人物像にどうつなげていけるだろうかという意識でした。ただ、1話がこういう描写で終わり、こういう話が続くようなら今回は見なくていいやと思われてしまうのも嫌だなと。そうなってしまうとしたら自分の所業がきっかけなので、そういう意味ではプレッシャーはありました」
返り血を浴びた道兼の姿も衝撃的だった。玉置も「自分でも、返り血を浴びた顔を見て『コイツこわっ!』と思いました」と振り返る。
ヒール役を演じる不安を尋ねると、やはり第1回の衝撃展開で視聴者が離れてしまわないかという部分で心配があったという。
「1話で切られてしまうというのが一番不安でした。僕は100人見てくださる方がいたとしたら100人全員に見てもらいたい。そこに至れるんだったら何でもやろうと思いますし、面白いと思っていただけることについても妥協したくないので、そういう考えを持っている人間にとって、1話の流れで1人でも減ったら嫌だなと。それはプレッシャーでした」
実際、SNSでも大きな反響を呼んだ同シーン。玉置は肯定的な反応に安心したという。
「もちろん離れてしまった方もいらっしゃると思いますが、物語の流れとして、そして道長とまひろの運命として、ものすごく大事な出来事でしたし、視聴者の方の反応、あと心強かったのは、共演者の皆さんやスタッフの皆さんがものすごく肯定してくれて。自分の中で『大丈夫だろうか』と思っていたからこそ、肯定的な言葉をもらうとありがたかったです」
また、スタッフとの打ち合わせを重ねる中で吹っ切れた部分も大きかったそうで、「1話で離れてしまう方がいても仕方ないと思えたので、このまま道兼というヒール、ヴィランをきちんと全うしようと思えました」と語る。
○道兼を演じたことで「まだいろんなクズ役がやれるんだなと思えた」
父・兼家(段田安則)の命令に従い、汚れ仕事を担ってきた道兼だが、第14回で兼家は後継者に道隆(井浦新)を指名。道兼は激高し、「この老いぼれが……とっとと死ね!」と暴言を吐き捨てた。
そんなヒールっぷりを楽しみながら演じたという玉置は、「僕は殺人犯やクズの役が多くて、クズ役はお手の物なんです(笑)。大石先生からも『玉置さんに今回ぴったりの役があるのよ』といただいた役なので、『よしやるぞ!』という気持ちがありました」と胸を張る。
とはいえ、台本を読んだ時は「なかなかじゃないか」と想像以上のヒールっぷりに驚いたようで、「これをやるのか」と不安になったり、「それでいいんだよ」と肯定してもらったり、気持ちがジェットコースターのように揺れ動いたという。
そして、道兼を演じたことで「クズ役はもっといっぱいやれるな」という思いが芽生え、クズ役のやりがいを改めて感じたと告白。
「数をこなしたいという意味ではなく、いろんなやり方があるんだなという意味で、自分はまだいろんなクズ役がやれるんだなと思えて、それはある種の今後のやりがいになりますし、この作品の中でもやりがいだったなと感じています」と話すと、「本当はいい人の役をやりたいんですよ!」と加えて笑いを誘った。
●顔への反響に驚き「そんなに表情筋豊かって(笑)」
本作における道兼の役割については、「まひろと道長の2人の物語が彩り豊かになれば」と考えているという。
「『光る君へ』はいろんな登場人物の物語が描かれていますが、究極的にはまひろと道長の物語。(道兼は)目も当てられないことをやっていますが、2人の物語の彩りとか起爆剤になればいいなと思いました」
憎しみに満ちた表情や怒り狂った表情など、さまざまな表情を見せる道兼。SNSでは「道兼の表情筋がすごい」「道兼役の玉置さん、表情筋が豊かすぎん?」などと話題に。玉置自身も放送を見て「そんなに顔を動かす必要ある!?」と自分の表情に驚いたと言うが、撮影では表情についてあまり意識していないと明かす。
「顔に関してもこんなに反響があると思ってなかったです。『そんなに表情筋豊かって言われる!?』と思って(笑)。ちょっと過剰にやっている節はあると思いますが、そんなに頑張って表情筋を使っているつもりはなく、あまり意識していないんです」
そして、「こういう顔をしようとは思ってないんですよ。ポジティブに捉えるならば、道兼を演じようとするとちゃんとああいう顔になるんだなと。そういう風になったのは結果よかったなと思います」とも話し、「逆に皆さんにも『日常でももっと表情筋使えるよ!』と言いたいです」と笑顔で語った。
玉置は、放送を見ながらリアルタイムで感想を投稿するなど、SNSも活用して作品を発信しているが、「視聴者の数だけ、導き出される何かが存在するんだな」と感じているという。
「もちろんそれはわかっていましたが、その何百倍も反響の数も反応もあるし、導き出されたものがあるので、こんなにも皆さんが受け取ってくださって、且つ、そこに自分の意思や考えをきちんと乗っけて伝えてくださるんだなと。今の時代ならではのコミュニケーションツールとして目の当たりにできたのは目から鱗でした。SNSはそんなに得意ではなかったですが、自分の捉え方と、利用してくださっている方とのリレーション次第でポジティブに捉えられるものだと感じ、いい試みをしたのかもなと思えてうれしかったです」
特に第14回は反響を感じたそうで、「道兼なりに積み重ねたヘイトとか、道兼の働きぶりが実を結んでいっているんだなと感慨深く感じました」としみじみ。今後も表情筋豊かに道兼を演じているようで、「ことごとく表情も変わっていっているので楽しみに見ていただけたらと思います」と呼びかけた。
■玉置玲央
1985年3月22日生まれ、東京都出身。劇団「柿喰う客」所属。近年の主な出演作品は、舞台『ゲルニカ』(20)、『パンドラの鐘』『ジョン王』(22)、ドラマ『恋する母たち』(20)、『おかえりモネ』(21)、『風よあらしよ』(22)、『大奥 Season2』(23)、映画『夜を走る』(22)など。現在放送中の大河ドラマ『光る君へ』に藤原道兼役で出演。3月から5月にかけて上演中の舞台『リア王』ではエドマンド役を務めている。また、映画『夢の中』が5月10日公開。
(C)NHK

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