松本大洋『Sunny』長編アニメ映画化 『鉄コン筋クリート』マイケル・アリアス監督と再タッグ

2025年4月21日(月)13時51分 オリコン

松本大洋の漫画『Sunny』長編アニメーション映画化。詳細はカンヌ映画祭で発表

 日本を代表するストップモーションスタジオドワーフ(どーもくん、『ポケモンコンシェルジュ』など)は20日、アカデミー賞受賞作を多数手がける北米のアニメーション配給会社GKIDS(『君たちはどう生きるか』『ブレンダンとケルズの秘密』)とともに、国際的作家・松本大洋による名作漫画『Sunny』を原作とした長編アニメーション映画の共同開発を発表した。

 詳細は、カンヌ国際映画祭のアニメーション・ショーケース(Cannes Animation Showcase)にて、世界中から選ばれた注目作のひとつとして紹介される予定。ショーケースは、映画マーケット(Marche du Film)とアヌシー国際アニメーション映画祭が共同で主催する「カンヌ・アニメーション・デイ2025」の公式プログラムの一部。

 松本大洋の作品は、国内外のクリエイターや読者から圧倒的な支持を受けており、とりわけ『Sunny』は自伝的要素を含みながら、厳しい境遇にある子どもたちのリアルで力強い日常を繊細かつ大胆に描いた群像劇として、国内外で高く評価されている。第20回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞や小学館漫画賞を受賞し、アメリカの“漫画のアカデミー賞”と称されるアイズナー賞などにもノミネートされた。

 監督・脚本を務めるのは、松本作品の代表作『鉄コン筋クリート』(2006年)を手がけたマイケル・アリアス。同作では、ベルリン国際映画祭コンペティション部門へのノミネート、日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞などを受賞した。以降も松本作品の翻訳に関わるなど、深い関係を築いており、ファン待望の再タッグとなる。

 なお、松本作品のアニメーション化としては、湯浅政明監督による『ピンポン THE ANIMATION』がある。

 ストップモーション分野で世界的な評価を受けるドワーフは、『どーもくん』『こまねこ』といったキャラクター作品に加え、Netflixの『リラックマ』『ポケモンコンシェルジュ』などIP作品でもアニー賞にノミネート。2024年には短編『Bottle George』がアカデミー賞ショートリストに選出され、現在はオリジナル長編『HIDARI』も開発中。常に新しい表現に挑戦し続けている。

 一方、GKIDSは、アカデミー賞長編アニメーション部門に13回ノミネートされており、スタジオジブリ作品をはじめ、細田守新海誠、トム・ムーアらの作品を北米で配給。高品質なアニメーションの目利きとして知られ、世界的に信頼されている。

■マイケル・アリアス監督のコメント

 松本大洋さんの『Sunny』は、想像力と無邪気さを武器に、子どもたちが日々をたくましく生きていく物語。どこかディケンズ的な社会へのまなざしがあって、フェリーニのような不思議なユーモアや美しさもあって——でも何よりも感じるのは、この作品に流れている“ハート”です。そんな魅力あふれる世界をアニメーションとして立ち上げていくことに、今とてもワクワクしています。dwarfの素晴らしいクリエイターたちと、この旅をご一緒できることが本当にうれしいです。

■GKIDSのコメント

 GKIDSは、松本大洋先生の愛される『Sunny』を映画化するために、マイケル監督、松本プロデューサー、そしてドワーフの素晴らしいアーティストたちとチームを組めることを大変光栄に思っています。この素敵な作品に敬意を払い、全力を尽くして、時代を超えて愛される映画を作り上げたいと思います!

■ドワーフのコメント

 『Sunny』の物語は高いドラマ性の中でリアリズムとファンタジーが絶妙に融合していて、ストップモーションと実は非常に相性が良いと感じています。原作の深い想いを大切に表現できるよう、日本発ならではのマンガとアニメの手法も巧みに加えた新しいルックの作品を作ろうとチーム一同情熱を持って取り組んでいます。マイケル監督とともにこの素晴らしい作品を引き継ぎ、GKIDSと共に世界に広げていけることを大変光栄に思います。

オリコン

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