スキージャンプ・小林陵侑、驚異の“飛距離291m”で世界新記録達成 チャレンジ動画は半日で再生数680万回超
2024年4月25日(木)14時52分 オリコン
この記録達成の背景には、ヒルサイズ(安全に着地できるランディングエリアの限界点)が300メートル級のスキージャンプ台がもともと存在しないという制約を打破するための、無謀とも言えるチャレンジがあった。
小林の長年の夢はスポーツの「限界突破」であり、誰も達成していない偉業を打ち立てることだった。その夢をかなえるため、世界記録を更新できるジャンプ台がなければ作ってしまおうという一言から、同プロジェクトが誕生。今回、アイスランドの壮大な自然を背景に、小林のためだけに建設されたジャンプ台は2年間の調査を経て、自然の雪山に2ヶ月以上かけて建設された。
ジャンプ台は標高1115メートルから始まり、360メートルの高低差を超え、最大36度の勾配で下降する。通常のラージヒルのジャンプ台は約140メートルで、スキージャンプの中で最も大きなジャンプ台であるフライングヒルでも185メートル。この過酷な挑戦に備えて、小林は2023年からオーストリアにあるレッドブル・アスリート・パフォーマンス・センターでのトレーニングや、スウェーデンでのウィンドトンネル・トレーニングを行ってきた。
アイスランドに到着した小林は、4月23日のジャンプで256メートルを記録し、世界新記録を更新。その後、259メートル、282メートルと次々に新記録を打ち立て、24日には291メートルの新たな世界記録を達成した。
今回のジャンプで、小林がテイクオフする瞬間の最高速度は約107キロに達し、空中を約8秒間飛行した(通常のラージヒルの飛躍が4〜5秒程度)。世界記録更新について小林は「長年の夢でした。誰よりも遠くへ飛んでみたいと常に思っていましたし、スキージャンプの限界を押し広げ続けたいと考えていました。今まで経験したことのない規模感でした。最高のチームに恵まれ、夢がかないました」と声を弾ませた。
また、レッドブルのインスタグラムに投稿したチャレンジ動画は、半日で約680万回以上再生され(2024年4月25日時点)、SNSでも話題になっている。