フィッシャールールは「中距離走ぐらい」広瀬章人九段、旧知の後輩2人を指名“三人四脚”で全力疾走/将棋・ABEMAトーナメント2024

2024年4月30日(火)11時0分 ABEMA TIMES

 今年はよく知る後輩と肩を組み、歩幅を合わせて疾走する。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2024」ドラフト会議の模様が4月27日に放送され、広瀬章人九段(37)は1巡目に黒沢怜生六段(32)、2巡目に杉本和陽五段(32)と、後輩2人をそれぞれ単独指名に成功した。「親しい棋士で昔から知っている」と、3人それぞれの理解が深いチームを構成。超早指しながら、感覚としては「中距離走ぐらい」と表現するフィッシャールールで、初の頂点目指して駆け抜ける。

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 ドラフト会議に出席した11人のリーダーもグッと若返り、どんな指名が飛び出すかと思われたところ、重複指名は例年より少なめ。何かしらテーマを設定してチームを組むことも多い広瀬九段だが、今年は後輩2人の力を借りることにした。「黒沢六段は1回組んだことがあって、すごく高勝率でした。フィッシャールールにも向いているタイプの棋士」と、評価は高い。また2巡目には杉本五段の名を書いた。「ファンの方はあまりご存知ないかもしれないですが、研究会もやっていて割と親しいです。まだ選ばれたことがなくて、無言のプレッシャーを受けていました(笑)」と裏話を披露した。

 杉本五段から猛プッシュを受けた、というわけではない。「直接は言ってこないんですけど、雰囲気ですかね。(中継の)解説の時にボソッと言ったりとか。面と向かって言う人もいるんでしょうけど、それは性格。杉本さんの場合はそうではない」と、指名されたい気持ちがところどころで見えた後輩の思いを汲んだ格好だ。

 持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールもだいぶ指し慣れてはきた。将棋以外に例えると「短距離走まではいかない。中距離走ぐらい。順位戦はマラソンになると思う。使う脳も違いますね」と表現した。早指しの公式戦と比べれば短いが、かといって少ないながらも持ち時間のペース配分もある。その絶妙な加減が、これまでも数々の熱戦を生んでいる。

 大会には、広瀬九段からすれば一回り以上も若い棋士まで目立ってきた。考え方、指し方がまるで違う相手と戦うことは、徐々にベテランへと近づく広瀬九段にとっても実に刺激的。仲のいい後輩2人との三人四脚は、楽しみがいっぱいだ。


◆ABEMAトーナメント2024 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が7回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士11人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全12チームで行われる。予選リーグは3チームずつ4リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

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